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●ジオジオの気になる本たち 11~20
●ジオジオの気になる本たち 1~10
●ジオジオの気になる本たち 21~30
●ジオジオの気になる本たち 31~39






 *20*    2004.4.


「はろるどのふしぎなぼうけん」
クロケット・ジョンソン 作
岸田衿子 訳
文化出版局

一本のむらさきいろのくれよんで、はろるどは行きたいところに行き、見たいものを見て、町をつくり 道路をつくり、大きくもなり、小さくもなり…。くれよんで描く世界で自由に遊びます。それもなんだか 淡々と、淡々と…。まだあかちゃんとも思えるはろるどに一人遊びの醍醐味を見せられたような気がして, なんだかまいったなぁ~という思いがします。 シリーズで3冊出ています。
896円 (税込み)


「アパート3号室」
エズラ・ジャック・キーツ 作
きじまはじめ 訳
偕成社

ニューヨークの古いアパート、雨の音に混じってかすかに聴こえてくるハーモニカの音。キーツの絵を見ていると、ほんとに その湿った空気とアパートの生活のにおいのなかにいるような気になってきます。ハーモニカをふいていたのは目の見えない同じアパートの住人。 少年サムと”その人”との出会いが、ハーモニカのメロディになって聞こえて来ます。 すてきな雨の日です。キーツの絵本のなかでも大好きな一冊です。
1680円 (税込み)


「灰色の畑と緑の畑 」
ウルズラ・ヴェルフェル 作
野村 ひろし 訳
岩波書店 

貧困、差別、戦争、孤独など大人たちの社会のマイナスの部分で生きている子ども達の数は少なくないだろうと思います。 その現実を受け入れて生きていく子ども達の物語が14編。大人に見出せない解決策が子ども達にあるはずもなく、 だからといって悲観的になってはいない。前向きに生きていく子ども達の姿が見られます。 子どもの物語としてはちょっと異色ではあるけれど、その子ども達のあり様が心に残ります。
672円(税込み)



 *19*    2004.3.


「めのまどあけろ」
谷川俊太郎 作
長 新太 絵
福音館書店

”めのまどあけろ おひさま まってるぞ” からはじまる一日。声にだして読むとほんとに楽しい。 おもわずのせられて、おさんぽも、おかたづけだって、おふろだってすいすいすいとやってしまいそう…。 わらべうたを歌うように一日が過ぎていきます。 ”ふとんのうみにもぐったら よるのさかながはねている ねんねんころり ねんころり”  こんな気持ちでおふとんにはいったらいい夢を見そうです。長 新太さんの絵がいいですね。 (743円)


「ザガズー」
クエンティン・ブレイク・作
谷川俊太郎・訳
好学社

子どもを育てるって大変、でも子どもが育っていく苦労もあるはず。若い夫婦の生活に突然あらわれた子ども、ザガズー。 かわいいだけではなく時にははげわしに、いぼいのししに、やがてはとらえどころのないみょうな生き物に…。 親にとっても、子どもにとっても副題にあるように人生ってびっくりつづきなんですよね。最後のびっくりには、 ほんとびっくり。そしてみょうに納得。よくできた絵本です。ほんと。 (1500円)


「どきん 」
谷川俊太郎 詩
和田 誠 絵
理論社 

谷川俊太郎さんの詩集です。TOPページの卒業式という詩は この詩集のなかにあります。谷川俊太郎さんのことばによって、いつもまわりにある見なれたものが、 とても存在感のある特別なものに見えてきます。道も、石っころも、空気も、時間も、心にある自分でもわからないものにも、 ちゃんと主張があり、感動があり、そしてユーモアも。元気の出る嬉しくなる詩集です。 (1650円)



 *18*    2004.2.


「サルビルサ」
スズキコージ 作・絵
架空社

まったくちがう言語、文化をもつ二つの民族が獲物をめぐって戦争になります。傷つけ合い、 殺し合うことではなんの解決にもならず、獲物さえ失ってしまうという人間の愚かさをスズキコージさん 独特の表現で描いた絵本です。性懲りもなくこの愚かさを繰返す人間に未来はあるのでしょうか…。 ちがう生き物にとって代わるのか…その生き物は二つの文化の融合なのか…人間の未来なのか… サルビルサとはいったい? (1500円)


