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★ジオジオからのメッセージ
           




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423号


春に向かう季節です。
今年は地球の公転の影響で2月2日が節分になります。
当たり前ですが、宇宙の営みの中に私たちの暮らしがあるのですね。
節分の鬼にも 人は自分の力のおよばない様々な祈りや願いを、託してきたのだと思います。鬼はそとー!福はうちー! と 元気に豆まきをされたでしょうか…。
不安が続く状況ではありますが、どうぞ皆さまにとって、お健やかな一年になりますように…。

そして、受験生の皆さま、どうぞ体調にお気をつけて。 
いい春が来ることを信じて、エールの念力をジオジオから送り続けています。


核兵器の廃絶に向けて"核兵器禁止条約"が、批准国50カ国で発効し、法的な拘束力を持つことになりました。
本来なら、真っ先にこの条約成立へのリーダーシップをとるべき被爆国である日本は、いまだ核を保有する大国の思惑の中にいて、この条約に加わる意向は見えません。
それでもヒロシマ、ナガサキから75年余たって、ようやくの一歩です。希望をつなげたいと思います。

地球を何度も滅ぼすことができるという量の核兵器を保有し続けながら、
コロナ感染の脅威におびえ、ワクチンや治療薬の開発に力をそそぐ世界の権力を持つ人たちのあり様に、人間世界の矛盾した滑稽さも感じてしまいます。

1937年刊行のカレル・チャペックの戯曲 「白い病」  の中で、
死に至る未知の疫病の特効薬を発見した貧しい町医者ガレーン博士が、その特効薬で治療するにあたって条件を出します。

「世界中の統治者が戦争から手を引けば、私はこの治療薬を提供します。」
「市民は恒久平和を約束するように統治者に働きかけてください。恒久平和の条約が締結すれば、この病を恐れることはありません。」

残念ですが、戯曲の最後は重い結末です。
一般市民である私たちへの警告でもあるように思います。世界が戦争に向かう時代が背景です。     「白い病」 カレル・チャペック 作 阿部賢一 訳 580円+税



安野光雅さんが亡くなられました。 


絵本の中を何度も行ったり来たり、ひっくりかえしてみたり、迷ったり、探したり、考えたり…。
あ~こういう絵本の楽しみ方があるんだ…と、その斬新さに驚き、目からうろこの思いをさせてくれた安野光雅さんです。

大きく俯瞰した視点から生まれた綿密で美しい絵は、私たちを異次元の世界につれていってくれます。
ユーモラスで遊び心あふれる絵本は、子どもだけでなく大人も魅了してきました。

「旅の絵本」シリーズ、 「ふしぎなえ」 「はじめてであう すうがくの絵本」  「もりのえほん」 「あいうえおの本」…。
残されたたくさんの作品には、ただただ感謝しかありません。


「かんがえる子ども」    安野光雅    1000円+税    

学校の先生もされていた安野光雅さんです。子どもたちへ、そして子どもにかかわる大人の人たちに向けられたエッセイです。

畳の上におかれた鏡の向こうの反対の世界や、弟に話した秘密の地下室の話などのエピソードからも、 想像力にあふれ、心豊かに過ごされてきた子ども時代に、絵本にも通じるものを感じます。
知っている事の中から正解を見つけるクイズよりも、考え、迷い、答えを導き出すパズルのような勉強がいい、と書かれています。


情報にあふれ、受動的におもしろがらせてくれるものがいつもそばにある今の時代です。
疑うこと、自分で考えるくせをつけること、そして自分で物事を見極めていく力をつけていくこと、大切なことです。
SNSで傷つく子どもたちへの提言にもなりそうです。


★「こどものとも」 3月号は安野光雅さんの 「なぞなぞ」です。 2月、新刊  「しりとり」 が刊行予定。





★ 3月より月刊誌が新しい年度になります。

新たにお申し込みされる方、ストップされる方、また他の月刊誌に変更される方はご連絡ください。

ご連絡のない場合はそのまま継続させていただきます。  



                                          

 2021.2.



 ブックランド紙上で紹介した本をご希望の方は、
配本に追加する、あるいは配本に入れる、 という形でご注文くだされば、翌月、翌々月にはお送りできます。         
不明の点は、TEL、FAX、Eメールでお問い合わせください。またブッククラブ以外の方のご注文もお受けします。  注文    


新刊より


             


世界文化社


「とっています」      市原 淳   
笑わせてくれます。
すもうを  とっています。
次のページ、すもうを とりながら ちょうちょを とっています。
次のページ。ちょうちょを とりながら  足を とっています。
おすもうさんの "とっています" が続きます。
バランスを とっています。写真を とっています。ピザを とっています…。 とっています(笑)
シンプルな絵と とぼけた表情にクスクス。  
1100円+税


佼成出版社


「かける」    はらぺこめがね    
食べ物の絵が どーんと ダイナミックです。
"かける"は、おいしくなる魔法ですね。
ごはんに カレー、オムライスに ケチャップ、ひややっこに おしょうゆ、かきごおりに シロップ…。
まだまだ かけます。ふりかけ 粉チーズ あおのり はちみつ…。
この絵を見ていると、やっぱり、おなかが すいてきます~。
1300円+税


講談社


「ごちそう たべに きてください」   茂市久美子 作   しもかわら ゆみ 絵 
ごちそうするのが  だいすきな  うさぎ。
秋になって、くるみやどんぐりを集めては、木の葉の手紙を かきます。
「ごちそう たべにきてください」
りすや ねずみが やってきます。秋が深まり、旅の途中の蝶々の あさぎまだら も…。
でも だんだんと 食べ物がなくなってきました。
うさぎは、りすがもってきた渋くて食べられない"まめがき"で、いいことを思いつきます。
冬のあいだ、おなかをすかせた動物たちのためです。
心やさしいうさぎのお話しに、絵がぴったりです。     
1400円+税


