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★ジオジオからのメッセージ
           




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409号

今年も、ジオジオとおつきあいしてくださって、ありがとうございました。    

なんとか無事に一年の終わりを迎えようとしています。
今年も、ジオジオから皆さまに本をお届けできたこと、幸せに思っています。
時代の大きな変化についていけないことも自覚しながらではありましたが、
一冊、一冊にその本への思いと手ごたえを感じさせていただけることは、小さい本屋ならではのおいしい特権です。
手離したくないなあと思っています。

これからのことは、私自身にも予測のつかないことですが、小さく居直って、弱々しくもふんばって(笑)、
もうしばらく、このままジオジオを続けていくことができたら、と思っています。

どうぞ 来年も 仲良くおつきあいくださいますように。

そして、子どもたち、若い人たちの生きていく社会が、夢や希望があきらめや失望に変わることのないように、
何より、世界が、命や環境を優先して、戦争、兵器、原発のない時代を次世代に引き継げることを願って止みません。
私たち大人への大きな課題です。

2020年は、世界が平和な方向に向かう年になりますように…。 皆さまも、お健やかな良いお年をお迎えください。


 Merry Christmas      

昭和人間のハロウィン嫌い!よく言われますね。確かに、どっぷり昭和人間の私には、まだまだハロウィンの行事は、体になじみにくいものがあるのは事実です。
(でも10月末には、ひそかにジオジオでお菓子を用意するのも楽しみになってきました。)

それでも、クリスマスは、サンタさんを待ちながら、ワクワクする気持ちを抑えて眠った子どもの頃の遠い記憶。
子どもたちがプレゼントを開けた時の歓声を待ちわびたクリスマスの朝。
今でも心温かくなる思い出として残り続けています。

子どもたちの顔を思い浮かべながら、あれこれ選ぶプレゼント。せめてクリスマスには家族がそろってケーキをと…。
思いを寄せ合うこういう機会を逃す手はありません。たくさんの幸せが行きかうことと思います。
そういう"力"がクリスマスにあるのですね。

どうぞ一年に一回の、短い子育ての間の醍醐味をお楽しみ下さい。     ★★★ メリークリスマス! ★★★


「せかいいちしあわせなクマのぬいぐるみ 」   サム・マクブラットニィ 文 サム・アッシャー 絵 吉上恭太 訳 1600円+税 

60年も前のこと、メアリー・ローズという女の子がおこづかいをためてクマのぬいぐるみを買いました。
ねかせると「ウーウー」と音がでるので、名前はウーウー。
お母さんはそれぞれの足の裏にクとウという文字を刺繍してくれました。
いちばんのともだちでいつもいっしょだったウーウー。
ところが大変なことがおこりました。
メアリー・ローズはウーウーをどこかにおきわすれてしまったのです。


見つけてもらえなかったウーウーは、駅の忘れ物として売りにだされ、ロニーという男の子に買われ、わすれものクマくんと呼ばれました。
やがてロニーは大きくなりぬいぐるみで遊ぶこともなくなり、ウーウーはリサイクルショップへ…。
それから何年も何年もたち、何人もの子どもたちの手に渡り…。
クリスマスがちかづいたある日、とても幸せな奇跡がおこります。

イブの夜に、ぜひ親子で読んで下されば…。



 「あのひと」   マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット 構成/絵  谷川俊太郎 詩  2200円+税     

アイルランドの詩人 ウィリアム・バトラー・イェーツの詩"The Song of Wandering Aengus" に着想を得て
アニメーション映画のアカデミー賞受賞監督の絵と谷川俊太郎さんの詩によるコラボ絵本です。

あったことのないあの人を求めて、時を超越してさまよいつづける私。
きっとあのひとをみつけだし きっとあのひとのてをとって きっとあのひとにくちづけし あのひとをだきしめる<中略>
ながれつづけるときがためらい きょう あのひとが…このひとになった! 

愛って時間がかかります。     おとなのかたへのプレゼントに!