「ぼくの見た戦争」
高橋邦典 写真・文
ポプラ社

戦争における正義?この度のイラクの戦争では正義という言葉がよく使われました。 この本のなかにはアメリカ兵、そしてイラクの人々の死体の写真が出てきます。むごい写真です。でもこれが戦争です。 いわゆる正義のために始った戦争の現実です。なんのために闘うのかも理解できず、ただ命令に従って銃をむけるアメリカ兵、 自分たちの国がなぜ外国人によって壊されていくのかわからないイラクの人たち。今もまだ続いている現実です。 (1300円)


「復刊あたらしい憲法のはなし 」
童話屋 

1947年に文部省が発行した、中学一年生用の日本国憲法をわかりやすく解説した社会科の教科書を 復刊したものです。現在では不適当と思われる表現等もありますが、資料的な意味から当時のままにしてあります。 新しい時代を生きる子どもたちに、新しい憲法の精神を伝えようとする当時の日本政府の意気込みが 感じられます。この時代にあらためて復刊された意味を考えてみたいと思います。 (286円)



 *17*    2004.1.


「やあ、ともだち!」
クリス・ラシュカ 作・絵
泉山真奈美 訳
偕成社

表紙には英語で”Yo! Yes?”とあります。この英語訳には感心してしまいました。 こんな短い言葉で友達なんて出来てしまうんですから。ちょっと積極的な男の子と気の弱そうな男の子。 リズム感のある言葉に、ニューヨークの下町でのラップミュージックなんか聞こえてきそう…。(行った事ありませんが) 最後は ”Yo! Yes!""Yow!" 友達ができました!
(1400円)


「天使のかいかた」
なかがわちひろ 作
理論社

野原でひろった天使。ペットを飼えないさちは天使を育てることに…。何を食べるの?”おはなし” それもさちのことを聞くのが一番のお気に入りのようです。 トイレには小さなこんぺいとうみたいな星が…。これがどうやら天使のうんち。 みんなには見えないらしく、さちの肩のあたりにいていつも力になってくれます。 さちの学校でのいろんな悩みも天使の存在でなんとかのりこえられそうです。 さちが天使がいることを忘れない限り…ね。 (1000円)


「ネルソンさんあなたは人を殺しましたか?」
アレン・ネルソン 作
講談社 

副題に”ベトナム帰還兵が語る「ほんとうの戦争」”とあります。平和な日常から狂気の戦争のなかへ。殺人を 繰返すことになにも感じない兵士に訓練され、ベトナムの農民をグースと呼び、撃ち、ちぎれた手足を集め、死体から耳をきりとり…。 再びアメリカの平和な状態に帰還しても心に負った傷は消えない。戦争の悲惨さはここにもある。ベトナム戦争も共産主義から アジアを守るというアメリカなりの正義があった。この過まった歴史は2度と繰返してはならないはずなのに…。 (1300円)



 *16*    2003.12.2


「アンナの赤いオーバー」
ハリエット・ジィーフェルト 文
アニタ・ローベル 絵
松川真弓 訳
評論社

戦争が終わったらアンナに新しいオーバーを…そう思っていたお母さんでしたが、品物もなく手に入りません。 そこでまず羊を飼っているお百姓さんに羊毛と金時計を交換してくれないか…と頼みます。 その羊毛がアンナの赤いオーバーになるまでを描きます。第二次世界大戦のあと実際にあった出来事を もとに作られた絵本です。お母さんの愛と知恵と忍耐強さ…そのおかげでアンナは、すてきなクリスマスを 迎えることができます。
(1300円)


「いつもだれかが」
ユッタ・バウアー 作
上田真而子 訳
徳間書店

「ぼうや、いろんなことがあったけれど、運のいい人生だったよ…」とおじいちゃんは病院のベッドで言います。 でも、ほんとうはいつもだれかが見守り、よりそい、助けてくれていたのかも…。そうなんです。 戦争で悲しいこともあったけれど、おじいちゃんのそばにはいつも天使がいた。 なんだかしみじみ嬉しくなる絵本です。その天使はいつかぼうやのそばに…。だれかにプレゼントしたくなる一冊です。
(1700円)


「ボクは知っているーI know 」
神山ますみ 作
講談社 品切れ

ボクは知っている… クリスマスイブの夜、ボクのまくらもとにいたサンタはパパと同じメガネをかけていた…。それから…。 サンタがだれなのかが英語と日本語の両方でスリリングに展開していきます。 そしてラストもせりふがとてもいいんです。泣かせます。 神山ますみさんの銅版画の絵もすてきです。来年のクリスマスには復刊してジオジオの店頭に 並べられますように…。 (税込み1300円でした。)



