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★ジオジオからのメッセージ
           




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437号



4月です。春になりました。
長く生きてきた私にとっても、正直、今まで経験したことのない、不安がぬぐえない、ざわざわとした気持ちの春です。

そんな中、ピカピカのランドセル姿や、まだしっくりと身にそっていない制服姿、そんな初々しい姿に たくさんの元気と希望をもらっています。
ご入学、ご入園、ご進級、社会へと….。そして再挑戦も…。すべてのスタートに おめでとうございます。応援する気持ちでいっぱいです。

新しい未知の世界への一歩です。不安もあると思いますが、試行錯誤の日々が、きっと自分を育ててくれます。
自分自身にとって、そして世界にとって、何がいい選択なのかを見極めながら、前に進んでいってください。
私自身も、と思っています。



ウクライナの状況に心が痛む日々です。
子どもたちをも含む殺戮の連日のニュースは、人間としての愚かさを思い知らされます。

プーチンを一度も支持したことがないというロシアの市民層の人々も多いと聞きます。

「私たちはプーチンに、西側の諸国に、そして自分自身の良心にもたたかれ続けている。」  ロシアに住む女性の方の言葉です。

まさか、本当におこすとは思っていなかった戦争に今は反対の声をあげることもままならない。
選挙で為政者を選ぶことの重要さを思います。長期政権のもと、政治の独裁を許してきたのは何なのか…。

私たちにとってもよそ事ではありません。政治や選挙への無関心が独裁者を育てます。
後悔することのないようにしなければ…。

今、世界各地で起こっている ウクライナ、ロシアへの反戦のうねりが、いまだ解決の道がみえていない世界のすべての紛争地にも広がり、 大国が武力を行使して人民の命を、意思を意のままにしようとすることへの警鐘となり、大きな歯止めとなることを祈らずにはいられません。

これからの時代を担っていく子どもたち、若い人たちに、とりこぼしのない平和な世界に、穏やかな時代を残したい、このことにつきます。




上橋菜穂子さんの新刊がでました。 上巻・下巻 同時発売です。


7年ぶり 待望の上橋菜穂子さんの壮大なファンタジー物語です。
「精霊の守り人」 「獣の奏者」 「鹿の王」 …など、上橋菜穂子さんが描く世界、そこに繰り広げられた物語は、私たちの心の中に大きなテーマを持って生き続けています。

そして この度の新作!新たな上橋菜穂子ワールドが広がり、魅了されています。
帝国と民、発展とは何か、共存とは何か、私たちの現代と未来に欠かせないテーマが、植物から発せられる香りの声、生態系を軸にして物語られていきます。
上橋さんファンの多いジオジオです。配本にも加えていきたいと思っています。

「香君 〈上〉 西から来た少女」  「香君 〈下〉 遥かな道」           上橋菜穂子   各1700円+税


香りで万象を知るという活神"香君"が神郷からもたらしたというオアレ稲は奇跡の稲だった。
やせた土地でも収穫量が多く、冷害にも干害にも強く虫が付かない。雑草も生えず連作障害もない。
ウマール帝国はこのオアレ稲と香君の庇護のもとで発展してきた。
香君〈再来の年〉に生まれ変わりとして選ばれたオリエは、そのオアレ稲にヨマという虫の卵がついていることに気が付く。
時を同じくして、人並外れた嗅覚の才のおかげで命を救われたアイシャという少女がオリエの住む香君宮にやってくる。
やがて不安は的中し、オオヨマの虫害が広がり、オアレ稲に依存してきた帝国は飢餓の危機に陥る。
オリエやアイシャは、オアレ稲の香りに応えて飛来してくるものの謎を解き明かして飢餓を回避しようとするが…。

そして帝国のとるべき策とは…。アイシャの出生にかかわる異郷の存在も含めて、上下巻、息をつかせぬ展開です。




「センス・オブ・何だあ? 感じて育つ 」      三宮麻由子     1000円+税

目からうろこが落ちる、そんな清々しさを感じさせてもらったエッセイでした。
タイトルはレイチェル・カーソン著 「センス・オブ・ワンダー」から。


4歳の時に光と完全にさよならをした著者が「感じる」こと、そして手に触れるもの、音、匂い、味…に「何だあ?」という疑問を持つことは、 子どもたちをより広い世界に、そして、たくさんの出会いに導くことになるという思いをこめたエッセイです。
暮らしの中の視覚を超える情報の豊かさに感動します。
季節の匂い。料理の音。道路や駅、線路や空の音から頭の中に地図も出来上がります。
250種類の鳥の声を聞き分け、探鳥に出かける著者。ピアノ演奏や絵本など幅広い活動をされています。
失敗や間違いは「センス・オブ・ワンダー」の大切なデーターだと書かれています。


