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★ジオジオからのメッセージ
           



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395号


台風、それも大型のものが続きます。被害はなかったでしょうか?
暮らしとともに災害があることを、何度も何度も思い知らされます。
自然のエネルギーには、抵抗のしようがないとただただ身をひそめ、 じっとやり過ごすしかありません。
被害を最小限にすることに知恵を結集し、できるだけ身を守ることしかできません。

私たちの国の司法が再び、伊方原発3号機の再稼働を認める判決を出しました。
火山の噴火の可能性は、社会通念として考慮しなくていいとの判断です。
自然の威力の前には、原発の安全神話などひとたまりもなかったフクシマの事故はたった7年前のことです。

自然に対する謙虚さ。国の政策の横暴さに対する怒り。忘れないこと。あきらめないこと。意思表示していくこと。
沖縄知事選の結果にも、その思いが伝わってきて嬉しく思います。"これから"ですね。

いい秋をお楽しみくださいますように。



先日、観ていたあるドラマの最終回でのセリフに泣かされました。

「子どもが親にしてほしいことって、ぎゅっと抱きしめてほしい、それくらいのことだよ。」

何気ない当たり前のことのようで、大きな"それくらい"です。
抱きしめる、そこには、愛している、愛されているという実感があります。
たとえ、親がかなえられない時でも、幼い子どもたちに、ぎゅっと息が詰まるような喜びの瞬間を、できるだけ記憶に留めさせてあげたい、
幼い時の、愛されていたという確信は、きっと生きのびる力になる…そう思います。

子どもが、いつのまにか自分の背丈を超し、抱きしめることがもうできなくなっていることに、気づかされる時がきます。
子どもの成長を寂しく思う瞬間です。
抱きしめられる間にいっぱい抱きしめてください。いっぱい愛しているとささやいてください。大切な大切な私の宝物 だと、くり返し言ってあげてください。
そういう言葉も、いつのまにかあらためて口にすることができなくなりますから・・・。

時代が変わり、子どもを取り巻く環境も変わりましたが、抱きしめられる幸せ、そして抱きしめることができる幸せは変わりません。
親が子どもにできることは、当たり前ですが限りがあります。
だから、ほんとに "それくらいのこと" 大切なことです。



なんだか ほっこり  韓国の絵本作家 ぺク・ヒナさん の絵本  「あめだま」    長谷川義史 訳       1500円+税

友だちがいなくて、ひとり、ビー玉で遊ぶ少年ドンドン。
駄菓子屋でみつけたビー玉のような色とりどりの6つの あめだま。
ひとつ、口に入れると突然へんな音が聞こえてきた。リビングのソファーがわきばらにリモコンがはさまって痛いと…。
別のあめだまを口に入れると犬のグスリの声が聞こえてきた。8年も一緒にいて、はじめて知ったグスリの気持。
「ドンドン」というパパの声。次から次へとパパの小言が続く。思わず、あめだまを口にいれると、パパの心の声が…。
ドンドンの心も読み手の心もあめだまとともに、あたたかく溶けていきます。
最後のとうめいのあめだまはなめてもしずかやった。だから、ドンドンは自分から声をかけようと…。


独特の雰囲気がある絵本を作っているのは自称、人形いたずら作家、韓国のぺク・ヒナさんです。

ブロンズ新社からは「天女銭湯」「天女かあさん」(共に長谷川義史 訳   1400円+税)の2冊が出ています。
どちらも、まるで昭和の時代を感じさせるような、なつかしいふんい気があります。
突然、銭湯に現れた天女だというおばあさんとの不思議な時間。
熱を出して学校を早引きした少年のところに、お母さんのかわりに やってきた天女。

幼い頃、近くにこういう天女おばあちゃんがいたような…。今もいてほしいような…。




富安陽子さんのエッセイ    「童話作家のおかしな毎日」        1500円+税

「シノダ!」「スズナ姫」「やまんばあさん」「やまんばのむすめ まゆ」「オニのサラリーマン」
たくさんのシリーズや作品は、どれも、ジオジオで大人気です。
富安さんの描く物語は、異世界への好奇心をくすぐられます。
富安陽子さんってどんな人なのでしょうか?
お父さん、お母さんの不思議な出会いのこと。カナダで過ごした幼い頃。お父さんの書斎で過ごした時間。
日々の暮らしのなかに不思議と笑いがつまったおもしろエッセイです。そのお人柄に魅かれます。

