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★ジオジオからのメッセージ
           




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471号




2月になりました。今年は節分が一日はやい2月2日、立春は2月3日。私たちの暮らしは、地球、そして宇宙の営みの中にあります。

立春とはいえ、まだまだ寒い日が続きます。
それでも冬芽もふくらんできて、ジオジオのケヤキにやってくるヒヨドリやキジバトも冬陽の中で、嬉しそうに枝を行きかっています。
三寒四温の日々ですが、じらされながら春を待つこの季節、嫌いではありませせん。

それにしても、毎日毎日があまりにはやく過ぎていくように思います。年のせい? 確かに…。(笑)

受験期の2月、3月です。今年もまた、ブッククラブにも受験を控えてがんばっている中学生、高校生が少なからずいます。
緊張と不安の日々だと思います。大きく深呼吸して、「いっちょ、やったろやないの!」の気概で臨んでください。
春は必ずやってきます。

たくさんの選択肢があり、そのどれもが未来に続いています。
よしんば思う通りいかなくても、それはそれで、また別の未来が開けます。
新しい出会いもあり、予想外の展開もありです。ふしぎになんとかなっていくものです。

まずは体調に気をつけて…。
どうぞ、自分の命と人生を大切に…。
悩みつつ、がんばっている自分自身を一番に愛して、労わってあげてください。


望む、望まないにかかわらず、世界はいい方向にも、そうでない方向にも変わっていきます。
ほんの何年か前には、想像できなかった時代です。
四角い無機的なツールを窓口として、ほぼ瞬時に世界の多くの情報を得ることも 可能です。

そこはかとない不可解さと不安も感じながらですが、もうそれが必要不可欠な時代なのだということも理解できます。

気になるのは、あふれるほど多くの情報の中で、何を選択し、どう立ち位置を決め、どう生きていくのか、ということだと思います。
大きなうねりに流されるのではなく、ちょっと足をふんばって、いろんなことを疑い、批判できる力が大切になってくるのでは…。

知識だけではなく、勉強はそのためでもあると思います。
自分を護るためです。他者をも護るためです。ガンバロ !




 「空はみんなのもの  Il cielo è di tutti 」     ジャンニ・ロダーリ 文  関口英子 訳    荒井良二 絵   1700円+税

イタリアの児童文学作家ジャンニ・ロダーリさんによる60年前の詩が、荒井良二さんの絵で絵本になりました。平和への祈りです。


空って みんなの空だよね 
だからおしえてほしいんだ
どんな ことばでも 詩や ものがたりでもいいから
どうして 空は どこまでも つながっているのに 
大地は さかいめだらけなんだろう     (一部抜粋)




 「ひろい海に ぼくたちは 生きている」       長倉洋海    1800円+税

「小さな舟で海を自由に行き来し、海の上で世界をするという人たちがいると聞いて、会ってみたくなった。三つの海をめぐる、ぼくの旅が始まった」          

東南アジアに広がるスールー海。
スールー海から東、カピンガマランギ環礁の島。
西に向かう海流にのって着くマダガスカル島。
移動し、共に生きる人々。海は誰のものでもない。素手で魚を獲り、遊び、歌い、踊り、眠り…。
子どもたちの表情のなんて輝いていること!

「国境や、人とのへだたりのない「海」をぼくも、心の中に持ちたい」長倉さんの言葉です。

長倉洋海さんの撮られた写真に写る子どもたちの笑顔に、いつも心洗われる思いがします。 
あ~! この子どもたちがいてくれる かぎり、世界は、地球は、まだまだ大丈夫だという気持ちになります。
そしてこういう表情をまっすぐにカメラに向ける子どもたちと 長倉さんの共有する空気感がたまらなく私たちを幸せにしてくれます。
豊かさとは何か…子どもたちの笑顔が語っています。




 3月より月刊誌が新年度となります。 新たにお申し込みされる方、ストップされる方、また他の月刊誌に変更される方は ご連絡下さい。

ご連絡のない場合はそのまま継続させていただきます。

福音館書店の「母の友」 は3月号をもって休刊となりました。  


 2025.2.



