第1話 火の国
大昔、災害があった。山は崩れ、海は荒れ、マグマが吹き出し、人は死んだ。火の国の神は、そんな人々をあわれに思い、心正しき一握りの人々を災害から救った。そして、新たに与えられた地で、人々は昔の繁栄を取り戻した。火の国の神はイーグル。いまでも、イーグルの塔に住み、人々を見守っている。
僕は、火の国の北部、タシタに住む、部留田裕である。両親と兄貴の四人暮らしで、それなりに暮らしを維持してゆける、中間階級の人間だった。父は部留田竜、母は部留田礼で、僕の双子の兄は、部留田渉という。僕と渉は、名前と性格以外は全て同じだったので、よく人に間違われた。僕は、ほかの人にはほとんどいない、兄弟というものを持って生まれてきた。火の国では、両親が二人目の子供を生むのは、一人目の子供が成人してからであるのが普通だった。それでなければ、経済的理由で、二人目の子供が育つ前に死んでしまうのだ。
これは、僕が小学校に上がって初めて習った、僕が住んでいる火の国の歴史だった。
その点、僕の父と母は頭がよかった。記憶力が普通の人の倍くらいあったので、仕事を普通の倍以上こなした。その血を引く僕達も頭がよかったので、幼いころから仕事をして家計を助けていた。僕達が飢えもせず、今までいきてこられたのは、ひとえに僕達の頭が並み以上であったがためだった。本当に、世の中ってのはよくできているものだ。
僕は高校一年生だ。もちろん、渉も同じである。僕達が学校へいくのは義務付けられていたから、学校のある日には必ずいかなければならなかった。ちょっとくらい身体の具合が悪くても、けがをしていてもである。それでなければ、授業のカリキュラムが狂ってしまうから。僕達の仕事は多岐に渡っていたし、予定では、あと二年ほどしたら両親がまた子供を生む計画なので、金が必要なのだった。僕達が学校へいかなければ、家計はどんどん苦しくなってしまうのだ。
今日は学校のある日だった。授業のカリキュラムによって、僕達の授業の日は決まってくる。僕は仕事が多かったから、学校へ行く日も多かった。大体、十日に七日くらいである。今日行くと明日は休みで、そのあとは三日くらい続くことになる。休みの日も学校へは行っていいことになっているけれど、僕も渉もあまり行ったことはなかった。そういう日は、行ってもおもしろい授業はなかったからである。
僕と渉は朝起きると、学校への支度を始めた。用意するのは身分証明書とノートと筆記用具だけだ。これは、一般的な学生の持ち物。たいていの人は、それ以上のものは持ってはいかない。
「裕、僕のカード知らない?」
朝食を取ろうとしていた渉が僕に聞いた。僕は思いだしていた。夕食のときに使ったカードを、渉はどこに置いただろう。記憶を戻して、そして、答えてみる。
「父さんに預けたんじゃない? ほら、家計簿をつけるとかで」
「ああ、そうだった。まだもらってなかった。裕は?」
「僕は昨日のうちにもらってきた。手もとにないと心配だから」
「お前って心配症」
渉はちょっと笑って、食事をするために下に降りていった。僕も支度をして降りて行くと、父と母はもう食卓についていた。
「おはよう、裕。あなたも早く食事を持ってらっしゃい」
「はい、母さん」
僕は台所に行って、カードを使って食事を取りだした。今日の食事は『モノ』だった。
「あれ? 今日は裕はモノか。僕もかな?」
いつの間にかうしろにいた渉が言った。僕は食事を持って、渉に聞いてみた。
「カードあったの?」
「父さんの部屋にあった。……ああ、やっぱりモノだ。僕はウチが好きなのに」
「どっちでも同じだと思うけど」
そうこうしているうちに食事も終わり、僕達は学校へ行く時間になった。
「父さんと母さんの今日の予定は?」
渉が聞くと、父さんが答えた。