                    既刊の「さいでっか見聞録」(1200円+税)もぜひ!→



ベストセラー  「ざんねんないきもの事典」  監修者   「気がつけば 動物学者三代」 今泉忠明  1200円+税   

「ざんねんないきもの事典」はじめ、たくさんの動物の本を監修されている今泉忠明さん。子どもたちに大人気です。
お父さん、お兄さん、本人、そして息子さんも動物学者という一家です。
子どもの頃から家の中でたくさんの動物にかこまれて育ち、
父や兄と山にでかけ、罠をしかけ、捕まえた動物を標本にするという生活を送ってきました。
動物の研究が好きでたまらないという今泉忠明さんのエッセイです。
モグラ ネズミ コウモリ イリオモテヤマネコ 二ホンカワウソ コモドオオトカゲ はては雪男?!
いろんなエピソードがいっぱいです。
今も現役で、動物の生態の研究を続けられています。  


                                          

 2018.10



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今月の新刊より

   

  


福音館書店
「めん たべよう!」     小西英子 さく  
「サンドイッチサンドイッチ」「おべんとう」 など、たべものの絵本で人気の小西英子さん。
大好きなめん類の絵本です。
うどん スパゲッティ、そば ラーメン 
いやあ、ほんとにどれもおいしそうです。
におい、ただよってきます。おなかがすいてきます。
1500円+税


BL出版

「きょうがはじまる」   ジュリー・モースタッド 作   石津ちひろ 訳     
きょうがはじまります。
なにをしよう。どこへいこう。
そのまえに なにをきるか きめなくちゃ。かみがたは?あさごはんはなにたべる?
きょう、することをページいっぱいに描かれた絵の中から選んでいきます。
おやすみまでの一日。
楽しいきょうになるといいね。絵が素敵です。
1600円+税


光村教育図書
「いちばんのともだち」     ジェニファー・K・マン 作    林 木林 訳     
サムとぬいぐるみのジャンプは、いつもいっしょ。だっていちばんのともだちだから。
砂浜にいった時に、トーマスで出会い、ぼくたちはむちゅうになって遊んだ。
夕方になり、明日もあそぶ約束をして家に帰ってから、ぼくはジャンプを忘れてきたことに気がついた...。
次の日の朝、砂浜にジャンプはいなかった...。
サムの心の動き、喜びを描きます。
1400円+税


樹立社

「とおくまで」   曹 文軒 文   ボーデ・ポールセン 絵   いわや きくこ 訳   
国際アンデルセン賞受賞作家曹文軒氏の絵本シリーズ1冊目です。
デンマークのボーデ・ポールセン氏の絵で、ストーリーがより深く豊かに感じます。
いちばん高いハスの上で、とおくを見ているカエル。
「何かみえる?」と、動物たちもそれぞれに、高いところからとおくをながめますが...。
最後にみんなで見たものは...。 
1500円+税


BL出版

「おどりたいの」       豊福まきこ   
森のはずれにある建物から美しい音楽が流れてきます。
こうさぎは、気になって仕方ありません。
そっとのぞいてみると、そこでは白いチュチュを着た女の子たちがおどっていました。
「わたしもおどりたい。」こうさぎは、ドアをたたきました。
女の子たちといっしょにバレエのレッスンです。
おどれることが嬉しくてたまりません。
いつのまにか窓にはたくさんのうさぎたちが...。
バレエの楽しさ、美しさ。絵がすてきです。
1300円+税 


偕成社
「そらからきたこいし」  しおたに まみこ   
デビュー作です。
木炭鉛筆を主に使って描かれたという絵は、モノクロで、とても緻密に描かれていて、女の子の心象風景が伝わってきます。
ハナは庭で地面から少し浮いている小石を見つけます。
昨夜、光とともに空から落ちてきたもののようです。
それからも小石はあちこちで見つかります。
集まった小石はパズルのように組み合わさりますが一つたりません。
青く光りだした石は、ハナとともに夜空へと...。夜空の絵、幻想的です。
1400円+税


