注)1.全内容は記載しきれない(現段階)。間違いは確認できてません。
注)2.とりあえず、薬局でOTCを選ぶ際の知識としておきます。
注)3.生薬の成分・薬理のデータは、上から順に主となるものです。
注)4.副作用等の項目は、記載していません。
注)5.医療用医薬品については、添付文書を参照してください。
桂皮 ケイヒ
芍薬 シャクヤク
甘草 カンゾウ
大棗 タイソウ
生姜 ショウキョウ
麻黄 マオウ
人参 ニンジン
柴胡 サイコ
半夏 ハンゲ
茯苓 ブクリョウ
黄連 オウレン
附子 ブシ
桂皮 ケイヒ
性味 | 熱、辛甘 |
基原 | クスノキ科、 ニッケイ |
成分 | 精油(1〜3%) : cinnamaldehyde(80〜90%)、など35種 ジテルペノイド タンニン 粘液 など |
薬理作用 | >中枢神経抑制作用 鎮痛、鎮静、睡眠時間延長、運動抑制、体温降下、解熱、抗痙攣、 他 >循環器系への作用 末梢血管拡張、降圧、強心、心拍数抑制、他 >消化器系への作用 腸管運動亢進、鎮痙、潰瘍発生抑制、健胃、他 >汗腺分泌刺激作用 >抗菌作用、抗真菌作用、 抗ウイルス作用 >抗アレルギー作用 >その他 |
追加 | ・主成分の、cinnamaldehydeによる作用 ・中国産がほとんど。もしくは、ベトナム桂皮など。国産は、 有効成分量の不足で、薬用にはならない。 ・肉桂のことを日本薬局方では、桂皮と呼ぶ。 ・桂枝もほぼ同様の作用がある。しかし、保険収載されたエキス剤、 日本薬局方収載、のどちらも桂皮。 ・桂枝は、肉桂の若枝を使う。また、桂皮は、肉桂の桂皮・幹皮を乾燥させて使っている。 |
芍薬 シャクヤク
性味 | 涼、苦・酸 |
基原 | ボタン科、 シャクヤク |
成分 | paeoniflorin albiflorin benzoylpaeoniflorin oxypaeoniflorin、のほか paeonol、 paeonine、安息香酸、精油、脂肪油、樹脂、タンニン、糖、 でんぷん、糖液質、タンパク質、β-シトステロール、 トリテルペノイド、など |
薬理作用 | 鎮痙、鎮痛、鎮静、消炎、抗腫瘍、消化機能亢進、血管拡張、 平滑筋弛緩、解熱、抗菌、月経正常化、その他 |
追加 | ・芍薬は、白芍薬または、白芍の和名。 ・主成分は、ペオニフロリンで抑制作用が期待できる。 ・ペオニフロリンはオキシトシンによる子宮収縮に拮抗する。 ・ペオニフロリンとFM100で相乗効果が表れる(甘草と併用)。 ・白芍は体を冷やす作用があるので、産後には本来使わない。 |
甘草 カンゾウ
性味 | 平、甘 |
基原 | マメ科、 カンゾウ |
成分 | glycyrrhizin glycyrrhetinic acid グルクロン酸、の他 リキリチゲニン、リキリチン、イソリキリチン、ネオリキリチン、等のフラボノイド グルコース、マニトール、l-アスパラギン、リコリシジン、グリチロール、 エストロゲン類似物質 |
薬理作用 | 抗アレルギー、解毒、抗炎症、副腎皮質ホルモン様、抗ストレス、鎮痛、 鎮痙、抗潰瘍、 胃酸分泌抑制、脂質代謝改善、鎮咳、女性ホルモン様、他 |
追加 | ・現代医学で応用されているのが、このグリチルリチンの作用 ・主成分のグリチルリチンを加水分解すると、 グリチルレチン酸とグルクロン酸になる。 ・甘草の長期大量使用の時は、偽アルドステロン症に注意。 ・多くの処方が、生薬の調和に甘草を使用。 |
大棗 タイソウ
性味 | 温、甘 |
基原 | クロウメモドキ科、 ソウ |
成分 | タンパク質、糖類、脂肪、有機酸、粘液、ビタミンA・B2・C、カルシウム、 サイクリック AMP、など |
薬理作用 | 消化管機能調節、鎮痙、鎮静、利尿、肝庇護、抗アレルギー、その他 |
追加 | ・"なつめ"の成熟果実を乾燥させたもの。 ・いわゆる、安神作用にも使われる。 ・薬性をやわらげるときに、 生姜といっしょによく使う。 ・生姜・なつめ、共に簡単に手に入る生薬ですね。 |
生姜 ショウキョウ
性味 | 温、辛 |
基原 | ショウガ科、 ショウガ |
成分 | 精油(0.25〜3.0%):ジンギベロール、ジンギベレン、フェランドレン、 カンフェン、シトラール、 リナロール、メチルヘプテノン、ノニルアルデヒド、 d-ボルネオール、などが主成分。 ジンゲロール、ショウガオール、ジンゲロン、ジンギベロン、 その他、 アスパラギン、ピペコリン酸、グルタミン酸、アスパラギン酸、グリシン、樹脂、 デンプン、など |
薬理作用 | 健胃、止嘔、発汗、解毒、呼吸中枢興奮、血圧上昇、抗菌、その他 |