★ ロングセラー絵本が 新訳で再刊です。 ★      

「父さんが かえる 日まで」 モーリス・センダック   アーサー・ビナード やく    2000円+税

センダックの「かいじゅうたちのいるところ」 「まよなかのだいどころ」に続く
「まどのむこうのそのまたむこう」 「Outside over There」  が、新たなタイトルと訳で復刊しました。

子どもの心理の奥を見事に描いたセンダックの3部作の完結編とも言われます。



「はぐれくん、おおきなマルにであう」    シェル・シルヴァスタイン     村上春樹 訳  1500円+税  

「The Missing Piece meets the Big O」   「続 ぼくを探しに ビッグ・オーとの出会い」
が村上春樹さんの新訳で再刊。
自分を変えてくれる誰かを待つ かけら は、新訳でははぐれくん と訳されています。
人生や出会いについて、いろいろと考えさせられます。
「ぼくを探しに The Missing Piece」 もぜひ。


                                          

 2019.12.



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新刊より




福音館書店
「の」          junaida  
でつながっていく物語のひろがりに驚き、絵に魅せられ何度もページをめくりました。
いつのまにか言葉の奥深く、不思議な旅を続けている気持ちにさせられます。
わたしの お気に入りのコートの ポケットの中のお城の いちばん 上のながめのよい部屋の 王様のキングサイズのベッドの シルクのふとんの海の船乗りたちの…
に導かれて…物語の旅はさらに続いていきます。
どのページからも背景の空気が伝わり、登場人物の様子にワクワク します。
終わり方もいいなあ。女の子の表情もいいなあ。
想像力をかきたてられる見事な絵本です。
2000円+税


PHP研究所
「わたしの わごむは わたさない」     ヨシタケシンスケ   
ゴミ箱のよこにおちていた わごむ。
「おかあさん、このわごむ、ちょうだい。」
たかが わごむ でもわたしはずっとほしかったの。 わたしだけのものが。だれのものでもない、わたしだけの わごむ。
いっしょにおふろにはいり、もちろん よるはいっしょにねるわ。
はてしなく続くわたしのわごむ愛。はてしなくひろがるわごむ妄想…。
やっぱり笑ってしまうヨシタケシンスケワールドです。
1000円+税


BL出版
「ジムの おなかが なりました」         ローレル・スナイダー 文 チャック・グルーンインク 絵 木坂 涼 訳    
あさ、ジムが目をさますとしっぽがはえていました。
「パンケーキがやけたわよー」というママの声。
ジムのおなかはぐーぐー。
でも「なんておいしそうな声なんだ」 ジムがたべたいのはママ。
ぼく、どうしちゃったんだろう。
ママをはじめと してジムは外へでてつぎつぎと…。
それでもおなかはぐーぐー。
奇想天外なストーリー運びです。
チャックとローレルはこの絵本を今は亡きモーリス・センダックに捧げています。 
 1800円+税 


イマジネーション・プラス
「きみが いないと If Not for You」  ボブ・ディラン  デイヴィッド・ウォーカー 絵  ドリアン・助川 訳  
ボブ・ディランの名曲 If Not for You が絵本になりました。
きみがいないと、かなしくて、落ち込んでしまうという愛の唄です。
ジョージ・ハリスンはじめ、たくさんのミュージシャンがカバーしています。Youtubeでぜひ!
訳は映画「あん」の原作者 ドリアン助川さん。
余談ですが、ドリアン助川さんがロックアーティストの曲の 歌詞を訳する「金髪先生」という番組を楽しみに見ていました。20年以上前のことですが…。
1700円+税


主婦の友社

「あおい アヒル」  リリア さく 前田まゆみ やく 
作者が認知症の祖母を見守る家庭で育ったことから生まれた絵本。
あかちゃんだったワニを育ててくれたアヒル。
ワニはアヒルのたくさんの愛情の中で大きくなりましたが、
いつしかアヒルはいろんなことを忘れるようになり、 ワニのことさえわからなくなっていきます。
立場は逆転し、ワニはアヒルを守ります。
「かわらないのは、ママがぼくをだいすきで、ぼくもママをだいすきなこと」
ぼくがママにしてあげることは、ママがぼくにしてくれたこと。
1300円+税