 ブックランド紙上で紹介した本をご希望の方は、
配本に追加する、あるいは配本に入れる、 という形でご注文くだされば、翌月、翌々月にはお送りできます。         
不明の点は、TEL、FAX、Eメールでお問い合わせください。またブッククラブ以外の方のご注文もお受けします。  注文    



 新刊より
          


リーブル

「カっちゃん カがつく たべものカタカナあいうえお」  みねよう げんあん  さいとうしのぶ さく  
人気の「あっちゃん あがつくたべものあいうえお」(1800円+税)→ は、20年をこえて楽しまれてきました。
カタカナ表示の食べものが増えてきたことから、この度カタカナ編がでました。
アからンまで、濁音 半濁音のたくさんのカタカナの食べものが、ことば遊びと共に楽しめます。
どれも、おいしそう~。 何より、さいとうしのぶさんの絵は最強!です。きっと子どもたちに 大ウケ! です。
1900円+税 


偕成社

「エリック・カールのはじめて であう ことば100 The Very Hungry Caterpillar‘s FIRST 100 WORDS バイリンガルえほん」
各ページのどこかに"はらぺこあおむし"がかくれています。楽しいめくるしかけの絵本です。
日本語と英語、100語を収録。読み方のめやすとしてカタカナ表記がしてあります。
エリック・カールさんもいるよ。どこにいるかな…。みつけられるかな?  
1800円+税


福音館書店

「パワー ショベル !」     鎌田 歩  
古い建物をこわすためにパワーショベルがやってきました。
パワーショベルはとても力持ち、はたらき者です。
長い うで の先の部分をとりかえながら、こわし、つかみ、くだき、あつめ、地面をたいらにならします。
グラップル、ブレーカー、スケルトンバケットの3つの部品。
かっこいいのです。大好きな子どもたちが多いことがわかります。
1000円+税


好学社

「それゆけ ! ばあちゃんぐんだん!」 ジュディス・カー 作 木坂 涼 訳  
ロングセラー「おちゃのじかんにきたとら」の作者ジュディス・カーさんが、晩年に描いたおばあちゃんたちが、どろぼうをつかまえようと大活躍するゆかいなお話しです。
7人のばあちゃんぐんだん。いちばん若くて82さい。みんな、それぞれに特技をもっています。
さてある日のこと、メイヴィスおばあちゃんが気球の上からケーキ屋に入ったどろぼうを発見。
ばあちゃんぐんだんの出番です。
はじめは、ばあちゃんたちを笑って、バカにしていたどろぼうたちでしたが…。  
1700円+税


光村教育図書

「きみなら だいじょうぶ !」  コリ・ドーフェルド 作 石津ちひろ 訳  
ライリーは、かみひこうきをつくって、そらまで とばしてみようと…。
「よしっ、できた。うまくとんでくれますように!」
そこにワシがやってきて、「もっと大きくつくらないと、ぜったいに とばないぞ」
大きく作りなおして、とばそうとすると、オウムがやってきて「だめよ!きれいで目だつひこうきにしないと」
マーカーで色をぬってとばそうとすると、こんどはハヤブサが…。
次々とやってくる鳥たちのいろんなアドバイスにライリーはついに…。
ようやくどうすればいいのかわかったライリーです。
1500円+税 


ほるぷ出版
「糸をつむいで 世界をつないで」   ケイティ・ハウズ 文    ディナラ・ミルタリポヴァ 絵    中野怜奈 訳   
世界に伝わる織物。はた織りを美しい絵で描きます。
カイコという虫がはきだす絹の糸。亜麻という草からとった糸。綿や羊毛…。
それぞれの地に伝わるはた織りの方法によって、糸は美しい布になります。
何千年と受け継がれてきた技術です。
絵とともに詩的な文で そのすばらしさが表現されています。
"人から人につたわった糸と糸をつなぐはた織りのわざ…人と人のつながりをはた織りの音はうたっている"
2000円+税