「父さんはこれからイーグルの塔の技術者と話があるから中央管理局まで行ってくる。母さんも中央管理局に報告に行く予定だ。二人とも帰りはお前たちより早いと思うぞ」
「中央管理局? それじゃあ、ついでにいってきて。僕の食事のウチの割合を増やしてくれって」
「そういう用事なら自分で行きなさい。きっと本人でなければ受け付けてはくれないだろう」
「そうかな」
それから、僕と渉は家をでて、学校に向かった。近所に住む慶と一緒になったので、三人であるきながら、いろいろと話をしていた。慶も高校一年生で、僕達と違って、慶は女の子だった。
「今日は数学もあるのか?」
僕が聞くと、慶はすましていった。
「さあ、知らないわ。ただ、あたしは今日は午前中だけなの。数学があるとしたら午前中ね」
「午後から用事があるのか?」
「ないわよ。どうして?」
「別に。……そうか。午後は帰るのか」
僕は、別に慶が帰るのはどうでもいいことだったけれど、なんとなくつまらなかった。
やがて学校が近づくと、回りにだんだん人が増えてゆき、学校の前にはいつものように行列ができていた。僕達は行列の最後に並んで、やがて自分の番が来ると、持ってきたカードを差し込んで、ナンバープレートを受け取った。
ナンバープレートに書いてあった教室にいき、座席番号にしたがって席につくと、偶然か故意か、僕と渉とはとなり同士だった。慶は隣の教室だった。僕はナンバープレートを所定の位置にはめこんだ。すぐに、イヤホンから音楽がながれてくる。僕はノートを広げ、渉を見ると、渉もこっちを見ているところだった。
「何?」
「昼ごはんはウチかな」
「知らないよ、僕は」
「今日はウチが食いたい気分なんだ」
「それじゃ、僕のがウチだったら取替えてあげるよ」
今日の兄貴は、朝から食事のこと以外話そうとしていない。そう、渉は、一つのことが気になると、ほかのことなどまるで目に入らなくなる、そんな兄貴だった。
やがて、モニターのスイッチが入り、授業が始まることを告げていた。そうしているうちにイヤホンから先生の声がながれ、モニターにも先生の姿が映し出される。今日の先生は部利野皆だ。僕の予想通り、午前中の授業は数学らしい。
「おはようございます、みなさん」
僕は、備え付けのマイクに向かって挨拶した。
『おはようございます』
挨拶のときだけ、このマイクにはスイッチが入る。あとは、先生に回答を求められた生徒のマイクだけにスイッチが入る仕組だ。
「今日の午前中の授業は数学です。午後の授業は生物です。今日の数学は微分積分についてです。まず、微分に関する考え方については、第二教室の二十八番に話してもらいましょう」
第二教室二十八番の生徒が、微分の条項について話し始めた。今までに二回くらい聞いたことがあるその条項を、僕は覚えていた。彼が一言一句間違いなく話すそれを、僕は口のなかでつぶやきながら、目の前のモニターに表示された問題を、既にノートに移し始めていた。横を見ると、渉も同じように、ノートにメモしていた。やがて彼が話しおわると、先生は問題の説明のために、また一人生徒を指名した。その生徒が話しているあいだ、僕は五問あった問題を全てやりおえ、伸びをして、ほかの生徒がしていることを眺めていた。同じように回りを見回していた渉と目があったので、僕は聞いてみた。
「一番の答えなに?」
渉がいった答えは、僕のものと一致していた。似たような問題は前回の微分積分の授業でもやったので、解くのは簡単だった。少しの時間があったので、僕はぼーっとしながら回りを見ていたら、渉が話しかけてきた。
「裕、授業が終わってからでも中央管理局は開いてると思うか?」
今日の兄貴とは、この話しかできそうになかった。
「すぐにいけば間にあうと思うよ。直訴するつもり?」
「ああ。だって、最近のオレたちの食事、あまりにもモノが多すぎると思わないか? 片よりすぎだよ」
