★ジオジオからのメッセージ
437号
4月です。春になりました。 長く生きてきた私にとっても、正直、今まで経験したことのない、不安がぬぐえない、ざわざわとした気持ちの春です。
そんな中、ピカピカのランドセル姿や、まだしっくりと身にそっていない制服姿、そんな初々しい姿に たくさんの元気と希望をもらっています。
新しい未知の世界への一歩です。不安もあると思いますが、試行錯誤の日々が、きっと自分を育ててくれます。
プーチンを一度も支持したことがないというロシアの市民層の人々も多いと聞きます。 「私たちはプーチンに、西側の諸国に、そして自分自身の良心にもたたかれ続けている。」 ロシアに住む女性の方の言葉です。
まさか、本当におこすとは思っていなかった戦争に今は反対の声をあげることもままならない。
私たちにとってもよそ事ではありません。政治や選挙への無関心が独裁者を育てます。 これからの時代を担っていく子どもたち、若い人たちに、とりこぼしのない平和な世界に、穏やかな時代を残したい、このことにつきます。
そして この度の新作!新たな上橋菜穂子ワールドが広がり、魅了されています。 「香君 〈上〉 西から来た少女」 「香君 〈下〉 遥かな道」 上橋菜穂子 各1700円+税
そして帝国のとるべき策とは…。アイシャの出生にかかわる異郷の存在も含めて、上下巻、息をつかせぬ展開です。
目からうろこが落ちる、そんな清々しさを感じさせてもらったエッセイでした。
「『見ちゃダメ!』と言われると、よけいに見たくなる」
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新刊より
![]() みらいパブリッシング |
「ぼこちゃん」 たなかまゆみ え・ぶん サイズタテヨコ12cm あながあれば、のぞいてみたくなりますよね~。 で、 いるんですよね、あなのなかには、ぼこちゃんが…。 あちこちに…。 クスッと心くすぐられる絵本です。 1000円+税 |
![]() 童心社 |
「うみとりくの からだのはなし」 遠見才希子 作 佐々木一澄 絵
ふたごのうみとりく。 見ためはそっくりだけれど、ちがう体とちがう気持ち。 ハグはだいすきだけれど、したくないときもある。すきときらいはみんなちがう。 体にふれるときは、「いい?」って聞こう。いやな時は「いや」と はっきり伝えよう。 ちがいをみとめあい、たがいを大切にする幼い子どものための性とからだの絵本。 1300円+税 |
![]() 小学館 | 「ブロロン どろろん」 高畠那生 マクドナルドのハッピーセットについている絵本だったのですね。 知りませんでした。 再構成、完全版ということですが、「バナナじけん」などの高畠那生さん ワールド炸裂! 笑います! ブロローン くるまがはしっています。 みちにはペンキが…どうなるの? どうなるの? バシャ! どろろん… ペンキも黄色だったり 緑だったり 赤だったり…奇想天外の繰り返しです。 絵もとてもカラフル!楽しい! 1300円+税 |
![]() 小学館 |
「大ピンチずかん」 鈴木のりたけ 「ぼくのがっこう」で笑わせてくれたばかりの鈴木のりたけさん。 なんの前ぶれもなく、生活の中でおこる大ピンチ。 どうやってきりぬける? そのための 大ピンチの図鑑(笑)です。 それぞれのピンチをレベル分け。 牛乳がこぼれた。ガムをのんだ。テープのはしがみつからない。バッグのなかで 水筒がもれた。トイレに紙がない。シャンプーが目に入った。フンをふんだ…。 もうもうピンチだらけの毎日 です。きりぬけるには、もうもう笑うしかない。 1500円+税 |
![]() ブロンズ新社 |
「はっぴーなっつ」 荒井良二
朝はやく、ベッドで耳をすます女の子のもとに、旅する耳からいろんな音が届きます。 それは生まれたての春の音。 ある朝、まどから入ってきた夏のくも。私を外につれだすの。 私の夏のはじまり…。 秋・冬とそれぞれの季節の巡りに感じる幸せと喜びがいっぱい描かれています。 コマ割りマンガと、季節感あふれる色彩豊かな絵をコラボ させるという斬新な手法で描かれた絵本です。 1400円+税 |
![]() 福音館書店 |