 *15*    2003.11.2


「ながいながいへびのはなし」
風木一人 文
高畠 純 絵
小峰書店

それはもうながいながいへび。あたまがおひるをたべるころ、しっぽはまだよるのくにでぐっすり。 あたまをみたおとこのこがしっぽをみるころにはおじいさん…。なんとまあダイナミックに長い!。そういえば ながく出会っていないあたまとしっぽはお互いが元気なのか心配に…。文句無く楽しい。画面の上下をあたまとしっぽに わけた絵もアイデアです。わくわくとページをめくります。高畠純さんの絵がとてもおはなしにマッチしていていいです。
(1200円)


「ヨセフのだいじなコート」
シムズ・タバック 作
木坂 涼 訳
フレーベル館

ヨセフは大事なコートがボロボロになってきたので、ジャケットに作り変え、やがてジャケットがすりきれたので、 それをチョッキに…。そしてマフラーに…。さいごに何も無くなったのでヨセフはそれを本にすることにしました。その本がこれ。 だんだんと作りかえられるコートに穴あきのしかけがとてもうまく使われています。 絵もいろんな手法で描かれていて、色使いもきれい。ページのすみずみまで楽しめます。
(1300円)


「のっぽのサラ」
パトリシア・マクラクラン 作
金原瑞人 訳
中村悦子 絵
徳間書店

大好きな一冊です。徳間書店からの復刊がとても嬉しい。 "妻求む"の新聞広告をみて遠い漁村からやってきたサラ。のっぽで 不細工だけれど、強くてやさしくてすてきなサラ、そして時々、遠い海を恋しがるサラ。 ほんとに私達のママになってくれるんだろうか…幼い姉弟のサラを思う心の動きが 伝わってきます。思いやることで少しずつ家族が作られていきます。こういう家族の形もあります。 続編「草原のサラ」も復刊されました。(1300円)



 *14*    2003.10.2


「おまるがない」
トニー・ロス さく
かねはらみずひと やく
偕成社

いやがっていたおまると、ようやくなかよくなれたお姫さま…。でも肝心なときに”おまるがない!” お城中、おまるをさがして大騒ぎに…。とうとう…という最後のペーには子ども達、喜びます。 思い当たるんでしょうね。おむつからおまるへ…。だれもが通るその節目。 女の子だと我が家の”お姫さま”にどうやっておまるを教えようかと親もやきもき…。 トニー・ロスは、心から楽しみながらこの絵本を作りました。と書いています。
(1000円)


「ひと・どうぶつ行動観察じてん」
池田 啓 文
柳生弦一郎 絵
福音館書店

たくさんのふしぎ傑作集より。スペーシング(間おき)フリージング(擬死)マーキング(しるしつけ)など 動物たちには一定の決まった行動パターンがあります。でもよくよく見れば人間にもそれに似た行動がみられます…と 柳生弦一郎さんが描いた絵にはおもわず笑います。たとえば、教室で先生にあてられないように、 目を合わさずにじーとしている子ども達…わかるよねェ~。これ動物でいえばフリージング(死んだふり)。科学の知識も こうやってみればとっても新鮮でおもしろい。
(1300円)


「地球家族」
世界30か国ふつうの暮らし
マテリアルワールド・プロジェクト
 代表 ピーター・メンツェル
近藤真理 杉山良男 翻訳
TOTO出版

世界30か国で普通に暮らしている人々に、家のなかの家具、持ち物を出してもらって家と家族とともに写した写真集です。 それぞれのお国事情、家族の暮らしが写真のなかに物語られていてとても興味深い。つぼや食器が出ている国。家畜が大切な国。 高級車が並ぶお国柄。家具のなかでも絵や楽器に目をひかれる写真。なんと物の多い日本。いろんな思いが交差します。 女性の生き方を取材した「続・地球家族」も同じTOTO出版からでています。
(1893円)



 *13*    2003.9.1


「ぼくのくるま」
岡本 順 作
ポプラ社

気がつくと大事なミニカーが大きくなっていて、それに乗った僕たちが再び小さくなり…。小さいけれど有能な ぼくのくるまで冒険の旅へ…。ネコに襲われ、水槽に落ち、絵本のなかの恐竜の世界にタイムスリップし… 危機を救ってくれるのは、すぐれもののぼくのくるま。夢ではない、ぼく自身の時間。ことばのないコマわりの絵に 想像の世界がひろがっていきます。ワクワク、楽しい絵本です。
(1300円)