「そうかもね。でもさ、モノは理解力を高めるんだろ。僕達に理解力が足りないって、中央管理局が判断したんだろうと思うけど。ウチは記憶力の食事だし。記憶力は僕達には充分だからね」
「でも、このままモノだけを食べつづけたら、いずれは記憶力が落ちる。僕達は記憶力を落す訳にはいかないんだ」
渉にいわれて、僕ははっとした。確かに、記憶力を落す訳にはいかない。僕達はそれで生活しているんだから。
「判った、僕もいくよ。二人で直訴しよう。そろそろ僕も、モノには飽きてきた所だ」
そうして、僕達が午後の予定を決めたころ、さっきの問題の答えが発表された。発表のために先生はまた一人の生徒を指名し、彼は解説を交えながら、問題を解いていった。僕達の答えは全て正解だった。たぶん、この問題の不正解者は少なかっただろう。一度やった問題を忘れる人は、それほどいないはずだから。
それからの授業はだんだん高度な問題になっていったので、僕と渉が話をする時間はあまりなかった。そのなかで一度、慶が指名されたのを僕は聞いた。名前はいわなかったけれど、僕達は慶の声をよく知っていたし、慶が手にしたナンバープレートの番号を、僕は覚えていた。指名された瞬間に判って、僕は渉と目を合わせて笑った。そして、やっと授業が終わって、昼休みの時間になった。
昼休み、慶とすれ違ったので、僕は慶に聞いてみた。
「昼はどこで食べるんだ?」
「このまま帰って家で食べるわ。今日は母さんも父さんもいるの。これからはできるだけ一緒にいる事にしたから」
「成人したらどうするんだ?」
渉の言葉に、慶は苦笑いで答えた。
「さあ、結婚するんじゃない? じゃね」
そのまま、慶は背を向けて帰ってしまった。僕と渉は顔を見あわせて、そして、渉が言った。
「十八で結婚か。早いな」
「慶なら充分やっていけるよ。経済的にも豊かだし」
「決まった相手がいるのかな」
「さあね、少なくとも僕達じゃないよ。相手なんかいなくても、中央管理局が紹介してくれるしね。それより早く食堂にいこう。席がなくなるよ」
渉が考え事をしているのが気になったけれど、僕はあまり考えないようにして、渉と食堂へ向かった。僕がカードをいれると、昼の食事はキマだった。
「キマは想像力を高めるか。少なくとも、モノじゃなくてよかった。あんなもんばっかり食ってたら気が狂う」
「そうかもね。特に今日の渉は本当におかしい」
「そう思うか?」
「いつものことだけどね。一つのことにそれだけこだわるって、僕にはちょっと理解できない」
「それで判ったぞ。裕が理解力がないために、僕まであおりをくってモノばっかり食べさせられてるんだ。きっとそうだ」
これは渉の冗談なんだろうと思ったけれど、それにしてもずいぶん陰険だよな。本当に渉はイライラしてるんだ。食事のことと、もしかしたら、慶のことで。
「早く食べちまおう」
僕は、今日一日我慢しようと思った。きっと明日になれば、渉は元の渉に戻るだろうから。これは、よくあることだ。僕達には兄弟がいるから、兄弟のいないほかの人たちには判らないことかもしれないけれど。
午後の生物に関しては、僕と渉は一度ずつの指名を受けるはずだった。僕は遺伝子に関しての理論を持っていたし、渉は、遺伝子に関わる歴史について語るだけの知識を持っていた。ほかにも僕達は様々な知識を持っていたから、それぞれの知識について、指名を受けた回数だけの報酬が得られた。僕達学生は、授業で指名を受けることで、生活費を稼いでいるのだ。
僕の記憶に、昔あった災害の前後の事についての知識がある。少し、引用してみよう。
『昔、災害があった。その災害で、多くの人が死に、文明は後退した。その文明の後退に歯止めをかけたのは、地球の指導者、葛城達也だった。葛城達也は効率的に文明を取り戻していった。コンピューターの復活、切断された電話回線の復旧、そして、天然エネルギーの開発。残った人々の全てに完全なる分業をさせ、少しの無駄もない復興社会を作り上げた。