追加 | ・本来、生姜とは、生のヒネショウガの事で、乾燥させたものを、乾姜といった。しかし、国内では、 乾燥させたものを生姜とし、蒸して乾燥させたのを 乾生姜としている。 |
麻黄 マオウ
性味 | 温、辛・微苦 |
基原 | マオウ科、 ソウマオウ |
成分 | アルカロイド(1〜2%):l-エフェドリン(40〜90%)、その他多数のエフェドリン。 タンニン、精油、 |
薬理作用 | 気管支平滑筋弛緩、血圧上昇、血管収縮、興奮(心臓・中枢神経系)、 中枢性発汗、利尿、降圧、体温低下、抗ウイルス |
追加 | ・アドレナリンと逆で、エフェドリンの作用は持続性があり、かつ緩和です。 ・収縮期血圧上昇がある為、 高血圧の場合にはまあ、注意 ・かぜ症候群で、あせが出てたらひかえめに ・発汗作用が強く、桂皮とのセットではより強くなる ・さらにマイルドな発汗・解熱・鎮痛作用の生薬として、防風、があります。残念ながら、浜防風、 での代用が無理なのがおしいとこです。 |
人参 ニンジン
性味 | 微温、甘・微苦 |
基原 | ウコギ科、 ニンジン |
成分 | 人参サポニン(シンセノサイドRx 約5.2%):13種以上のサポニン混合物。 β-シトステロール、β-シトステリルグルコシド、スチグマステロール、 ダウコステロール、パナキシロール、コリン、アミノ酸、ペプチド酸、 ビタミンA,B1,B2,C、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、ショ糖、パノースA,B,C,D、 ペクチン、精油、など |
薬理作用 | 中枢神経系興奮、中枢神経系抑制、新陳代謝促進、副腎皮質系機能促進、 循環器系機能促進調整、消化管運動亢進、造血、抗ストレス、 免疫機能増強、血糖降下、性腺発育促進、その他 |
追加 | ・薬理学的な作用から見ても、元気がない時、虚弱体質に効果。 |
柴胡 サイコ
性味 | 涼、苦 |
基原 | セリ科、 サイコ [ホクサイコ、ミシマサイコ、等] |
成分 | サポニン(3%):サイコサポニンa,b,c,de,f、サイコゲニンF,E,G、など 脂肪油(2〜3%): ステロール(0.07%): 糖: その他、 アンゲリシン、ロンギスピノゲニン、精油 |
薬理作用 | 解熱、鎮静、鎮痛、鎮咳、抗炎症、肝庇護、脂質代謝改善、抗潰瘍、 抗アレルギー、その他 |
追加 | ・炎症性疾患に使える。 ・精神神経の失調に使用。 ・臓器の下垂症状に効果あり。 |
半夏 ハンゲ
性味 | 温、辛 |
基原 | サトイモ科、 ハンゲ |
成分 | でんぷん、脂肪、粘液、精油、ニコチン、アルギニン、アスパラギン酸、 グルタミン酸、β-シトステロール、フィトステロール、サポニン、グルクロン酸、 β-アミノ酪酸、など |
薬理作用 | 鎮吐、鎮咳、去痰、解毒、強心、ストレス潰瘍防止、唾液分泌抑制、 鎮静、その他 |
追加 | ・体の水分を取る性質がある。注意して使えば、痰がからんだ時の咳に効果がある。 |
茯苓 ブクリョウ
性味 | 平、甘 |
基原 | サルノコシカケ科、 ブクリョウ(菌核) |
成分 | β-パヒマン(約93%)、その他 パヒマ酸、ツムロース酸など |
薬理作用 | 利尿、抗潰瘍、鎮静、滋養、抗菌 |
追加 | ・ブクリョウは、国内で最も重要かつ使用量の多い生薬に属する。 |
黄連 オウレン
性味 | 寒、苦 |
基原 | キンポウゲ科、 オウレン |
成分 | ベルベリン(約7〜9%)、コプチシン、オウレニン、パルマチン、コルンバミン、 オーバクノン、オーバクラクトン、など |
薬理作用 | 抗微生物、抗病原虫、降圧、抗アドレナリン、 興奮作用(消化管・気管支・子宮平滑筋・膀胱)、胆のう機能増強、 胆生成促進。膵液分泌促進、血中コレステロール低下、抗炎症、解熱、 鎮静、鎮痛、鎮痙、その他 |
追加 | ・薬理作用の多くがベルベリンによるもの。 ・低濃度でも抗菌作用がある。 ・ベルベリンが少量だとアセチルコリンの作用を高めるが、多いと弱める。 |
附子 ブシ
性味 | 大熱、大辛 有毒 |
基原 | キンポウゲ科、 ウズ (傍生塊根) |
成分 | 強毒性:aconitine、mesaconitine、hypaconitine、など 低毒性:benzoylaconine、aconine、と、atisine、napelline、など その他、ハイゲナミン、コリネイン、脂肪酸、など |
薬理作用 | 強心、鎮痛、消炎、など |
追加 | ・毒性の違いからアルカロイドには2タイプある。 ・アコニチンは分解すると、低毒性のアコニンにかわる。 ・減毒することでアルカロイド以外の有効成分(強心作用)が生きてくる。 |