三宮さんの絵本 「でんしゃはうたう」「おいしいおと」「かぜフーホッホ」など。  各900円+税




「大人も知らない? ふしぎ現象事典」   「ふしぎ現象」研究会 編  ヨシタケシンスケ イラスト  1000円+税 


日常生活の中で体験するふしぎな現象の数々。

「『見ちゃダメ!』と言われると、よけいに見たくなる」
「勉強する気になった時に親から『勉強しなさい』と言われやる気がなくなった」
「テストの前の日になると急に部屋の掃除がしたくなる」
「『期間限定』と書いてあるお菓子をつい買っちゃう」などなど、全部で56の"あるある"の現象。


これは、ちゃんと名前のある現象なのです。
大人も一緒に楽しめる雑学本です。ヨシタケシンスケさんのイラストも笑えます。


 



                               

 2022.4.


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新刊より


                   


みらいパブリッシング

「ぼこちゃん」  たなかまゆみ え・ぶん    サイズタテヨコ12cm 
あながあれば、のぞいてみたくなりますよね~。
で、 いるんですよね、あなのなかには、ぼこちゃんが…。
あちこちに…。
クスッと心くすぐられる絵本です。
1000円+税


童心社

「うみとりくの からだのはなし」  遠見才希子 作   佐々木一澄 絵  
ふたごのうみとりく。
見ためはそっくりだけれど、ちがう体とちがう気持ち。
ハグはだいすきだけれど、したくないときもある。すきときらいはみんなちがう。
体にふれるときは、「いい?」って聞こう。いやな時は「いや」と はっきり伝えよう。
ちがいをみとめあい、たがいを大切にする幼い子どものための性とからだの絵本。
1300円+税 


小学館

「ブロロン どろろん」    高畠那生   
マクドナルドのハッピーセットについている絵本だったのですね。 知りませんでした。
再構成、完全版ということですが、「バナナじけん」などの高畠那生さん ワールド炸裂! 笑います!
ブロローン  くるまがはしっています。
みちにはペンキが…どうなるの? どうなるの? バシャ! どろろん…
ペンキも黄色だったり 緑だったり 赤だったり…奇想天外の繰り返しです。
絵もとてもカラフル!楽しい!
1300円+税    


小学館

「大ピンチずかん」  鈴木のりたけ  
「ぼくのがっこう」で笑わせてくれたばかりの鈴木のりたけさん。
なんの前ぶれもなく、生活の中でおこる大ピンチ。
どうやってきりぬける?  そのための 大ピンチの図鑑(笑)です。
それぞれのピンチをレベル分け。
牛乳がこぼれた。ガムをのんだ。テープのはしがみつからない。バッグのなかで 水筒がもれた。トイレに紙がない。シャンプーが目に入った。フンをふんだ…。
もうもうピンチだらけの毎日 です。きりぬけるには、もうもう笑うしかない。
 1500円+税


ブロンズ新社

「はっぴーなっつ」   荒井良二     
朝はやく、ベッドで耳をすます女の子のもとに、旅する耳からいろんな音が届きます。
それは生まれたての春の音。
ある朝、まどから入ってきた夏のくも。私を外につれだすの。
私の夏のはじまり…。
秋・冬とそれぞれの季節の巡りに感じる幸せと喜びがいっぱい描かれています。
コマ割りマンガと、季節感あふれる色彩豊かな絵をコラボ させるという斬新な手法で描かれた絵本です。
1400円+税


福音館書店
「はるのにわで」  澤口たまみ 文 米林宏昌 絵 
春の庭でくりひろげられる生命のドラマ。
アニメーション監督、自らの絵は圧巻です。
絵本の中に出てくる生き物たちは、ほんものとだいたい同じ大きさで描かれています。
朝、庭いっぱいにさしこむお日さま。しゃくやくの花の中でねむるあまがえる。 花粉を集めにきた まるはなばち。花からとびおりた あまがえるにおどろき、にげていく こむりぐも…。
光、朝露の描写は美しくみずみずしく、躍動感にあふれた絵からは、生きものの命の春を迎えた喜びが伝わります。
1600円+税 