童心社


「ちこくのりゆう」   森くま堂 作   北村裕花 絵    
「せんせい、きいてえな。」
マサシが ちこくをしたりゆう です。
「あさ、おきたら とうちゃんとかあちゃんが カブトムシに かわっとったんや」から はじまって、
ノラネコのタイショーと からだが入れかわったり、 カブトムシを食べるネコのキングから とうちゃん、かあちゃんをたすけたり…。
ちこくも むりはありません。たいへんだったんですから。
想像力、いえ妄想力 たくましいマサシに大笑い。
「せんせい、おこったら あかんで。」
こういうナンセンス、大好きです。
1300円+税  


好学社


「みえない こいぬ ぽっち」ワンダ・ガアグ 作 こみや ゆう 訳 
80年前の絵本になります。
古い農家にすむ 3匹の犬の兄弟。
耳がとんがっている ポインティ。耳がくるくるしている カーリー そして もう一匹、耳のまるい子犬は、だれにも みえない子犬でした。
これっぽっちもみえない、ということで"ぽっち"とよばれていました。
ある日やってきた男の子と女の子は、ぽっちに気がつかず ポインティとカーリーを 家につれて帰ります。
ぽっちは あとをついていくのですが…。   
1600円+税


偕成社

「どうして なくの?」   フラン・ピンタデーラ 文   アナ・センデル 絵    星野由美 訳     
「ぼくたちどうして泣くの?」マリオは おかあさんに聞きます。
「泣くには いろいろな"泣く"があるの」
悲しい時、怒った時、自分がわからなくなった時、だきしめてほしい時、壁にぶつかった時、大人になるために泣くことも、ただ泣きたい時もあるわ…。
泣くという感情を 詩的な言葉で語っていきます。
巻末の知識から、涙の重さは ひとつぶ0.05グラム。
こんなに軽い涙が 心を落ち着かせてくれるのですね。
1800円+税  


少年写真新聞社


「空を飛ぶ ミジンコ のなぞ」   星 輝行 写真・文      
恐竜よりも 昔から地球に住む ミジンコ。水たまりに 突然 現れる ミジンコの謎を 追ってオリジナルの機材で 撮影した写真絵本です。
いろいろな場所で ミジンコを採集して、観察や実験を繰り返し、ミジンコの生態にせまります。
ミジンコは、微塵のような生きもの ということで つけられた名前ですが、ほんとにすごい!
水が減り、水温が上がり、酸素が少なくなると ミジンコは 耐久卵 を生みます。
耐久卵は 風や鳥によって 空を飛び 命をつないでいくのです。
田んぼの土を 取ってきて 観察したくなります。
1700円+税 


童心社


「カラスのいいぶん 人と生きることをえらんだ鳥」  嶋田泰子 著     岡本 順 絵         
身近な鳥です。
でも"きらわれもの" ゴミをあさる、大きくてこわい。
カラスが大嫌いだった著者ですが、家にやってくる ハシブトガラス の観察をはじめます。
森を追われたハシブトガラスが 食べ物がすぐに見つかる街の暮らしを選ぶことは 当然のことです。
知恵を使って 食べ物を得るハシブトガラスの頭の良さに 驚きます。なかなかやる!鳥なのです。
人間にとって不都合になれば 退治 という方法がとられますが、きっとカラスの言い分もあるはずです。
1200円+税


講談社


「メイドイン 十四歳」    石川宏千花     
ぼく 藍堂は、東大進学率を誇る中高一貫の私立中学の2年生。優等生でいい子だと言われることに特別 抵抗はない。
ある日、事情がありそうなアメリカからの転校生の世話を 担任より頼まれる。
初日、待ち合わせ場所でぼくを待っていた転校生 浅窪くんは制服でかくれていない部分は すべて包帯がまかれた透明人間さながらの風貌をしていた。
クラスの困惑と好奇心の中で、浅窪くんは堂々と「ぼくの病名は 先天性可視化不全症候群です」と自己紹介をする。
いつのまにか クラスの空気が 変わり始める。
浅窪くんに友情を感じ始めているぼくも クラスの中の立場がおかしくなっていく。
藍堂の心に向き合う釣り堀に集う大人たちが 魅力的です。
何より浅窪くんと藍堂のお互いを思いあう純粋な友情に 心洗われます。
1400円+税 


偕成社


「彼方の光」 シェリー・ピアソル 作 斎藤倫子 訳    
160年前のアメリカ。黒人奴隷は 物のように売買され、家畜のような扱いを受けながら 働かされていました。
北部の州では 奴隷制度は 廃止されていましたが、南部では逃亡奴隷法があり、捕まると連れ戻され、ひどい目にあいます。
十一歳の少年奴隷サミュエルは、腑に落ちないままに 老人の奴隷ハリソンに連れられ、農場から逃亡し、オハイオ川を渡り カナダを目指します。
いくつかの実話をもとにして作られた物語です。
何度も危機を乗り越えながらの二人の自由への旅は ハラハラしどうしです。
当時、南から北へ逃亡奴隷を導く「地下鉄道」と呼ばれる組織があり、二人も 隠れ場所や移動手段などで 助けられます。
1865年、奴隷制度廃止法 が成立し、その後、100年経った1964年に、差別をなくすための公民権法が成立しましたが、
黒人の人たちへの差別は、今もなお根強く残ります。
1600円+税 




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