「うそつきの天才」
ウルフ・スタルク 作
菱木晃子 訳
はたこうしろう 絵
小峰書店

13才にしては、ぼくはうそをつくのがうまい。両親を安心させるため優等生を演じ(ばれてしまったけれど)、14才になったうそつきの天才は作文にその才能を発揮する。 人を感動させる作文の名手はやがて作家に…。作者、ウルフ・スタルグをおもわせる主人公です。 うそは作家のはじまり…確かに…。ユーモアあふれる短編が2つ。
(1165円)


「西の魔女が死んだ」
梨木香歩 作
小学館

西の魔女とはイギリス人であるまいのおばあちゃんのこと。学校へは行かないという選択をしたまいは 田舎でこのおばあちゃんとしばらく暮らすことになります。私たちは魔女の血をひいていると聞いたまいは 自分も魔女としての修業をつもうと決心します。自然を受け入れ、えりをただしたおばあちゃんとの暮しの中で、 まいは心の内側にある自分自身と向き合うことを学んでいきます。死を生きる範囲の中にとらえたものが、子どもに残してやれるもの。 見事な作品です。
(1170円)



 *12*    2003.8.1


「ねんころりん」
ジョン・バーニンガム 作
谷川俊太郎 訳
ほるぷ出版

子どもたちのおやすみ前の一冊はたくさんあります。この絵本は大人の私たちもいい気もちになって眠れそうです。 1日の生活の疲れ、くたくたになった体、その後の心地よいベッドで眠れる幸せ…。 ジョン・バーニンガムの動物たちの表情とくりかえされる ”ねんころりん、ねんころりん”の言葉のリズムに、眠りにつく前の至福のひとときに誘われます。
(1300円)


「おさる日記」
和田 誠 作
村上康成 絵
偕成社

長い航海より帰ってきたお父さんは、おみやげにちいさいおさるをぼくにくれた。ぼくはもんきちと名前を つけて、まるで弟ができたようにかわいがった。その日記がこのおさる日記だ。日がたつにつれて なんとなくもんきちが毛もうすくなりまるで人間のように…。「え~!」とびっくり最後のページ。見事な エンディングというほかありません。
(1200円)


「じょうぶな頭と
かしこい体になるために」
五味太郎 作
ブロンズ新社

五味太郎さんような考えかたをする大人もいるんだよ…と子ども達に知って欲しい。日々、子どもが感じる 疑問に五味太郎さんが答えます。あとがきの一部、自分でやるしかありません……そのためけっこうきつい 問題でもなんとかこなせる<じょうぶな頭>と好きは好き、嫌いは嫌いとはっきりわかる<かしこい体>が 必要なんだろうと思います。同感です。カバーをはずした表紙には”かしこい頭はテスト用じょうぶな頭は自分用”という 言葉。もしかしたら役に立つかも。
(1942円)



 *11*    2003.7.1


「いまがたのしいもん」
シャーロット・ゾロトウ 文
エリック・ブレグヴァド 絵
みらい なな 訳
童話屋

大きくなったらなにするの?大きくなんかならないもん、今が楽しいもん。 女の子は楽しいことをあげていきます。。スキップしたり、テーブルの下にもぐったり、 はだしになって遊んだり…大人はもうしなくなったことばかり…。 でも大人だって楽しいもん。だってあなたのお母さんになれたから…。お母さんと女の子の 会話がまるで歌を聴くようです。今の楽しさが大切…。ほんとに。
(1200円)

「おさるはおさる」
いとうひろし 作・絵 
講談社


いとうひろしさんの”おさる”のシリーズの中の一冊です。このシリーズの本の中には、どれもゆったりとした時間がながれています。 みんなとちがうところがあることを気にしていると、おじいちゃんは自分の子どもの頃のはなしをしてくれます。 結局ちがうところがあったっておさるはおさる。おじいちゃんのおじいちゃんも同じなやみがあったって…。 気がつくといろいろあるけど元気だそ…そんな気持ちにさせてくれているのです。
(1100円)


「ひとりぼっちのロビンフッド」
飯田栄彦 著
太田大八 絵
理論社

巨大なイノシシ金目大王の一撃で僕は生死の境をさまようことに…。が僕の魂はいつのまにか犬のテツの体のなかに入ってしまっていた。 テツと協力して金目大王を倒さなければ僕は生き返れなくなってしまう…。ハラハラドキドキの一冊です。 金目大王は猟でしとめられてきたイノシシたちの霊、命を奪い命を生きることの意味を考えさせられます。
(1165円)

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