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「りいちゃんぺいじ」トップPC-9800随想PMDFMP

PMDFMP

今のようにPCM音源を当たり前のように搭載している前は、音源と言えばFM音源でした。Windowsと違ってMS-DOSは標準で音を発する機能を持たない(警告用のBEEP音は例外です)ため、FM音源を使うにはドライヴァーが必要でした。

X68000シリーズで音源ドライヴァーと言えばデフォルトでZ-Musicと言う状態でしたが、PC-9801シリーズでは様々な音源ドライヴァーがありました。

PC-9801シリーズで最も幅を利かせていたFM音源ドライヴァー、それがPMDです。自前のFM音源ドライヴァーを持たないソフトハウスがこぞって採用していました。高性能で、PC-9801-86音源のようなステレオFM音源にも対応し、またSSG(矩形波音)のサンプリングでPCMを鳴らせたりもしました。

PMDを採用した一番有名な例はガイナックスの作った育成シュミレーションゲーム「プリンセスメーカー」でした。ドライヴァー製作者のKAJA氏は音楽も担当しています。(続編の「プリンセスメーカーU」も同様です。)

この他、様々なメーカーがPMDを採用していました。PC-9801参入最終組のリーフの他、シーズウェアやアクティヴ、ソニアなどが採用していました。また、「ときめきメモリアル」の言わば「母親」に当たるエルフの「同級生」もPMDを採用し、その高性能でFM音源とは思えない効果音を作り出したのは有名です。

PMDは優秀な音源ドライヴァーでしたので、これを凌ぐものを開発することは余りありませんでした。自前の音源ドライヴァーを使っている方がむしろ貴重でした。代表格が「知られざる技術企業」アリスソフトのmakoです。他にもマイクロキャビンの「あけみちゃん」(MMD.EXE)カスタムが使ったテルプシコラ98、後年のソニアが採用したFMX(フリーウェアの音源ドライヴァーFMXとは別物です)、コンパイルのFPLAY3などがあります。アイデス(現F&C)や日本ファルコムも独自の音源ドライヴァーを持っていました。こうしたドライヴァーは基本的に自社完結でした。PCM非対応のことが多く、ステレオFM音源に対応していないものが多かったのも特徴です。

PMDと非常に近い性能を持ったFM音源ドライヴァーにFMPがありました。こちらはフリーウェア的な使い方が多く、アマチュアがDTMをする時に使いました。私もファミコン版のWizardlyやファイナルファンタジーUのメインテーマなどを打ち込みました。

Windows95以降、PCM音源が基本になったため、従来のFM音源は姿を消しました。これも時の流れなのでしょう。

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