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今でこそ、コンピューターから自然な肉声が出るのは別段不思議ではありませんが、少し前のコンピューターでは決して容易ではない課題でした。
1990
年当時はまだPCMボードを積んでいるコンピューターは非常に少なく、当時数百万円もしたMacintoshぐらいでした。もちろん、当時圧倒的なシェアを誇ったPC-9800シリーズではそうしたボードを積んだマシンはありませんでした。音について言えば、ようやく
FM音源ボード搭載が標準になりつつある状態でした。しかし、そんな状況でもコンピューターに喋らせようと力を尽くした会社がありました。表のゲーム会社からはコンパイルが、裏側からはソニアが、それぞれ知恵を絞っていました。
コンパイルと言えば「ぷよぷよ」が有名ですが、その基本設定となったRPGに「魔導物語」があります。このゲームで主人公をコンピューターで喋らせようとしたのです。
執念が実り、コンパイルはコンピューターから肉声を出すことに成功しました。ただし、喋っている間は他の動作は一切できませんでした。当時のコンピューターの性能では、これが精一杯だったのです。驚いたことに、コンパイルは
FM音源ボードではなく、どのパソコンにもついているBEEP音源で喋らせたのです。コンパイルはPC-9801よりさらに条件の厳しいMSXでも喋らせることに成功しました。少し遅れてソニアは
FM音源を使って喋らせることに成功しました。また、DirectDrawもない時代にアニメ画像を動かすなど、離れ業をやってのけさえしました。現在、ゲームにおいて喋ることはごく当然のことですが(今もサイレントなのはドラゴンクエストぐらいでしょうか…)
PCMボードもない時代から、喋らせることに執念を燃やしていた会社もあったのです。前のページへ
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