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● 気になる本たち 

~2005 ジオジオHPより
● 上野 瞭さんの本
● ジオジオの気になる本たち 1~10
● ジオジオの気になる本たち 11~20
● ジオジオの気になる本たち 21~30
● ジオジオの気になる本たち  31~39

いい本との出合いは宝物です。たくさんの元気をもらうことができます。
その出合いがあるからこそ、子どもの本にかかわってきたように思います。
そんな本たちを少しずつ紹介していけたら…と思っています。





ポプラ社



「うちにあかちゃんがうまれるの」
いとうえみこ さく
伊藤泰寛 写真

家族で生まれてくる赤ちゃんを迎える...とても豊かな出産です。兄妹3人で4人目の赤ちゃんの出産に立ち会います。 自宅での水中出産、お姉ちゃんになるまなかちゃんは陣痛のおこっているお母さんと一緒にお風呂に入り自分もこうやって 生まれてきたんだということを実感します。出産の感動を家族で共有できるなんて、あまりに幸せな状況に涙が出そうです。 おへその緒はお兄ちゃんたちが切りました。赤ちゃんのいい匂い。兄妹の嬉しそうな表情。 そばにいる写真家のお父さんの存在が感じられることとてもいいです。
1260円 (税込み)



ほるぷ出版



「ママが たまごを うんだ!」
バベット・コール さく
ちば みどり やく

「そろそろはなしてあげてももいいころだね。」 「どうやって あかちゃんが できるかってことを」 とパパとママ。
で、話してくれたあかちゃんが出来る方法の、なんてでたらめなこと。
うえきばちにたねをまくと、あかちゃんがはえてくるだの、
チューブからくにゅっとでてくるだの、
たまごからぽん!とはじけてあかんぼうがとびだすだの...。
だからわたしたちが絵をかいて、どうやってあかちゃんができるのかを 教えてあげることにした...。
このユーモア精神、参りました~。バベット・コールさん絵本にはいつも笑わせられます。こういう風に描かれたら笑いながら性のことも子どもと話せそうです。
バベット・コールさんの絵本は絶版になっているものが多く残念です。これは絶版にしないで下さい。
1575円 (税込み)



あすなろ書房



「おじいちゃんがおばけになったわけ」
キム・フォッブスオーカソン 作
エヴァ エリクソン 絵
菱木晃子 訳

エリックのだいすきなじいじが死んでしまった。「じいじは天国へ行って天使になるのよ。」とママ。じいじのお葬式でパパは、じいじは土になると言う。でもじいじはおばけになってぼくの部屋にやってきた。じいじはどうやらこの世に忘れ物をしたらしい...。エリックとおばけのじいじは、その忘れ物を探して、じいじの家に行ったり、町をうろついたり...。やがてじいじは、何を忘れていたかを思い出し、ばあばの待つあの世へと消えていきます。じいじと過ごした時間を胸に刻むことでエリックはじいじとの別れを納得します。じいじのエリックに対する深い愛はそのままエリックの心に、悲しみを乗り越える力を与えエリックを成長させたようです。ちょっと胸が詰まります。ユーモラスなじいじの会話がまたいい!
1365円 (税込み)



偕成社



「おだんごスープ」
角野栄子 文
市川里美 絵

おじいさんが主人公の絵本です。おばあさんを亡くしてひとりぽっちになってしまったおじいさん。なにをする元気もなく日を過ごしていましたが、ある日、おばあさんが歌いながら作っていたおだんごスープが飲みたくなります。思い出しながら作るのですが、なかなかおばあさんの味にはなりません。いろいろ試しながら毎日作るのですが、その度に5つあるおなべは順番に大きくなっていきます。そのわけは...。そして花も枯れて荒れていたおじいさんの部屋も少しずつ片付いてきれいになっていきます。どうしても避けられない死による愛する人との別れ、それをどうやって受け入れ、乗り越えていくか...おばあさんと過ごした時間は、おじいさんに再生して生きる力をも与えてくれたいい人生だったのだと思います。フランス在住の市川里美さんの 写実的で、隅々まで心が届いた暖かな絵は、国を超えた思いが伝わってきます。とてもいい雰囲気の絵本です。裏表紙にレシピあり。作りやすそう!おいしそう!
1260円 (税込み)