あすなろ書房

「スタンリーとちいさな火星人」   サイモン・ジェームズ 作    千葉茂樹 訳   
かあさんがとまりがけで出かけた日、スタンリーは庭に出て、宇宙船で火星に飛び立った。
しばらくすると、宇宙船が戻ってきた。出てきたのは小さな火星人だ。スタンリーにそっくり。
「やあスタンリー」とウィルにいさん。「ぼくはカセイジン。リーダーにあわせろ」
リーダーのとうさんにカセイジンは言う。
カセイジンは歯もみがかないし、おふろも入らない。そして学校でもトラブル。
かあさんが帰ってきた。
かあさんがいないさびしさを、スタンリーは火星人になることで、何とか乗りこえる。
それをあたたかく受け入れる家族がいいなあ~。
1400円+税


岩波書店

「わたしたちだけのときは」  デイヴィッド・アレキサンダー・ロバートソン 文  ジュリー・フレット 絵  横山和江 訳   
実話の絵本です。ヨーロッパから移住してきた人たちは、
それまでカナダに住んでいた先住民族の文化や言語を否定し、
子どもたちを強制的に寄宿学校に入れ制服を与え、髪を切り、英語やフランス語を話すよう強いました。
先住民族のひとつ、クリー族に生まれたおばあちゃんが、
その時のささやかな抵抗と、
髪をのばし、クリー語で話し、家族で一緒にいられる幸せを語ります。
1400円+税


アリス館

「じめんのしたには なにがある」   中川ひろたか 文   山本 孝 絵    
井戸、マンホール、地下鉄、地下商店街、人はよく地面を掘る。
地面の下には、木の根っこやミミズ、モグラ。冬眠している動物もいる。もっともっと掘ると温泉もでてくる。
地面の下って、いったいどうなっているのだろう…。
もしかして埋蔵金?恐竜の化石?もしかしたら地底人?
人はいったいどこまで地面を掘るのだろう...。
最後のページは、さらに開いて地下パノラマに...。  
1400円+税 


徳間書店

「池の水をぬいた!ため池の外来生物がわかる本」     加藤英明     越井 隆 イラストレーション     
作者はテレビにも、よくでてらっしゃいます。番組"鉄腕ダッシュ"のグルメ厄介にも。
ここ播磨地方にもたくさんのため池があります。
なぜ池が必要なのか、どうやって作るのか。池の水をぬくかいぼりとは?
かいぼりで見つかる在来生物と外来生物。  外来生物がいる理由とは?
生物の多様性と私たちの生活。外来生物がふえていったらどうなるのか、どうすればいいのか。
環境を守る。池を本来の姿に戻す。大切なことなのですね。
とてもわかりやすい解説です。オススメの一冊です。
1400円+税 


偕成社

「アチチの子鬼」    岡田 淳 作    田中六大 絵         
いつもおもしろい話をいっぱいしてくれるぼくのおじいちゃん。
「願いのかなう曲がり角」「そこから逃げだす魔法のことば」 に続く3冊目です。
まるで漫才のようなぼくとおじいちゃんの関西弁のかけあいに大笑いです。
人の言いたいことを先にいってしまうサキザキくんの話。
"いやとはいえん"おじいちゃんが元魔女のたのみをきかんかった話。
ゆでたまごのあくびが、次々にうつってえらいことになりそうになった話など、5話。
1200円+税 


小峰書店

「エヴリデイ」   デイヴィッド・レヴィサン作    三辺律子 訳      
存在はしているけれど実体のない16歳 
理由がわからないまま、毎朝、同じ16歳のだれかのからだで目覚め、毎日、ちがう人生を生きる。
男か女か、場所はどこか、その生活を把握しながら一日を過ごす。
ジャスティンって男になった日に、彼女であるリアノンに恋をした。
それからは、だれの中にいても、リアノンが恋しい。
毎日、なんとか会いにいこうと…。
そして、ついにリアノンに真実を告げる時がくる。
リアノンとの出会いの日から40日間の奇妙なラブストーリー。
Aが最後にとった究極の愛の行動とは…。    映画・日本未公開
1800円+税                               
 




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