偕成社

「図書館からの冒険」   岡田 淳     
いつもの桜若葉小学校ではなく、今回の物語は商店街にある廃校が決まった柴野崎小学校。
小学校の隣で書店をしている大叔父、敬二郎から、小学校の中の双葉館と呼ばれる図書館にでる白い服をきた女の子のゆうれいの話を聞いた渉は、 小学校が壊される前に、その双葉館で一泊しようとしのび込む。
そこで突然、何かに追われてきた少年(!)に出くわし、ドアから見知らぬ世界にワープしてしまう。
そこは、地震と嵐で荒れてしまったシバノザキ島というふしぎな島だった。
そこにはどうやら大叔父、敬二郎の秘密もあるようだ…。
現実と交差する冒険ファンタジー。
1500円+税


講談社
「湖の国」   柏葉幸子 作 佐竹美保 絵    
学校にも家にも居場所をみつけられず、介護施設でバイトをしていたミトは、
そこで知り合った沢井のおばあちゃんが買った家をあてにして東北に家出の旅に出た。
北湖(ほっこ)と呼ばれる家の前の湖から突然、沢井のおばあちゃんが現れる。
姿は同じでも沢井のおばあちゃんではないと感じたミトは、ヨシノと呼び生活を共に する。
ヨシノはこの世の人間ではなく、ある使命を果たすために湖より現れたのだ。
ヨシノと行動を共にするうちにミトはヨシノに魅かれはじめ、同時に湖の底にある死者の国について知るようになるが…。
1700円+税


すずき出版

「ぼくの帰る場所」     S・E・デュラント 作    杉田七重 訳  
走る喜びをおじいちゃんに教えてもらったAJ。
両親が普通とはちょっとちがうことを、おじいちゃんは、それは問題なのではなく、すばらしいことなのだと言った。
両親に変わって、お金や家のことを管理してくれていたおじいちゃんが突然亡くなり、
11歳のAJは、大好きな両親との暮らしを守るために、様々な苦労を背負い込む。
周りに素直に助けを求められないAJの気持ち。時に恥ずかしさもある両親の存在。
それでもおじいちゃんがAJに残してくれたものは、走る才能だけではなく、両親への愛、生きる力。
作者の前作「青空のかけら」同様に、幸せな余韻の残る物語。
1600円+税 


ポプラ社

「希望の図書館」   リサ・クライン・ランサム     松浦直美 訳 
母さんが亡くなり、父さんとぼくはアラバマからシカゴにやってきた。
多くの黒人が豊かさを求め北部にやってきた時代だ。
田舎者だと学校ではいじめられ、貧民街のアパートで一人、父さんの帰りを待つ。
ある日、いじめっ子から逃げて、学校のフェンスの穴をくぐりぬけ、知らない通りに出たところ、
大きな白い石造りの建物があり、扉にはシカゴ公共図書館と書かれていた。
黒人でも自由に入れる図書館だった。
そこでぼくは"詩"に出会い、なぜ母さんがぼくの名前をラングストンにしたのかを知ることになる。
詩人、ラングストン ヒューズと同じ名前だったのだ…。
母さんもラングストン・ヒューズを知っていた…。
1500円+税 


偕成社

■ 白狐魔記 シリーズ 待望の7冊目が出ました! ■
「天保の虹」    斉藤 洋 作     高畠 純 絵       
ジオジオ人気の歴史ファンタジーです。
白狐山の仙人より人間の姿になる術を習得した狐 白狐魔丸は、 歴史上の人物や事件に遭遇して、狐の目から、人間とは何か、武士とは何か、なぜ殺しあうのかなどを探求していく物語。
1冊目「源平の風」の源義経から時代を追い7冊目「天保の虹」
江戸から大坂に向かった白狐魔丸が、大塩平八郎の乱に遭遇します。
偽物の鼠小僧や葛飾北斎も登場します。
歴史の好きな子どもたち、大人の方にもぜひ!一味ちがった歴史観が楽しめます。
1500円+税 




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