徳間書店



「うちのペットはドラゴン」
マーガレット・マーヒー 作
ヘレン・オクセンバリー 作
こやまなおこ 訳

「ふつうが一番!」とふつうにくらしてきたふつうの家族が、小さなドラゴンをペットとして飼いはじめることから、ふつうでないくらしが始まります。 ドラゴンはどんどん大きくなり、おまけに火までふくようになると町中がおおさわぎに...。すっかりドラゴンを好きになった家族はなんとかドラゴンを守ろうとしますが...。やがて家族はドラゴンにつれられてとてもふつうでは考えられなかった楽しい時間を過ごすことになります。再びまたふつうの生活に戻っても、その楽しかった魔法の島での時間は、きっとふつうを豊かなものにしてくれるはずです。柔軟性のあるタフな”ふつう”大切なことかもしれません。「めざめれば魔女」「魔法使いのチョコレートケーキ」などの作家、マーガレット・マーヒーさんの絵本。ヘレン・オクセンバリーさんの絵、ドラゴンの表情の楽しいこと!
1680円 (税込み)



小峰書店



「きょうりゅうたちのおやすみなさい」
ジェイン・ヨーレン 作
マークティーグ 絵
なかがわちひろ 絵

”ねるまえに きょうりゅうになる うちのマディソン・ジェインとイザベルへ ”と最初に書かれた文章を読むと、どこの親も子ども達を寝かすのに一苦労しているんだなあと思います。きっとそんなところから生まれた絵本なんでしょうね。「もうねなさい。」というおとうさん。「もうねるじかんよ」というおかあさん。さあ きょうりゅうたちはどうする?ティラノサウルス、トリケラトプス、ステゴザウルス、アロサウルス、吠えたり、泣いたり、騒いだり、まるできょうりゅう!絵が迫力あってとてもリアル。でもユーモラス。子ども達はいつも愛すべききょうりゅう。そんな情愛もちゃんと描かれていて、親も子どももなんだか楽しくなる絵本です。「おやすみなさい。」きょうりゅうの寝顔のかわいいこと...。ほっとですね。
1470円 (税込み)



評論社



「デイビッドがっこうへいく」
デイビッド・シャノン 作
小川仁央 訳

シリーズで「だめよ、デイビッド!」という絵本もあります。作者がデイビッド・シャノンさんですから、幼い時はこんなこどもだったのでしょうね、きっと。 そのわんぱく、いたずらデイビッドが学校へ。読んでいて思わず笑うのは、こんな子いる、いる、あるいはいた、いた、クラスの問題児と言えば、問題児だけれど、 でも憎めない...いやむしろ愛すべきデイビッドなのです。遅刻はする。授業中さわぐ、よそ見はする。けんかはする。チャイムがなっても教室にもどらない、お隣の子にちょっかいをだす、 「せんせい、おしっこ~。」やれやれ。とうとう居残りをさせられ、机の上に書いた落書きをきれいにすることに...。きれいに掃除したデイビッドに先生は「よくできました。」と ほめてくれます。意気揚々とかえっていくデイビッド。大人の思うとおりにならないデイビッドの天真爛漫の痛快さ!胸のすく絵本です。
1365円 (税込み)



偕成社



「がっこうのうた―大きな声で読む詩の絵本」
ねじめ 正一 作
いとうひろし 絵

ねじめ正一さんにかかると学校は異次元世界。不思議でおもしろくて変です。学校をそんな世界にしてしまう 詩がたくさん入っています。
「先生たべちゃった」
おなかがすいて、消しゴムやランドセルを食べたけれども、まだ足りなくて、先生がおにぎりに見えてきたので先生を食べてしまった...
「ほけんしつ」
お腹が痛くて保健室へいったら、うんこがつまっていると言われトイレへいったら...
などなど...
大きな声で、びっくりしながら、そして笑いながら読んでください。詩って楽しい!
1050円 (税込み)



アートン



「パパといっしょに」
イ サン久ォン 作
ハン ビョンホ 絵
おおたけきよみ 訳

高層ビルが林立するソウルには、中心部に山があり、人々は日常的に山登りを楽しむのだそうです。紅葉に輝く山でパパとソリは 二人で山遊びに出かけます。主導権をにぎるのはソリ。かわいくてしかたのない娘と、パパとの会話がなんともほほえましい。 そうだろうなあ、と思います。娘に対しては、父親はどうしてもこうなってしまうのだろうなあと。はらはらと娘を見守りながらも、 ソリの遊びにつきあって山の自然を二人で楽しみます。ようやく着いた頂上からは都会ソウルの街が一望に見渡せます。思い出に残る幸せな父娘の秋の一日です。絵がすばらしい。 画家のハン ビョンホさんは子どもの開放感と自由な躍動を表現するために、ほとんどの絵を左手で描いたと解説にあります。 見事にパパとの一日を楽しむソリの喜びが伝わってきます。父と娘...二人だけの時間、いいなあと思います。
1575円 (税込み)



