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●ジオジオの気になる本たち 1~10
●ジオジオの気になる本たち 11~20
●ジオジオの気になる本たち 21~30
●ジオジオの気になる本たち 31~39




 *10*    2003.6.1


「おとうさんとさんぽ」
にしかわおさむ ぶん・え
教育画劇

ユーモラスで楽しいおとうさん。おとうさんと一緒なら散歩の途中でいばった犬がとうせんぼしたって、 おならのくさ~いスカンクが待ち伏せしてたって平気。子どもの大きな安心感が伝わってきます。 「おとうさん、ぼくと さんぽ たのしい?」という男の子のことばがなんか泣かせます。おとうさんの大きな背中を 思わせるほのぼのとしたあたたかい絵本です。 (1200円)


「おならばんざい」
福田岩緒 作・絵 
ポプラ社

1年3組、授業中、突然「ぷう~」とおならの音が…。赤くなって泣き出すようこ。 いじめるてつお。教室はおおさわぎに…。そこで先生はおならについて話します。「生きてるものはみんな おならをするんやで。」「おかあさんも?」「ねこも?」「おなかのあかちゃんも?」なんだか教室は初夏の風のようにさわやかです。 (1200円)


「雨のせいかもしれない」
高田桂子・著
偕成社

欠陥住宅で雨漏りのする家。その同じ問題で悩む隣同士の2つの家族模様。 大人の問題を軸に2人の少女の友達としての感情の揺れを描きます。 それぞれの親の考え方の違い、障害のある弟の存在、欠陥住宅の責任をとらされる設計士の 子どもとの関係。雨のせいでわかってくること、そしてわかりあえたこと。日々の出来事のなかでお互いの 立場を認め、また許しあう心が育っていきます。いい読後感です。(1165円)



 *9*    2003.5.1

「ぼくそらをさわってみたいんだ」
さとうわきこ・ 作
岩井田治行・絵
ポプラ社

絵本を上下に開いて縦長にして見ます。ハイアングル、ロウアングルの視点をうまく使った絵がストーリーに とてもマッチしていてうまい。 空ってあったかいのかな、つめたいのかな、そう思ったねこはう~んとせのびを して空をさわってみようとします。届かないとわかるといろんな動物たちに手伝ってもらって、 さらに高く、高く…。下から見上げる空の様子が、だんだんと変わっていき…。動物たちの表情が楽しい。 ジオジオでは人気の絵本です。 (1200円)


「ぼくの庭ができたよ」
ゲルダ・ミューラー・作 
ささきたづこ・訳
文化出版局

引っ越してきた家の庭は荒れ放題。そこで家族で分担をきめて庭作りをすることに…。花、野菜、古いりんごの木の再生。 やってくるいろんな鳥たち。季節のめぐりとともに、まわりの人々との交流があり、庭の変化を楽しみ、生活が形作られていきます。 庭づくりの道具や、花の種、野菜の育つ様子などの詳しい絵が楽しい。そしてまた春がめぐってきます。楽しみごたえのある絵本です。 (1311円)


「詩のこころを読む」
茨木のリ子・著
岩波書店

詩の世界への案内役は自らも詩人である茨木のり子さん。コミカルな言葉遊びから人生を考える深遠なテーマまでジャンル別に構成されています。 詩人の目で、楽しく、美しく、深みのある豊かな詩の世界を解説してくれます。読むにつれて詩に対する思いが深まります。中高校生から大人まで、肩肘張らずに、 詩を味わいたい、そんな方におすすめの一冊です。(780円)



 *8*    2003.4.1


「きつねのテスト」
小沢 正・ 作
片山 健・絵
ビリケン出版

学校の帰り道にみつけたかんばん 「きつねのテスト ごじゆうにおはいりください」つられてはいった のぶこはきつねからいろんなテストをされることに…。子どもが一人でいる時間には、きっとこういうことがおこっているのでは…。 なんだかこの絵本に流れる空気はなつかしく、片山 健さんの絵の魅力もあって、その不思議さにすんなりと溶け込んでしまいます。 (1600円)


