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★ジオジオからのメッセージ
           



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452号



7月になりました、一年の半分が過ぎ、これからは日照時間も一日一日、短くなっていきます。
夏風にそよぐケヤキの葉も、ジジジと声を上げる羽化して間もないセミも、季節の巡りとともにやってくる昨年とはちがう新しい命の躍動です。
大きな宇宙のしくみの中に、私たちのなにげない日々の暮らし、毎日があることを実感しながら 夏! です。
どうぞ、どうぞ、コロナも含めて、災害や事故のない夏になりますように、と心からの願いです。


6月、3校の選書会が何とか無事に終わりました。7月にもう1校の選書会が控えています。
今年も、ジオジオにお声をかけてくださったこと、感謝の気持ちでいっぱいです。
どの学校でも、手応えいっぱいの充実した楽しい時間を過ごさせていただきました。
何より、子どもたちとの会話がおもしろい! いっぱい笑いと話のネタと(!)そして元気をいただいてきました。

本に向かっている子どもたちの目の輝きには、未知のものへの興味や好奇心、そして未来への確信にあふれているように思います。そのことに、いつも感動します。
この子たちの夢や希望を裏切りたくない、この子たちが生きていく時代を、大切にしたいと心から思います。

平和や人権、環境にからんだ絵本や読み物も何冊かお持ちしますが、いや、子どもたちより前に、私たち、大人にこそ必要なのではという矛盾も感じながらです。
これからの時代のためにも、あきらめたり、悲観的にはなっている場合ではありませんね。

今年も、温かく迎えて下さり、本を運んだり、セッティングしたりを、先生や子どもたちに助けていただきながらでした。
年齢的なこともあって、いつまでできるかな…という気持ちも正直ありますが、う~ん、やめられないなあ…という気持ちが強くなってきているのも正直な気持ちです。
元気でいられる間は続けたいな…と思っています。


毎年、選書会でお世話をいただいている先生が、当日撮られた写真をたくさん送ってくださいます。
個人情報にふれる危惧もあり、子どもたちの生き生きした表情をお伝え出来なくて残念ですが、雰囲気を感じ取っていただけたら嬉しく思います。
子どもたちにかこまれている私はとても幸せです。











「えをかく」  新版     谷川俊太郎 作     長 新太 絵       1600円+税   


はじめに じめんをかく つぎには そらをかく それから おひさまと ほしと つきをかく そうして うみをかく うみへながれこむ かわと かわのはじまる やまをかく

   




谷川俊太郎さん、長新太さん、お二人がはじめてつくった絵本。ジオジオにとっては何よりのリニューアルの復刊です。
「できあがった絵本を見て、茫然としましたね。」谷川俊太郎さんの言葉です。
谷川俊太郎さんの詩のことば通りに「えをかく」長新太さんの非凡な才能に圧倒され、感動します。

ジオジオが開店する前に、長新太さんからお葉書をいただきました。

「つねに脳ミソを洗たくして、清潔にしておくことが肝要である。脳ミソの洗たくはセッケンや洗剤が使用できないので、やっかいだけれど、がんばって下さい。期待しています。」

と書かれています。ジオジオの宝物です。
長い間、絶版になっていたこの絵本。今の子どもたちに見てもらい、読んでもらえるのがとても嬉しいです。配本にも使いたいなと思っています。




「こやたちのひとりごと」   谷川俊太郎 文     中里和人 写真        1600円+税  


こちらも嬉しい復刊です。
情感の伝わってくるみごとな小屋たちの写真と 谷川俊太郎さんによる小屋たちの "ひとりごと" を綴った写真絵本です。
田んぼや、海岸、山の中…その場所、その場所で当たり前のように存在し、お日さまも、雨も、風も台風や地震も、受け入れ、季節の巡りと共に月日を重ねていく。

  「ぼくをたててくれたひとは えらくない えらくないから すきなんだ」 


その自由さ、ふところの大きさ、小屋たちのひとりごとを救い上げた谷川俊太郎さんのことばは、心に染み入ります。
   「ここにいるよ いつだって ここにいるよ」 
それぞれの小屋たちの思いをじっくりと味わってください。





                               

 2023.7.