BL出版



「パパが宇宙をみせてくれた」
ウルフ・スタルグ 作
エヴァ・エリクソン 絵
ひしきあきらこ 訳

自伝的な作品の多いウルフ・スタルグですから、このパパとの時間も幼い頃の思い出として心に残り続けている風景なのだと思います。 父というものは自分の中にある人生や世界のすばらしさや不思議さを、いつか息子に語りたいという思いを強くもってそのチャンスが来るの待っているのだと思います。 その思いをわかって二人を送り出すママもいいですね。気温が下がり息が白くなってきた季節、パパは「宇宙を見に行こう。」とぼくを誘います。 「宇宙ってどこにあるの?」と一緒についていくぼく、そして嬉しそうなパパを失望させないようにと気遣うぼく。このぼくもいいですね。 丘から見える一面の星空。少しでも星に近づけるようにとぼくをだきあげて星座の名前を言い続けるパパ、と、そこでふっとパパは突然現実に戻されます。 このことがあってきっと忘れられない特別な思い出の時間になったと思うのですが、 「おまえにはちと早すぎたみたいだね。」とがっかりする正直なパパもいいですね...。日常のなんでもない出来事の幸せに心温かい気持ちになります。 エヴァ・エリクソンの絵がいいです。
1260円 (税込み)



福音館書店



「年をとったワニの話」
レオナルド・ショヴォー 作
出口裕弘 訳

長く絶版でしたが、福音館文庫として復刊しました。全5冊シリーズに17のお話が収められています。「年をとったワニの話」 は一巻目の表題作です。作者ショヴォー氏が息子ルノー君の語って聞かせた心温まるお話...ではなくて、実は読んでびっくり! でも妙に頭に焼き付いて離れない...そうです。私の頭の中にも20年も...。なにせ恐ろしく年をとったワニは、思うように 食べるものを手にいれられなくなり、つい娘の孫をごくりと...。それでもって仲間から追放され、今度は気のいいタコの恋人ができると、 その恋人の足を夜な夜な一本ずつごくり...足がなくなるととうとう...。ある意味では寓話といえるのでしょうが、 想像力の大きさ、豊かさ、その奇想さで我々の硬直した頭脳をひっかきまわしてくれます。 お話のおもしろさとは何か...を考えさせられる物語集です。
735円 (税込み)



文化出版局



「ぼくのおさるさんどこ?」
ディーター・シューベルト 作

オランダの絵本です。言葉はありません。絵本は絵で語るもの、言葉のない絵本は、そのストーリーにも絵にも読者を惹きつける力が 必要です。この絵本の絵にはその力がありストーリーはすんなりと心に入ってきます。 幼い男の子が大切にしていたおさるのぬいぐるみが、ある雨の日、男の子の手を離れ、 どこかへ行ってしまいます。季節は変り、そのおさるさんが男の子のところに帰るまで、おさるはいろんなところを巡ります。 リアルでやさしく暖かい自然の描写につつまれ、ユーモラスな動物達の表情を楽しみながら、こまわりの絵でテンポよくストーリが展開していきます。 ハラハラドキドキは嬉しいハッピーエンドに。表紙の裏側、見返しの森の絵もお楽しみください。おさるさんはどこを巡ったのでしょう...。
1325円 (税込み)



くもん出版



「あめがふるひに...」
イ・ヘリ 文・絵
ピョン・キジャ 訳

雨の絵がすばらしい。単純な黒い線でいろんな雨を表現する絵の力にほれぼれします。ストーリーもほんとに楽しい。 こんな雨がふる日、チーターはなにをしてるかな、ライオンはなにしているかな、虎は、ティラノザウルスは...いろんな想像がひろがります。 最後はとうさんまで加わって、「いっひっひ このとおりだ~い」とばかりに...。みんな楽しそう~。いや~、参りました! 韓国の絵本です。
1365円 (税込み)



岩崎書店



「ふれふれなんだあめ こんなあめ」
梅田俊作/佳子 作・絵

きょうも また雨。学校の帰り道、ついていないことばかりがおこります。傘の骨は折れてるし、いじめっこには会うし、犬には飛びつかれるし、 トラックにはどろはねをかけられるし...「あたし、もう ゆるさない!」 がまんばかりはいやだとばかり、 「うわあ おおー」とかけだします。かける、かける、かける、犬もいじめっこも、けちらし、けちらし...。 その迫力にとうとう、雨雲のすき間よりお日さまが「おおっ!」とばかりに顔をだします。そして青空も...。 ああ爽快!すっきり!ときにはブチぎれたっていいじゃな~い。
1155円 (税込み)