「はるのにわで」 澤口たまみ 文 米林宏昌 絵 春の庭でくりひろげられる生命のドラマ。 アニメーション監督、自らの絵は圧巻です。 絵本の中に出てくる生き物たちは、ほんものとだいたい同じ大きさで描かれています。 朝、庭いっぱいにさしこむお日さま。しゃくやくの花の中でねむるあまがえる。 花粉を集めにきた まるはなばち。花からとびおりた あまがえるにおどろき、にげていく こむりぐも…。 光、朝露の描写は美しくみずみずしく、躍動感にあふれた絵からは、生きものの命の春を迎えた喜びが伝わります。 1600円+税 | ![]() 偕成社 |
「マーヤのさるたいじ」 中脇初枝 再話 唐木みゆ 絵 中脇初枝さんの女の子の昔話えほんシリーズ。 沖永良部島の昔話です。 マーヤとはお姉さんのこと。「桃太郎」と「さるかに合戦」を合わせたようなお話ですが、やはりそこは一味違います。 川に流れてきた桃の種を植えて、たくさんの実がなったのに、ずるい猿にだまされ、甘い桃をとられてしまったマーヤ。 猿を退治しようと、たくさんのおむすびをもって猿の家に向かいます。 途中で出会った動物たちを仲間にしながら…。 おとなしい耐える女性ではなく、こういう強く賢い女性の昔話があること、嬉しく痛快です。 1700円+税 |
![]() 大月書店 |
「いえるよ!NO ノー わたしらしく生きるための大切なことば」 ジェニー・シモンズ 作 クリスティン・ソラ 絵 上田勢子 堀切リエ 訳 毎日の生活の中でNO!と言えることの大切さを描きます。 まわりに気を使ったり、争いごとをさけるためにがまんしたりしないで、自分の気持ちに正直にNO!と言うのは大人も勇気がいります。 でもNO!という気持ちは自分のものです。 NO!は誰の中にもあるスーパーパワーです。 自分の心の声を聞いて、自分らしく生きるために、NO!が言えるようになるための絵本です。 1700円+税 |
![]() BL出版 |
「ニッキーとヴィエラ ホロコーストの静かな英雄と救われた少女」
ピーター・シス 作 福本友美子 訳 1938年、一人の旅の好きなイギリス人ニッキーは、友人からの頼みでプラハに向かいます。 ドイツ軍のプラハへの侵攻を見て、何かできることを…と思ったニッキー。 そして、プラハの近くに住むユダヤ人の少女ヴィエラのお父さんは、17歳以下の子どもたちをイギリスが難民として受け入れてくれること知り、娘を託すことに。 その準備や手続きに奔走していたのが、ニッキーでした。 ヴィエラは生き延びます。列車に乗せられた669人の子どもたちと…。 戦争が終わり、そのことを誰に語ることなくニッキーは年老いていきます。 ある日、TV番組から呼ばれて、もう中高年になった命を救われたヴィエラたちと出会うことに…。 「私は、英雄ではありません。やるべきことがあったから、やっただけです」とニッキー。 2200円+税 |
![]() 岩崎書店 |
「スープとあめだま」ブレイディみかこ 作 中田いくみ 絵 「ぼくはイエローでホワイトでちょっとブルー」を書かれたブレイディみかこさんの絵本になります。絵も同じく中田いくみさん。 雪の中、ホームレスの人たちのためにボランティアに出かけるおねえちゃんに連れられてやってきたシェルターの教会。 そこで、あたたかい紅茶を入れたポットを持っておねえちゃんとぼくは街の中へ…。 路上にうずくまっている人に声をかけ、シェルターに案内する。 シェルターにはたくさんの人。スープを配ると「ああ、生きかえったようだ」 とぼくにあめだまをくれた。 「またボランティアにいく?」とおねえちゃん。「うん」とぼく。 1700円+税 |
![]() 理論社 |
「少年時代~飛行機雲はるか~」 塩野米松 松岡達英 イラスト 解説 梨木香歩 昭和30年代、豊かな自然に囲まれた東北の町。全身全霊で遊びに興じる少年たちの一年間を描きます。 少学5年生の明夫、弘、孝治は三銃士を結成。 チャンバラのための腰刀。風呂敷のマント、小刀、肥後守。川遊び。隠れ家の砦。隣町の少年たちとのあそび場をめぐっての決戦。 小学生をまとめる中学生の大将 光一郎のなんて魅力的なこと。 必要なものは工夫し自分たちで作る知恵。 都会から来た転校生の存在。 やがて野球チームができ、少年たちの日々も少しずつ変わっていく。 あの時代のあの頃とかけがえのない少年時代が少し痛みもともなって伝わってくる。 形はちがっても、どの時代にもそういう少年時代があってほしいと…。 1800円+税 |