 ブックランド紙上で紹介した本をご希望の方は、
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不明の点は、TEL、FAX、Eメールでお問い合わせください。またブッククラブ以外の方のご注文もお受けします。  注文    


新刊より

       
   


KADOKAWA

「メメンとモリ」       ヨシタケシンスケ  作         メメントモリ:死を意識するというラテン語
冷静な姉のメメン。情熱家の弟モリ の "人はいかに生きていくべきか" を考えてみる3つのお話。
大事なメメンのお皿を割ってしまったモリ。
こんなはずじゃなかった…汚くできてしまったゆきだるま。
つまんない映画に時間をつかってしまった二人。
思った通りにいかないことが、人生かも…。
「生きるって、よくわからないけど、わからないままに生きていっていんじゃない?」
ヨシタケシンスケさんのメメントモリ。
1600円+税 


こぐま社

「馬場のぼるのおえかき教室」     馬場のぼる     
「11ぴきのねこ」の馬場のぼるさんが、子どもたちになじみのある動物の描き方を、図解をまじえてわかりやすく教えてくれる絵本。
ネコ、イヌ、ウサギ、ブタ、ゾウ、キリン…おまけにオバケも。もりだくさんです。

馬場のぼるさんより。
いちばん大切なことは自分らしい絵を描くこと。そのままそっくりまねしていただく必要はありません。コツさえつかんでいただければ…。
やってみよう!
1200円+税



偕成社

「ほげちゃんとおばけ」      やぎたみこ        
なんともいえない魅力のほげちゃん。シリーズ、5冊目です。
パパがゆうちゃんに買ってきたのは おばけの絵本。
読んでもらっている途中で、ゆうちゃんは、こわくなったのか 絵本を閉じてしまいます。
いっしょに聞いていたほげちゃん、続きが気になってねむれません。
夜中、暗い部屋でこっそりその絵本を開いて見ているうちに、だんだん、だんだん部屋のいろんなものたちが…。こわ~~
1200円+税


講談社

「もりのおへやを しょうかいします」 茂市久美子 作 しもかわらゆみ  
ひとのおせわをするのがだいすきなうさぎ。春になると、こんなかんばんをだしました。
「もりのおへやを しょうかいします。おへやのことなら おまかせください」
まもなく2わのおおこのはずくが やってきました。
こそだてに ぴったりのへや、あなのあいたりんごの木をしょうかいします。
いいへやをさがして、しょうかいできることが うさぎのよろこびです。
つぎつぎと、やまねやくまもやってきます。
愛らしい動物の表情。美しい季節ごとの森。絵がすてきです。 
1500円+税


アリス館

「とっても すてきなおうちです」 なかがわちひろ 文 高橋和枝 絵    
じまんのわがやに ようこそ。
ありは、ほるのがとくい。ひろくて、おへやのかずもたっぷり。なつは ひんやり、ふゆは ぽかぽか。
ちょうちょ。まるごとみんな食べられる まあるいみどりのおうち。 
くも、つばめ、ねこ、みんなじぶんのおうちが だいすきです。
あたたかい日射しのなかで、ちょっと迷惑なやつ!の存在も意識しながら、それぞれのおうちに満足、満足。
心地よさが、柔らかな絵からも伝わります。
1500円+税


偕成社
「どうぶつ みずそうどう」   かじりみな子     
用水路を作り、大川から水を引くことで 安心して米作りができるようになった かえる村やなまず村。
住みやすくなったので、次々と新しい村ができ、水をめぐる争いが おこるようになった。
日でりが続き、水不足のもめごとは深刻に…。なにかいい方法はないものか…。
穴だらけの桶をみて、だるまがえるのとうきちが思いついたのは…。
大正の時代に考えられた円筒分水の方法がお話になりました。
水を公平に分ける方法で 水の奪い合いがへりました。
全国で200か所ぐらいあるといわれています。知恵の勝利です。
1500円+税 