BL出版



「キツネ」
マーガレット・ワイルド 作
ロン・ブルックス 絵
寺岡 襄 訳

飛べないカササギ、片目が見えない犬、深い孤独の中にいるキツネ。 でもカササギと犬はお互いを助け合い、励ましあい、ともに生きるという希望を持つことができた。 が、キツネは...。二人を嫉妬したキツネは闇の心で、二人の間を裂き、裏切りと孤独をカササギと犬に知らしめようとします。 鋭いキツネの目、背景の乾いた灼熱の砂漠、カササギの激しい心の揺れとキツネの暗い心が、迫力のある絵と川端誠さんによる(あえての) 手描きの文字から伝わってきます。やがて、カササギは再びの希望にむかって歩き出します。
誰しもが持つ心の闇、そして負の部分、その後キツネはどうなるのでしょうか? 救いようの無い悲しみを背負ったままで生きていけるのでしょうか?どこかで希望とやすらぎを得ることができるのでしょうか? 後味がそこのところに残ります。
1680円 (税込み)



理論社



「ともだちからともだちへ」
アンソニー・フランス 作
ティファニー・ビーク 絵
木坂 涼 訳

一日中、パジャマを着たままで、顔も洗わず、髭の手入れもせず、カーテンもあけないでぼんやりしているクマネズミのところに手紙が届きます。
「・・・きみとともだちになれてほんとうによかった。きみはたいせつなともだちです。それをつたえたくて、てがみをかきました。またね!」
ところが名前がありません。クマネヅミは嬉しくて、その手紙を書いたのは誰かを訪ねるために、久しぶりに顔をあらい、服を着替え、髭の手入れもして出かけます。 そしてクマネズミは少しずつ友だちと関わっていくとはどういうことか、に気づいていきます。手紙を書いたのは誰でしょうか? 押し付けがましくない友情が、カヤネズミさんのウィンクに現われています。その心遣いはやがてクマネズミから、コウモリへ、ともだちからともだちへ...です。
1365円 (税込み)



偕成社
復刊されました!



「ぼくはねこのバーニーがだいすきだった」
ジュディス・ポースト 作
エリック・ブレグバッド 絵
なかむら たえこ 訳

”死”をテーマにした絵本は、ちょっと緊張感が走りますが、この絵本は大好きな一冊です。(残念ながらもう長く品切れです。)
大好きな猫のバーニーが死んでしまった。悲しくて、泣いているぼくにかあさんは言った。「明日バーニーのおそうしきをしましょうね。」「バーニーの いいところを 十、思い出してごらん。おそうしきで みんなにはなせるように。」ぼくはいっしょうけんめい かんがえた。 でもどうしても九つしか思い出せない...
幼い子どもが、さけることのできない愛するものの死をどうのりこえていくのか...。この絵本のなかの大人の役割はみごとです。 死んだらどうなるのか...素直な子どもの疑問にも、とうさんは正直に答えます。「てんごくのことよくしらないんでね。」 そして言います。「あしたになればすこしはきもちがらくになるかもしれないよ。」最後にぼくは、とうとう十番目のバーニーのすごいところを みつけます。ほんとにバーニーはたいした猫なんです。大人として、こういう絵本の発見はとても嬉しい。素直のこの知恵を学びたいと思います。
1050円 (税込み)



偕成社
品切れ重版未定



「くまにてがみをかきました」
ジョアナ・ハリスン 作
竹下 文子 訳

ブッククラブの配本にはかかせない一冊でしたが、品切れ重版未定が続いていてとても残念です。この絵本も大人が前に出ないで、とてもいい役割を しています。ケイティはどうも家の階段の下の物いれが気になってしかたありません。なんだかこわい”くま”でも住んでいそうで近寄れません。 おかあさんは言います。「じゃあ出て行って、と手紙を書けば...。」するとくまから返事がきました。 「わかりました。旅にでます。」しばらくするとすると階段のところに旅のおみやげが...。 少しずつケイティの気になり方が変わってきます。手紙が来ないなら来ないで、風邪でもひいているのでは...と。 ついにはくまから 「階段下にお茶にきませんか?」 という招待状が届きます。 思わず微笑んでしまう終わり方、距離をおいて子どもとかかわるってなかなか楽しめるのですね。 絵本のなかではいつもお父さんが家事をしてお母さんが趣味を楽しんでいるのもなんだかいいなあ。
1260円 (税込み)



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