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★ジオジオからのメッセージ
           



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406号



谷川俊太郎さんの詩です。

"でも 誰だろう 何だろう 私に私をくれたのは? "  
詩の最後が、心に残り続けています。
私に、私をくれた…! 解放感とともに、覚悟のような緊張感も同時に感じる言葉のように思います。

かけがえのない私です。その私を生きてきたのはやはり私自身です。
いつも、いつも自分を好きだったわけではないし、自分に自信が持てずに自己嫌悪を繰り返したりもしました。
親に反抗もし、その 気持ちを持て余しながら過ごした日々もあります。
それでも、まず私が愛さなくてはいけないのは、私自身です。
いちばんの理解者でもあり、心の奥まで見通す傍観者でもあります。
寂しくても、不安でも、自分を愛しながら、励ましながら、生きていかなくてはならないのです。

生きることに急がなくてもいいと思います。どうぞ自分自身の心とペースを大切にしてあげてください。
そのうちに、見ようとすれば見えてくるものもあります。
思わず笑ってしまって心に晴れ間を感じることも、きっとあります。
力をくれる本もあります。音楽もあります。窓から見える風景も日々、変わります。一人で映画を観にいくと思う存分に涙を流せます。
たまには、目的なしに、電車に乗るのもいいと思います。ジオジオに来て、ぼーっと時間をつぶしてくれてもいいのです。

夏が終わっていきます。繰り返された日常が戻ってくるようにも思いますが、毎日は新しい毎日です。
ひそやかな小さな冒険を試みて、自分をワクワクさせてやるのもいいかもしれません。

もう20年以上も前のことになりますが、昼間に、時々ジオジオに来ては、じーっと本を読んでいる女の子がいました。
しばらくして、いろんなおしゃべりもするようになりました。
学校へは行っていませんでしたが、感性豊かで、謙虚で、とても素敵な女の子でした。
その後、しっかりと自分の足で、自分の人生を歩まれているようです。
生きのびていく力、みんな持っているのですね。嬉しいです。

時々思います。「よくぞ、こんな私に、長い間おつきあいしてくれました。大変だったと思います。 "私 ありがとう "」 
そして 「もうしばらくの間、よろしくお願いしますね。」 と。 
いろいろありましたが、生きてきてみると、けっこう、面白かったのです。

とりとめもない文章になってしまいました。お許しください。



「水の絵本」      長田 弘 作   荒井良二 絵   1450円+税    

亡くなられても長田弘さんの言葉に、こうやって出会えること、嬉しく思います。

荒井良二さんとのコラボによる「森の絵本」 「空の絵本」 各1400円+税 に続く3冊目です。


  "地球は水の星。人はみな水の星の子ども。水は人のみなもと。これは水のほめうた(オード)の詩です。
                「詩とファンタジー」長田弘のことばより" 


どんなものより すきとおっていて どんないろもしてないのに どんないろにでも なれるもの
どんなかたちも していなくて どんなかたちにも なれるもの
すいそと さんそだけで できている とても かんたんなものだけど
いのちあるものには これいじょうのものはないもの
こどもがいった みずは かみさまたちのおしっこなの? 
そうだよ とわたしはこたえ そうしてこのしをかいた      <抜粋>




シリーズの続編など…。 ジオジオ人気の本の秋の発売予定です。 

★ 「ルドルフ」 シリーズ 5 「ルドルフとノラねこブッチ―」  斉藤洋  ● 8月発売予定が遅れています。
★ 「シノダ!」シリーズ 11 「夢の森のティーパーティー」 富安陽子 9月発売予定
「ふしぎ駄菓子屋銭天堂 12」    廣嶋玲子   10月発売予定
★ 「白狐魔記」シリーズ 7 「天保の虹」   斉藤洋  11月発売予定
「図書館からの冒険」   岡田淳   11月発売予定



                                          

 2019.9



 ブックランド紙上で紹介した本をご希望の方は、
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今月の新刊より


   


大日本図書
「かみなのに」  たにうちつねお さく     
かみなのに はねる  まるめて おって おさえて せーの!
かみなのに のびる きって きって つまんで びよ~ん! 
かみなのに こわい!  ほんとかな? 
かみなのに ちからもち 
かみなのに かたい 
かみってすごい!
かんたんで楽しい工作絵本です。やってみてね。
1300円+税


講談社
「まよなかのせおよぎ」  近藤未奈         
絵本のタイトルに、なんか、いいなあ、と。
眠れない夜に、窓の外を背泳ぎで泳いでいるあかちゃんが見えます。
ゴーグルをつけ、赤白ストライプの水着に白い帽子…。
街の中を、森を、星空を、すいすいと、ほんとに気持ちよさそうな背泳ぎです。
なんだか眠くもなる絵本です。
作者のデビュー作です。
1300円+税


絵本館
「あやしいぶたのたね」   佐々木マキ       
ロングセラー「ぶたのたね」のシリーズ4冊目。
ぶたよりも走るのがおそいおおかみ。
ぶたのまるやきを食べてみたいと思っていますが、かないません。
そしてまたまた、きつねはかせに、ぶたのたねをもらいますが、
なんと木になったのは、たくさんのおおかみ!
そこにとおりかかったぶた。
どうなるのでしょうか…。
やっぱり、ちょっとまのぬけたおおかみです。
1300円+税 


