7時半、親父様の書斎に集まったのは、オレと親父と逸実の3人、それと、年かさの刑事が1人だった。もう1人はたぶん、10分後に現われるのだろう。
「初めまして。県警の森村と申します。このたびは警察の捜査にご協力をいただきまして、ありがとうございます。あと1人山崎という刑事が参りますので、宜しくお願いします」
 猫背のおっさんの挨拶はそのくらいにして、さっさと本題に移らせてもらいましょうか。
「…ってのが今までの経緯です。例の品物はJRのロッカーの…逸実、何番だっけ」
「1246番」
「そこに入れました。たぶん6時40分ごろ。同じロッカーの1150番にはオレ達の道着とオレの生徒手帳が入ってます。2つの鍵はゴムでひとまとめにして駅ビルのトイレに、ほれあの、ワープロとか置いてある売場の近くの紳士用トイレの、1番奥の個室のトイレットペーパーのなかに隠しました。以上です」
2人の刑事は真剣にメモをとりながら聞いていた。

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