好学社

「やまをうごかした ミン・ローさん」 アーノルド・ローベル さく  こみや ゆう やく  
アーノルド・ローベルによる 昔の中国風の絵と お話がおもしろい。
大きな山のふもとの小さな家に住むミン・ローさんとおくさん。
家はとても気に入っていましたが、この大きな山は好きではありませんでした。
岩や石は落ちてくるし、大雨はふりこむ、日当たりは悪い。
「なんとか、この山をうごかしておくれ」おくさんはミン・ローさんに言います。
村の賢者に、何かいい方法はないかとたずねてみることに…。 
最後に教えてくれた山を動かす おどり とは?
1700円+税


福音館書店

「キャンピングカーのたび」   みねおみつ        
あこがれですね。キャンピングカーの旅。
走るおうちです。まるで秘密基地のようでワクワクします。
おとうさんとぼくは、小さな「のろのろ」号というキャンピングカーに乗って、二人でキャンプ場に旅にでます。
キャンプ場には いろんなタイプのキャンピングカーがたくさんとまっています。
それぞれのキャンピングカーの中の様子や工夫、トイレやシャワー、キッチンなども詳しく紹介されています。
食事、あと片付け、ベッドのセッティング…なるほどと…。
次の日も旅は続きます。
 1500円+税


福音館書店

「すいぞくかんのおいしゃさん」 大塚美加 さく 齋藤 槙 え        
体のつくりも かかる病気もさまざま。
水族館にいるたくさんの生きものの健康管理や病気の治療をしている獣医師さん。
世界で一番大きいジンベエザメのおなかの調子。体に空気が入った小さなタツノオトシゴ。
水槽の底でぐったりしているマダラエイ。傷を負ったアカウミガメのあかちゃん。
虫のついたヒラメ。肺炎になったハンドウイルカなど…。
どうやって治療するのでしょうか…。
作者の大塚美加さんは鹿児島の「いおワールドかごしま水族館」で500種の生きものたちを見守る現役の獣医師です。
1000円+税


ブロンズ新社

「旅するわたしたち On the Move 」    ロマナ・ロマニーシン アンドリー・レシブ 作     広松由希子 訳  
ウクライナの作家による万物の移動をテーマにして描かれた絵本。
地球、水、大気、大陸、宇宙でさえ、すべてのものは動いている。
人類は進化と共に移動をはじめ、乗り物を考え出し、貿易、征服、探検、巡礼、旅行、いろんな目的で移動するようになった。
新しい陸地、世界のてっぺん、海の底、そして、ついには宇宙まで…。戦争などで追われて移動する人もいる。
動物、魚、鳥たちは、地図もコンパスもなしに何千キロも旅をする。
移動することで新しい歴史をつくってきた私たち。
グラフィックな絵とともに、たくさんの知識が楽しめます。
2200円+税 


偕成社

「真昼のユウレイたち」    岩瀬成子  芦野公平 絵         
日常の暮らしの中に、ふっと幽霊にであう子どもたちの4つの物語。
死者の思い。残された者の思い。その後の時間を共有して生きていく感覚は、こわいものではなく、むしろ生きる力になり得るという清々しさも感じる明るいゴーストストーリーです。
子どもたちのリアルな感情をまっすぐに描く岩瀬成子さん。
子どもたちは幽霊の存在を、不思議がりながらも自然に受け入れていきます。
思いを大切に持ち続けることで死者を生かす、幽霊が見えてもいいんですよね。
1400円+税 


徳間書店

「西の果ての白馬」  マイケル・モーパーゴ 作 ないとうふみこ 訳       
イギリス。西の果ての半島の先端にあるゼナーという小さな村。妖精と魔法の力がいまだ残っているといわれる村でおこる5つの珠玉の短編集。
巨人のネックレスを完成させようと貝殻を集めるうちに海に取り残された少女が出会った男たち。
おじいさんを助けたお礼に白い馬をもらった姉弟は父の農場を救うことに。
歩くことが不自由な男の子が海でアザラシと泳ぐことで居場所を得る…。
順番に読みすすみ、5話め、魔女の物語で語られるのは…。 不思議な感覚で読み進める物語。
1600円+税 




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