理論社
「るすばんかいぎ」     浜田桂子      
家族みんなが、出かけている時って、家の中では何がおこっているのかな…。
実はねこだけが知っている"るすばんかいぎ"
時計のチャイムとともに、冷蔵庫のまわりに集まってくるのは
ゆうきくんの部屋のイスと机とごみばこ。
まずはゆうきくんの最近の様子の報告です。
そこに押し入れからベビーベッドもやってきて…。
みんな、ゆうきくんの成長を見守ってきたのです。
1380円+税


ほるぷ出版

「いっぽんのきのえだ」            コンスタンス・アンダーソン 作    千葉茂樹 訳    
動物たちが使う道具の絵本です。
一本の木の枝を、ゾウははえたたきに、
アフリカのゴリラは沼をわたる時の杖に、
チンパンジーはスプーンに、ワニは木の枝をおとりにつかって鳥を捕まえます。
ダイサギは求愛のプレゼントに使い、それを巣作りにも使います。
動物たちも、必要に応じて便利に木の枝を使うのですね。
私たちも…です。  解説付き
1600円+税 


BL出版

「海ガラスの夏」 ミシェル・ハウツ 文  バグラム・イバトゥーリン 絵    島式子 島玲子 訳
海に落ちたガラスが年月を経て丸くなった海ガラス。
ひとつひとつに物語がある。
海辺で過ごした夏、トーマスは海ガラスを夢中で探した。
そして海ガラスがもつ物語を夢に見る。
夏が去り、海辺から家に帰る船の上で、
トーマスはおじいちゃんの使っていた大事な虫めがねを落とし、レンズを割ってしまう…。
やがて長い年月の後に…。
1600円+税


小学館
「ひとすじの光」 ウォルター・ウィック 文・写真  千葉茂樹 訳  佐藤勝昭(東京農工大学名誉教授)監修      
光についての写真科学絵本になります。
光ってなに?なにからできているのだろう?
大地や水や空気、すべてのものは 原子でできています。
でも光は原子でできている個体でも液体でも気体でもありません。
光は電磁波という形のエネル ギーです。
電磁波のスピードは秒速30万km。太陽の光は8分20秒で地球に届きます。
そしてなぜ、色が見えるのか …。虹って?
たくさんの実験、その写真で光の不思議を解説してくれます。
ふだんは考えない光の正体。でも、太陽の ほんの一部のエネルギーが私たちの命の根源です。
興味のある方はぜひ!美しい写真です。   既刊「ひとしずくの水」
2000円+税


汐文社

「八月のひかり」   中島信子    
子どものせいでは決してない貧困。
目先の経済効果を語る政治家を前に17歳以下の子どもの7人に1人、およそ270万人の子どもが貧困状態にあるという現実に 言葉を失くします。
夏休み、5年生の美貴は働くお母さんのかわりに家事をし、弟のめんどうを見ながら毎日を家で過ごします。
離婚したお父さんからの養育費はありません。
エアコンをがまんし、主にキャベツの献立に工夫をこらし、食事はできるだけ弟にゆずる日々です。
お母さんの体調も気になります。
私たちに社会に、大人に突き付けられた問題です。
それでも、小さな喜びや幸せもあり救われます。
たくさんの美貴が、今、がんばっていることに心痛みながら…。
1400円+税


偕成社

「じいじが迷子になっちゃった あなたへと続く家族と戦争の物語」  城戸久枝 
戦争の加害、被害もふくめて私たちはみんなあの戦争につながっている。そういうことを改めて意識させられます。
著者の父は、1945年8月、日本の敗戦後、3歳でたった一人、中国に残されます。
中国人の養母のもとで愛情深く育ち、日本人としての差別を受けながらも困難にくじけず、 25年後についに日本への帰国を果たします。
戦争のそれぞれの記憶と物語をかかえて生きてきた人たち、それはその後を生きる私たちの物語でもあります。
著者が息子に、じいじの戦争、そしてじいじの戦後を語ります。
1600円+税 


小峰書店

「ゴースト」ジェイソン・レノルズ ないとうふみこ 訳    
母親とおれに向けて銃を撃ったアル中の父親は刑務所にいる。
足が速くなったのは、あの銃声から逃げたときからだ。
心に大きなトラウマをかかえ、学校では疎外感を持ち、しじゅうもめごとを起こしていた少年ゴーストが、その足の速さを見込まれ、陸上に出会う。
監督との出会いでゴーストは変わっていく。いや変わろうとしていくが、
ゴーストは、必死に働く母に言えないで、ランニングシューズをスポーツ店からだまって持ち出してしまう。
監督、母親、心の痛みを受け入れてくれる雑貨店の店主。
いい大人の存在で救われてくゴースト。
新しいスタートラインに立つ。そして走る。
1500円+税 


あすなろ書房

「リスタート」 ゴードン・コーマン 千葉茂樹 訳  
夏休みに、屋根から落ち、記憶喪失になった13歳のチェース。
鏡に写った自分の顔すら覚えていない。
どうやらアメフトのスター選手だったらしいが、学校に戻ると、 なれなれしいチームのアーロンとベア以外のみんなには恐れられ、避けられているように思える。
記憶を失くす前の自分を知って驚くチェース。
記憶を失くしたチェースの変わりようにとまどうクラスメートたち。
それぞれの一人称で語られていきます。
どうやら大変な悪だったチェースが、それを知ることでの新たな自分探しの物語。
少しずつ記憶を取り戻していくチェースに再び起こった事件。
唯一記憶に残る青いドレスの少女とは…。
物語の運びにとても魅かれて読みました。
1600円+税 




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