災害以前重大な社会問題としてあげられていたのが、環境破壊であった。環境破壊の原因としてあげられるのは、一つにエネルギーを取り出す際のリスク。二つ目が、産業廃棄物。そしてもう一つ、紙の大量消費だった。葛城達也は、クリーンエネルギーを開発し、産業廃棄物を減らし(これについてはなし始めると、一冊の本が書けてしまうくらい、彼は様々な方法をためした)、紙の使用量を最低限に押さえた。人間社会からは、あらゆる印刷物が消えていった。そのかわりに、コンピューターが発達していった。
現在の社会に、印刷物とよばれるものは一切ない。大昔に印刷された多くの書物は最低限残され、それぞれの国に一つだけある図書館に保管されている。そしてその図書は、傷みを防ぐために、一人の人間しか読むことができない。そして、ほかの人間がその図書を読みたいと思った場合、たった一人読んだ人間が、もう一人に内容を伝えるしかなくなってしまったのである。
人間の記憶力がためされた。あいまいな記憶力では、その図書の伝承者とはなれないのである。一言一句、間違いなく覚えられた人間が、その図書の伝承者となる。伝承者は、図書の内容を完璧に伝えることで、それなりの報酬を得られた。たくさんの図書を暗記することが、その人間の生活を支えることになった。肉体労働者たちは生産者として、農業や工業に従事するようになり、頭脳労働者たちは、こぞって伝承者になりたがった。そして、そのシステムは、伝承者階級を作った。
学校は伝承者の集まりである。伝承者がいなければ、学校そのものが成り立たない。出版が廃止され、かつてのような教科書がなくなってしまうと、教育は伝承者達の手に委ねられた。しかし、伝承者は自分の図書の情報しか持たない。総合的な教育をするためには、伝承者の持つ情報を管理するシステムがなければならなかった。それはコンピューターが管理し、そのコンピューターから情報を引き出して、授業カリキュラムを作るのが、先生の仕事になった。
こうして、災害以降の教育制度は確立された。伝承者階級のほかには、技術者階級、生産者階級、農業階級などがある。災害以前の原子力発電や原子爆弾などの放射能もれによって、地球には未だ、不毛の地が大半を占めている。そのため、農業生産はなかなか成果が上がらなかった。故に、衣食に関わるものの値段は法外で、裕福な人間以外は多くの子を作ることはできなかった。裕福な人間とは、伝承者階級のなかでも記憶力に特にすぐれた人間の事である。彼らが子を作ることによって、知能指数の高い人間が増えていった。災害以降の人間は、災害以前の人間より、知能が高いとされている所以である。?略』
僕は今、百六の図書の伝承者である。渉は僕より少し多くて百十二。たいていの人間が四十くらいだから、僕達はかなり多いことになる。内容的には、僕は割と実用的な図書が多いのにたいして、渉は自分の趣味に走った図書が多い。父さんと母さんは、僕達が生まれたあとは、趣味の図書はやめて、父さんは技術的な図書を多く伝承するようになった。母さんは医学的な図書が多くなった。僕達も、学校を卒業するころになったら、自分の進路を決めなければならなくなるだろう。そのための図書をいくつか伝承して、将来に備えなければならなくなる。僕は、遺伝子工学の道に進みたいと考えていた。だから最近は、遺伝に関する本を選んで伝承していた。渉は、どちらかと言えば、物理学的な本をこのんで伝承するようになっていた。
今日の授業は遺伝子に関するものだったので、僕は例外的に二回指名された。こういう事はめったにない。今日はよっぽど、遺伝子に関する伝承者が少なかったんだろう。僕は気を良くして、放課後を迎えた。