「空とぶライオン」
佐野洋子・作 
講談社

空を飛びつづけなければいけなかったかわいそうなライオン。疲れた…とも昼寝がしたいとも言えなくて… とうとう石になってしまった。この絵本の中にある”毒”にはなんかほれぼれと魅せられてしまう。まわりの猫たちの表情。ライオンの みごとなたてがみ。絵がとてもいい。「100万回生きたねこ」で有名な佐野洋子さんですが、私はこのライオンが、とても好きです。 (1400円)


「プロフェッサーPの研究室」
岡田 淳・作
17出版

児童文学でもたくさんの作品があり、ファンも多い岡田淳さんの漫画。発明家のプロフェッサーPとその助手がくりひろげる そのいわくつきの発明品と失敗には、岡田淳さんのユーモアと笑いのサービス精神がいっぱい。ちょっとこわ~い教授の夫人もスパイスが 効いていて笑いも倍増します。(1400円)続編の「ふたたびプロフッェサーPの研究室」も出ました。(1200円)



 *7*    2003.3.3

「かようびのよる」
デイビッド・ウィズナー 作・絵
徳間書店

火曜日の夜、なにが起こっているのか…なにが起ころうとしているのか…。 緻密な絵、流れのよいストーリー、そして余韻を残しての終わり方も、まるでSF映画をみているようです。 大好きな子どもがいるかと思うと、かえるが嫌いと開こうとしないお母さんも…。思いきり”かえる”が出てきますので。 ジオジオは大好きです。 (1400円)


「いちねんせい」
谷川俊太郎・詩 
和田 誠・絵
小学館

けんか、せんせい すうじ もじ ともだちうんどうじょう… はじめてのものに出合うわくわくした 気持ちが伝わってきます。ことばのリズムがとても楽しく、声にだして読むことで、 気持ちが”まっさらぴん”になっていくような気がします。 ひらがな詩集。”もしもあたまが おしりだったら ぱんつはぼうしになるだろう… ”「もしも」という詩の冒頭。 (1000円)


「帰還 ゲド戦記 最後の書」
アーシュラ・K・ルグイン・作
清水真砂子・訳
岩波書店

大魔法使いオジオンが死に、大賢人としての魔法の力を失ってしまったゲドが登場します。第2巻でゲドに闇の世界から 救い出され、その後、農園主の妻となり普通の人生を選んだテナーがとても強く、魅力のある女性として登場します。 この4巻のゲドに対しては、賛否両論。失望したという意見もある中、私にはこの4巻でゲドもテナーも私自身も救われた思いのする 大切な一冊になりました。近々、5巻が出ます。 (1800円)



 *6*    2003.1.26

「ドアがあいて」
エルンスト・ヤンドウル 作
ノルマン・ユンゲ 絵
斎藤 洋 訳
ほるぷ出版

傷を負ったおもちゃたち。病院の待合室で名前を呼ばれるのを待っている。 一人、また一人…ドアが開いて診察室へ…。高まる不安。あぁ~やさしいお医者さんだったらいいのになぁ~ わかる、わかる。この心細さ…。最後のやさしそうな先生にほっとする気持ち。共感です。 (1400円)


「あたまにつまった石ころが」
キャロル・オーティス・ハースト 
ジェイムズ・スティーブンソン 絵
千葉茂樹・訳 光村教育図書

ひたすら石に魅せられ続けた父親。時代の変化を受け入れ、生活しながらも 石に情熱をかたむけ、とうとう最後にはスプリングフィールド科学博物館の館長となった 父親の人生を作者は「父ほど幸福な人生を送った人を私はほかに知りません」と書いている。自分の人生を生きるということが どういうことなのか、頭のなかの石ころを持っていることの幸せに感動します。 (1400円)

