幕末・明治関連書籍

 

幕末一般に関する書籍一覧です。入門書から、幕末の政治、思想、生活など。一部、明治モノあり。  

史資料・研究/解説書・その他
書名 著者名 出版社 初版 コメント

維新への胎動(上)
寺田屋事件

徳富蘇峰

講談社
(学術文庫1097)

1993

近世日本国民史『文久大勢一変』上篇。文久年間における水戸・長州・薩摩・土佐藩らと会津藩および幕府側、朝廷などの動きを追った書。上巻は、丙辰丸盟約から寺田屋事件までを取り上げる。とりわけ興味深いのは、京都・江戸での長井雅楽の活動、長井と吉田松陰およびその門下生達との確執に関する記述。

維新への胎動(下)
勅使東下

徳富蘇峰

講談社
(学術文庫1258)

1996

近世日本国民史『文久大勢一変』下篇。下巻は、横井小楠の活動、会津藩主・松平容保の京都守護職就任、土佐勤皇党の活動、幕府・朝廷の動き、攘夷志士の実行手段などを取り上げる。
幕末政治と倒幕運動 家近良樹 吉川弘文館 1995 幕末京都における中央政局の倒幕に至るまでの動向を、「一会桑」(一橋、会津、桑名)権力の分析を通して新たな視覚から解明しようとする研究書。
孝明天皇と「一会桑」 家近良樹 文春新書 2002 西南雄藩の視点からみた幕末維新の一般観念に対し、孝明天皇と「一会桑」(一橋、会津、桑名)勢力側に視点を置いて幕末政治を見直し、彼らが果たした役割を検証している。
攘夷の幕末史 町田明広 講談社現代新書 2010 これまで定説だった幕末の対立軸「尊皇攘夷vs公武合体」に異を唱え、攘夷の実相を根本から見直し、解りやすく解説した本。
島津久光=幕末政治の焦点 町田明広 講談社
(選書メチエ431)
2009 島津久光に焦点を当て、薩摩藩の動きを中心に、京都の中央政局を舞台に繰り広げられた幕末政治の行方を追う研究書。
元治夢物語
幕末同時代史
馬場文英著
徳田武 校注
岩波文庫 2008 同時代を生きた著者による、興味深い見聞録。
幕末史 半藤一利 新潮社 2008 著者の講演をまとめた談話調の通史。所謂「薩長史観」に疑問を唱える書き方が新鮮。
将軍家御典医の
娘が語る江戸の面影
安藤優一郎 平凡社新書 2008 徳川将軍家の御典医を代々務める桂川家に生まれ育った今泉みねが語る幕末維新の思い出話『名ごりの夢』を解説した本。
新選組戦場日記 木村幸比古編 PHP研究所 1998 副題は、『永倉新八「浪士文久報国記事」を読む』。永倉新八が書き残した手記を、書き下し文で紹介し、解説も付けて読みやすくまとめた本。
新選組 松浦 玲 岩波新書 2003 幕末の政治・思想史の専門家による新選組解説書。書き手が研究者であるだけに、冷静で妙な思い入れに惑わされず読める好著。

江戸切絵図で見る
幕末人物事件散歩

人文社

1995 嘉永〜慶応にかけての幕末江戸切絵図。有名な事件の説明付き。
開国と攘夷 世界文化社 1966 「日本歴史シリーズ」の1冊。史跡・史料・人物の貴重な図版が多く、解説も解り易いです。巻末に歴史用語辞典、大名配置図と志士一覧が付いている。

『明治維新』の哲学

市井三郎

講談社 1967 幕末維新における尊皇攘夷派の思想と行動を解り易く解説。「攘夷」「倒幕」の思想に疑問を持つ方は是非ご一読を。

福澤諭吉著作集 第1巻
西洋事情

福澤諭吉

慶應義塾大学
出版会

2002 福澤諭吉が、自身の洋行体験をふまえ、当時の西洋諸国の様子を体系的に解り易く解説。幕末維新期、多くの日本人に多大な影響を与えた書。

日本外史

頼 山陽

春陽堂書店

1936 頼山陽の名著。源氏・平氏から北条・楠・新田・足利・武田・上杉・毛利・織田・徳川の諸氏に至るまでの歴史を書き連ねたもの。注釈付きなのが有難いです。(全2巻)
新選組と幕末の京都 ユニプラン 2003 京都とその近郊のあらゆる幕末史跡を地図や写真付きで案内する本。これ1冊あれば幕末ファンの京都めぐりは完璧!といえるほどの『最強ガイド』。

角屋案内記

長松鰹o版部

2001 重要文化財に指定されている京都・島原の角屋の外観、内装を紹介する写真集。とりわけ2階の座敷(見学は要予約)は撮影禁止なので、この写真集の存在は有難い。


会津藩以外の各藩に関する書籍 (戊辰戦争関連を除く)
書名 著者名 出版社 初版 コメント
写真家大名・
徳川慶勝の幕末維新
尾張藩主の知られざる決断
NHKプラネット
中部編
NHK出版 2010 幕末の尾張藩主・徳川慶勝(松平容保、松平定敬らの実兄)が撮影した写真をはじめ、数多くの史料をもとに尾張藩の幕末維新を検証している。
池田屋事変始末記
吉田稔麿の最期
冨成 博 新人物文庫 2010 1975年に出版された「池田屋事変始末記 新選組と吉田稔麿」の復刻版。修正・加筆箇所あり。タイトルに池田屋事変とあるが、吉田松陰門下四天王の一人である吉田稔麿の伝記を小説仕立てで書いた本。

松下村塾
― 教育の原点をさぐる

池田 諭

社会思想社

1984 松下村塾生および塾生と関わった人々の略歴と、吉田松陰の影響力についてまとめられている。教養文庫の1冊。

幕末・明治
萩城下見聞録

林 茂香 マツノ書店 2008 安政5年、萩の下級武士の家に生まれた著者が当時の暮らしぶりを書いた本。手習場や家塾について詳しい。昭和10年刊の『幼時の見聞』の改題、昭和55年の再復刻版。
萩の史跡 一坂太郎 萩ものがたり 2006 「萩ものがたり」Vol.11。萩の史跡めぐりに重宝します。


その他 (どちらかといえば軽く読めるもの)
書名 著者名 出版社 初版 コメント

幕末維新解体新書

歴史ファンワールド編

光栄

1998

幕末から維新にかけての時代の流れを解り易く解説。ビジュアル系?イラスト入りの人物事典も楽しい。
幕末志士伝 志士FILE シブサワ・コウ 光栄 1999 PCゲーム「維新の嵐 幕末志士伝」に登場する、実在した幕末人達(朝廷・幕府・各藩の主要人物・新選組・僧侶・剣客・学者・町人・商人・芸妓・外国人等)のプロフィールをまとめたもの。手軽な人名事典としても使える。
幕末!最後の剣豪たち 宝島社 2003 別冊宝島643。幕末に活躍した剣豪、暗殺者列伝、新選組などを紹介。白虎隊も少しあり。


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