僕と渉は、学校の入口でナンバープレートを返したあと、並んで歩きながら、中央管理局と食事の話をしていた。
「裕、ここ一ヶ月の食事の割合を覚えているか?」
僕は計算して、そして、驚くべき事実を知った。
「モノが五十九回、ウチが十回、キマが十八回、リノが四回……。ほんとに? 自分で計算するまで判らなかった」
「最近集中力がなくなったと思わないか? リノの割合があまりに少ない。それに、そのほかの食事はどうしたんだ? 食事は全部で八種類だ。僕は他の食事についてはどうでもいいけど、この片寄り方っていうのは、ちょっと変だろ。それで、僕は他の人にも聞いてみたんだ。隣の男も、自分で計算してびっくりしてた。そいつはリノをほとんど食べてなかった」
「渉、これは僕達個人レベルでの問題じゃないよ。きっと、なにか食事に問題が起こったんだ。モノ以外の食事の原材料の生産かなにかに異常が起こって……」
「だから確かめに行こう。中央管理局までどのくらいかかるかな」
「歩いて一界くらいじゃないかな(約四十八分)。遠くはないよ」
「そうか。それなら、父さんに事情を話して行くくらいの時間はあるな」
それからは渉は何も言わず、家までの道程を歩きつづけた。僕は、学校で習ったことを思いだしながら、食料について考えていた。食料には大きく分けて二通りあるという。一つは、種を蒔いて畑で作る、植物を加工したものだ。もう一つは、人と同じように動く動物を育て、肉や骨を加工したものだ。それを適度に配分して味を付けたものが、僕達が普段食べているモノやウチになるのだ。そうして作られた食事は、各家庭の食堂に自動的に送られ、僕達がカードをいれると、個人情報から、今僕達に足りない食事を選んで提供される。でも、例えば理解力が足りなかったとしても、一日三回の食事でモノが二回出てくるなんて、ほとんどありえないはなしなのだ。食事は八種類ある。足りない食事は一日に一食くらいの割合であるのが普通で、それ以上に増えることなんて、考えられないことだったのだ。
家に帰ると、父さんと母さんが僕達を迎えた。
「お帰りなさい、渉、裕」
「ただいま」
二階にノートと鉛筆を置いたあと、僕と渉は父さんのところに戻った。父さんは理論的な人間だったから、渉は一つ深呼吸したあと、言葉を選んで話し始めた。
「父さん、少し、僕の話しを聞いて」
「いいだろう。今は休憩時間だ」
「食事の話なんだ。裕にも確認したんだけど、最近の僕達の食事は、普通では考えられないほど片寄っている。ここ一ヶ月の食事の割合を見ると、モノが約三分の二を占めることが判ったんだ。キマが五分の一、ウチが九分の一で、そのほかの食事にいたっては、ほとんど出てこないんだ。僕達が生活する上で、この偏りは問題だと思う。食事をトータルに取れないって事は、身体の機能や精神面に多大な影響をおよぼすだろうから。僕達二人は、これから中央管理局にいって、事情の説明を受けてこようと思う。父さんはそれについてどう考えていますか?」
父さんは少し考えるようにしたけれど、きっと父さん自身も疑問に思っていたことらしいのだ。うなづいたあと、言った。
「渉が一番気の済むようにしなさい。ただ、聞くべきことと、そうでないことの判断はきっちりとつけるように。今日全てを聞いてしまうというような、浅はかな真似だけはしない方がいいだろう。判断に困ったときは、管理局の職員に尋ねなさい。そして、なにか困ったことが起きたら、必ず父さんのことを思いだすように」
父さんは、中央管理局で僕達が何をいわれるのか、判っているようだった。僕は頭のいい自分の父を尊敬していた。この父に育てられた僕は、父が今まで僕達のためにならないことをいったり、行動を取ったりすることがなかった事を覚えている。僕は父さんの言葉を胸に刻んだ。そして、二人はカードを持って、中央管理局に向かったのだった。