「時をさまようタック」
ナタリー・ハビット・作
小野和子・訳
評論社

泉の水を飲んだことから永遠の命を得たタック一家。彼らと知り合ったことで少女ウィニーは、成長し 変化し、最後に死を迎えるという神の恵みからとりこぼされたタック一家の苦悩と不幸を知ります。泉の水を飲むという選択も 出来たウィリーの人生は…。描写が非常に細やかな文章からは、自然の命あるものの美しさが伝わってきます。 心に残りつづける一冊です。 (1400円)



 *5*    2002.12.26

「みみずのかんたろう」
たじまゆきひこ・作
くもん出版

高知県で”かんたろうみみず”と呼ばれている、50センチもの青いみみずを主人公に、 その地で育った田島征彦さんが、すべて命あるものの輝き をテーマに描いた絵本。竹紙に染められた型絵は どのページも息をのむほど美しい。その絵からは、山に降る雨、陽射し、風、そして山に生きる虫や木の命が肌で感じられるように伝わってきます。絶版の危機とも言われています。 絶版にしてはいけない絵本だと思います。 (1456円)



「絵本画家の日記」
長 新太・作
BL出版

長 新太さんファンにはたまらない一冊です。どのページの絵も、どのページの文(日記)も。
○月○日 「センダックはスゴイですよお。」「エッツはいいですよ!」「ワイルドスミスはキレイですねぇ!」 「シュレッダーはウマイです!」…中略…「永田萌はキレイ!」「おおた慶文はカワイイ!」 「中島潔はうつくしい!」わたしはドーシタ?わたしはドーナンダーイ!
好きです。長 新太さん!! (1100円)
「夕ごはんまでの五分間」
プロハースコヴァー・作
ポコルニ・絵 平野卿子・訳
偕成社

夕ごはんまであと5分よ。というママのことばに、バベタはパパに自分が生まれたときの話しをしてほしいと たのみます。なにがいちばん大切かわかっていれば話しは5分ですむのよ、とバベタ。お話がすすむにつれて わかってくること…。家族とは何?障害って何?ほんとに大切なことは何? 読者にとっては、ほのぼのと幸せで嬉しい驚きの5分間、いえ一冊です。 (1200円)



 *4*    2002.11.22

「サンタクロースと小人たち」
マウリ・クンナス作
いながきみはる訳 
偕成社

フィンランドの山奥でたくさんの小人たちと暮らしているサンタクロースの 一年間を描いたとても楽しい絵本です。どうやってたくさんのプレゼントを用意するの? いい子を悪い子がなぜわかるの?遠くまでどうやってプレゼントをくばるの?この絵本をごらんあれ。 マウリ・クンナスの絵は隅々までいろんな物語があって子ども達に大人気です。 (1800円)



「森のクリスマスツリー」
牧野鈴子作
文研出版

これがほんとうの意味でのクリスマスツリーなんだと思わせてくれました。 動物や鳥たちを守る一本の大きなもみの木。降る雪。天上の星。自然の恵みへの感謝。おじいさんの慈愛。 心あらわれる想いのする絵本です。 (981円)


「なるほどクリスマス降誕劇」
バーバラ・ロビンソン作
たかはしえいこ訳
すぐ書房

神様や聖書と縁がなく暮らしてきた子ども達、それも町の嫌われものの悪がき達がキリストの 生誕劇をすることになった。すったもんだのあげく、彼らなりのキリスト生誕の解釈のもとに 劇は進んでいく。とんでもない…いや、なるほどほんとはこうなのかも…。この本を知ってから毎年クリスマスには 必ずジオジオに並べています。なくならないことを祈って。いまだに1983年初版本です。(980円)



 *3*    2002.10

「みんなびっくり」」
長 新太 作
こぐま社

長 新太さんの絵本にはいつも、今度はどんなことをするのかな…というドキドキした期待があります。 これはタイトルどうりびっくり。おさるがぞうさんのおしりに落書き。するとどっちが前だか 後ろだか…。ほかの動物たちはびっくり…知らないのはぞうさんだけ。笑いながらなんだか心が の~んびりしてくるから不思議。絵も大好きです。(1500円)