アリス館

「巨石運搬 ! 海をこえて大阪城へ」    鎌田 歩     
大阪城をはじめお城を作ったのは豊臣秀吉でもお殿さまでもありません。
当時の高度な技術をもった技術者、棟梁、大工、石工…たくさんの人々の力で作られました。
この絵本では瀬戸内海の小豆島でとれるたくさんの石を、大阪城の石垣に使うためにどうやって海をわたって運ばれたのかが描かれています。
歴史の見えない部分にあらためて気づかされました。
石を見定める石工。その切り出し方、運ぶための工夫。そのための道。どうやって巨石を船に載せるのか…。興味がつきません。
重機もない時代の人々の知恵と力です。
そこで働く当時の人々の様子もふくめ絵の力がすごい。
そして、その歴史観に深く共感します。
1600円+税


BL出版

「今日にかぎって」    樺島ざくろ 作   奥野哉子 絵     
自転車のカギがない…。
友だちと遠くの公園に来ていて、今日にかぎって友だちは用があると先に帰った。
お母さんに電話しようとしたけど、今日にかぎって、ケータイは家に忘れてきている。サイアクの状態になった。
6時までには帰らないと…。
しかたなくサドルを持ち上げて、家に向かったけれど、えっ!同じような団地が続いて、どうやら迷ってしまったみたい。
サドルで持つには重く腕が痛い。涙がでそう。
そんな時に「あれ渡辺?」と声をかけてきたのは、いつもはちょっと苦手な松田くん。
"今日にかぎって" が、思いがけず、ぼくにもたらしたものとは…。
1500円+税


リーブル

「おじいちゃんの目 ぼくの目」 パトリシア・マクラクラン 作      若林千鶴 訳    黒井 健 絵      
ぼくは、おじいちゃんの家が大すきだ。おじいちゃんは目が見えない。
けれど、おじいちゃんのやり方で、見えない目でいろんなものを見ている。
おじいちゃんは言う。「ジョン、目を閉じて、私の目でみてごらん」
朝、陽の光で起きて、朝食をとり、チェロを弾き、散歩にでかけ、花の香りや鳥の声を楽しむ。
温かくて豊かなおばあちゃんとの日々。
絵は黒井健さん、嬉しい復刊です。
1300円+税


ゴブリン書房

「探検家 The EXPLORER」 キャサリン・ランデル  越智典子 訳        
アマゾン流域最大の都市マナウスに向かって飛んでいた小型飛行機が墜落。
飛行機から脱出した子ども4人。
探検家にあこがれるフレッド、皮肉屋で打ちとけない少女コン、生きものが好きなライラときかん坊のマックス姉弟。
未知だらけのジャングルの中、水や食べものを求め、ヘビやアリ、川にいるカイマンやピラニアなどに恐怖と警戒心を持ちながらも、知恵を出し合い、生き延びる道を探っていく。
やがて、人がいたのではないかというテント状に組んだ木や石器を見つけ、さらに古い地図を発見する。
地図に書かれた×印の場所に向かい、出会ったのは…。
ジャングルの中でのサバイバルな体験にハラハラドキドキの連続です。
そして、文明国がアマゾンの先住民にもたらした負の歴史もテーマになっています。
探検家とは何か…と。
1700円+税


岩波書店

「ぼくの中にある光」   カチャ・ベ―レン 作 原田 勝 訳       
生まれてすぐに母を亡くし、父と二人で暮らしていたゾフィア。
父の暴力から逃れ、ようやく母との二人の毎日を得たトム。
ところが、ゾフィアの父とトムの母が再婚することになり、二人の生活は大きく変わることになる。
トムと母は海辺にあるゾフィアの家に引っ越し、トムはゾフィアの学校に転校する。
気性の激しいゾフィアは、どうしても4人の生活が受け入れられない。
暗闇がこわく、父の暴力のトラウマもあるトムは、そんなゾフィアが苦手だ。
物語はなかなか本心を言葉にできない二人の思いが交互に語られ進んでいく。寂しさ、恐さ、嫉妬、疎外感、自己嫌悪、さまざまな感情が二人を翻弄する。
そして二人は、避けられない現実と向き合うことになり、お互いの胸のうちを打ち明けることに…。
11歳同志の不器用な二人に、ようやく光が…。 
2200円+税




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