偕成社

「マーヤのさるたいじ」  中脇初枝 再話  唐木みゆ 絵 
中脇初枝さんの女の子の昔話えほんシリーズ。
沖永良部島の昔話です。
マーヤとはお姉さんのこと。「桃太郎」と「さるかに合戦」を合わせたようなお話ですが、やはりそこは一味違います。
川に流れてきた桃の種を植えて、たくさんの実がなったのに、ずるい猿にだまされ、甘い桃をとられてしまったマーヤ。
猿を退治しようと、たくさんのおむすびをもって猿の家に向かいます。
途中で出会った動物たちを仲間にしながら…。
おとなしい耐える女性ではなく、こういう強く賢い女性の昔話があること、嬉しく痛快です。
1700円+税


大月書店

「いえるよ!NO ノー わたしらしく生きるための大切なことば」 ジェニー・シモンズ 作 クリスティン・ソラ 絵 上田勢子 堀切リエ 訳     
毎日の生活の中でNO!と言えることの大切さを描きます。
まわりに気を使ったり、争いごとをさけるためにがまんしたりしないで、自分の気持ちに正直にNO!と言うのは大人も勇気がいります。
でもNO!という気持ちは自分のものです。
NO!は誰の中にもあるスーパーパワーです。
自分の心の声を聞いて、自分らしく生きるために、NO!が言えるようになるための絵本です。
1700円+税


BL出版

「ニッキーとヴィエラ ホロコーストの静かな英雄と救われた少女」  ピーター・シス 作    福本友美子 訳           
1938年、一人の旅の好きなイギリス人ニッキーは、友人からの頼みでプラハに向かいます。
ドイツ軍のプラハへの侵攻を見て、何かできることを…と思ったニッキー。
そして、プラハの近くに住むユダヤ人の少女ヴィエラのお父さんは、17歳以下の子どもたちをイギリスが難民として受け入れてくれること知り、娘を託すことに。
その準備や手続きに奔走していたのが、ニッキーでした。
ヴィエラは生き延びます。列車に乗せられた669人の子どもたちと…。
戦争が終わり、そのことを誰に語ることなくニッキーは年老いていきます。
ある日、TV番組から呼ばれて、もう中高年になった命を救われたヴィエラたちと出会うことに…。
「私は、英雄ではありません。やるべきことがあったから、やっただけです」とニッキー。
2200円+税


岩崎書店

「スープとあめだま」ブレイディみかこ 作 中田いくみ 絵      
「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」を書かれたブレイディみかこさんの絵本になります。絵も同じく中田いくみさん。
雪の中、ホームレスの人たちのためにボランティアに出かけるおねえちゃんに連れられてやってきたシェルターの教会。
そこで、あたたかい紅茶を入れたポットを持っておねえちゃんとぼくは街の中へ…。
路上にうずくまっている人に声をかけ、シェルターに案内する。
シェルターにはたくさんの人。スープを配ると「ああ、生きかえったようだ」 とぼくにあめだまをくれた。
「またボランティアにいく?」とおねえちゃん。「うん」とぼく。
1700円+税


理論社

「少年時代~飛行機雲はるか~」   塩野米松   松岡達英 イラスト   解説 梨木香歩     
昭和30年代、豊かな自然に囲まれた東北の町。全身全霊で遊びに興じる少年たちの一年間を描きます。
少学5年生の明夫、弘、孝治は三銃士を結成。
チャンバラのための腰刀。風呂敷のマント、小刀、肥後守。川遊び。隠れ家の砦。隣町の少年たちとのあそび場をめぐっての決戦。
小学生をまとめる中学生の大将 光一郎のなんて魅力的なこと。
必要なものは工夫し自分たちで作る知恵。
都会から来た転校生の存在。 やがて野球チームができ、少年たちの日々も少しずつ変わっていく。
あの時代のあの頃とかけがえのない少年時代が少し痛みもともなって伝わってくる。
形はちがっても、どの時代にもそういう少年時代があってほしいと…。
1800円+税




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