「えのすきなねこさん」
にしまきかやこ 作
童心社

何の役にもたたない絵ばかり毎日描いていていいのだろうか…。絵のすきなねこさんは悩みます。 でもある雨の日、いつお世話になっているきつねさんやうさぎさんを招いて展覧会を… そうなんです。心豊かに、生活に潤いを与えてくれる芸術。目には見えなくてもとても大切な役割を…。 絵本のなかのねこさんの絵はミロ風というかとても楽しい。(1200円)


「ともだち」
長倉洋海 作
偕成社

世界の紛争地、恵まれたとは言えない国に住む子ども達の写真集です。でもその表情、まなざしは 決して不幸を感じさせません。むしろその地で生きる力強さ、生きようとする意欲、生きていることの喜びが 伝わってきます。なにより長倉さんのカメラに向ける子ども達の表情に、長倉さん自身の 人間性を感じて心あたたかくなります。心洗われる一冊です。(1400円)



 *2*    2002.9

「うみのむこうは」
五味太郎作 
絵本館

海をながめていると、この水平線のむこうにはいったい何があるのだろうか… そういう思いがつのってくる。子どもの頃、海のむこうに あこがれ、想像を働かせ、そしていつかは行ってみたいと思って海をながめていた記憶がある。 だからこの絵本は嬉しかった。今は海の向こうがあまりにも身近になりすぎたのだろうか。 こういう思いこそ大事にしてあげたいなと大人は思うのだけれど。(1200円)


「鳥の島」
川端 誠 作
BL出版

ジオジオが開店した頃、この絵本との出合いは大きかったように思います。大きな歴史のうねりは ひとつの思いから始まる。こういうメッセージを絵本から伝えられるなんて…。 以来、ジオジオにとっては大切な一冊です。絵もいい!無数の鳥が飛び立つ場面は圧巻。出版社がたびたび変わりましたが、BL出版で 健在なのは嬉しい。絶版になりませんように…。(1500円)


「ひねり屋」
ジュエリー・スピネッリ 作
千葉茂樹 訳
理論社

男の子が大人になるための通過儀礼のなんと過酷なことか…。 チャリティで撃たれて傷ついた鳩の首をひねり、絶命させる仕事が、 その町で10歳なった男の子に課せられる。どうしてもひねり屋を やりたくないと思うパーマー少年の心の痛みと恐怖はつらい。 しかしパーマーの存在はやがてまわりを少しずつ変えていく。 衝撃を受けた一冊です。 実際に今もアメリカで行われている行事だと後書きに 書かれてあり、なんちゅう国や…。この本に救われる子どもがいるはず…。(1800円)



 *1*    2002.8


「ふれ、ふれ、あめ!」
カレン・ヘス作 
ジョン・J・ミュース絵
さくゆみこ訳
岩崎書店

乾いた熱い空気。雨が欲しい。
「ふれ、ふれ、あめ!」
詩的な文と透明感のある絵に 人々の、そして子どもたちの思いが伝わってくる。 季節を受け入れ、そして喜びとする生活の素直さに こちらまで嬉しくなってしまう。
カレン・ヘスの「ビリージョーの大地」も よかった。


「やい トカゲ」
船崎靖子 作
渡辺洋二 絵
あかね書房

自転車がなくなった。
自転車のない夏。ぽっかりと空いた時間、そして心。 ふとみると
"とかげ"が僕をみている。ひとりで過ごす少年の夏。 心が痛くなるようないとおしい時間のように思えます。大好きな絵本です。 渡辺洋二さんの絵もとても好きです。


「紳士とオバケ氏」
たかぞのほうこ 作
飯野和好 絵
フレーベル館

ぞっこんです。まいりました。 おもしろい!。規則正しく生活をしているまじめな紳士、まじひこ氏。 風邪薬のためかとんでもない時間に目がさめた。そこには自分と同じ顔を したオバケ氏がぷかりと浮いていた。 聞くとまじひこ氏が寝ている時間はオバケ氏がおきている時間だとか。 少しずつ二人の交流する時間がふえていく。 なんて楽しい物語を思いつく人なんだろう、たかぞのほうこさん。

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