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★ジオジオからのメッセージ
           



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372 号

秋も深まりました。11月です。
ヒーターやこたつなどを出すと、家の中が、急に冬の匂いになります。
心がほっこりと暖かくなる嬉しい匂いです。

子どもたちにとっては待ち遠しい楽しい冬、
大人にとっては、時に加速度がつきはじめ、年末までの気ぜわしい日々が始まります。
ジオジオもそろそろ店内を、カレンダーを展示したり、クリスマスの絵本を並べたり、
子どもたちの楽しい12月に向けての準備に かかりたいと思っています。
プレゼント用のリストもご用意しています。お気軽にお声をかけてください。



江草が逝って、4年がたちました。
短いのか長いのか、私自身にもよくわかりませんが、なんとか日々が過ぎていきます。
みなさまのおかげで、こうやってジオジオを続けさせていただけること、ほんとにありがたく、感謝しています。

今年も、また 江草の命日は、信州で 家族が集い 過ごしました。
澄んだ空気と、紅葉で染まる山々にかこまれて、久しぶりにあった いとこ同士、はしゃぎ、笑い、楽しむ孫たちを
江草も どこかで見ながら、喜んでいたことと思います。
にこにこしながら おいしい信州のお酒も飲んでいたでしょうか…。
孫たちの成長とともに、私自身も年齢を重ねながら、これからも、一日一日を大切にしなければと思っています。



「恐竜がいた」      谷川俊太郎 詩 下田昌克 絵      1600円+税 

太古の時代を生き、姿を消した恐竜たちに思いを寄せる人は多い。
キャンバス地で恐竜の骨を作り続けている画家 下田昌克さんも そのお一人です。
恐竜になった本人!も参加して、下田さんの絵と谷川俊太郎さんの詩のコラボです。

確かに恐竜がいた。

悠久の時の流れを感じる詩は、命がつながるものとして、心は恐竜の時代へと…。






「 こぶしのなかの宇宙  小さきものたちのスケッチ」      絵・文 いせ ひでこ   1400円+税 

いせひでこさんの持つ鉛筆から描き出される小さき人たちの命。
あかちゃんや子どもたちのしぐさ、表情、 そして母の思いが絵からあふれています。 
無垢なあかちゃんから、心にそれぞれの世界を持ち始めた 幼い子どもたちの姿。
添えられた いせひでこさん の文章も風のようです。


いつも えんぴつの先には 小さないのちが見える。
木を描くときも 雲や旅人を描くときも 3本足の犬や製本職人の物語を描くときも
「生きるために生まれた」ことを前提に 風景やモチーフに感情をかさねてきた。
その風景やモチーフをつなげてみると 一冊の 長大な絵本 を描いてきたようにも思える。
終わらない ものがたりのはじまり のスケッチ帖を 今日ももって歩こう。



  「絵巻じたて ひろがる絵本 かわ」       加古里子          3000円+税 


加古里子(かこさとし)さんの「かわ」は、「こどものとも」1962年7月号として刊行され、もう83刷りのロング セラーです。
「こどものとも」創刊60年を記念して、ひろげると約7メートルにもなる絵巻じたて絵本になりました。
おもて面はいままでの絵本と同じカラー刷り。
うら面は川の流れを水色に、川以外の景色はモノクロの2色刷り。
同じ絵でも川の流れが際立って見えます。
源流から海まで、それぞれの流域の人々の社会的な活動。
鉄道や貯水池、ダム、木材の集積、田畑。下流へ行くにしたがい、川はばも広くなり、人々の姿も多くなっていきます。
町をぬけ、工場地帯を横にやがて海へ。
最終の広大な海の風景は、2ページ分、追加されています。
いっぱいにひろげて、周辺の景色とともに川の旅を楽しんでください。
教材としてもお役にたてることと思います。


 2016.11



 ブックランド紙上で紹介した本をご希望の方は、
配本に追加する、あるいは配本に入れる、 という形でご注文くだされば、翌月、翌々月にはお送りできます。         
不明の点は、TEL、FAX、Eメールでお問い合わせください。またブッククラブ以外の方のご注文もお受けします。  注文    


今月の新刊より


     


クレヨンハウス


「みつけてん」   ジョン・クラッセン 作    長谷川義史 訳   

「どこいったん」「ちがうねん」 に続く帽子のシリーズ3冊目です。
長谷川義史さんの関西弁のちょっととぼけた訳が、
ひとつの帽子をめぐっての二人(!)のカメの気持ちがユーモラスに伝わってきます。
「ふたりでぼうし みつけてん」「でも ぼうし ひとつやな」
「ぼくら ふたりやのになぁ」
ぼうしはみつけなかったことにして、 ふたりはゆうひをみて、ねることに…。
でも でも気になるぼうし…。
1800円+税 


徳間書店

「ゾウは おことわり」   リサ・マンチュウ 作   ユ・テウン 絵   たなかあきこ 訳       
ぼくのペットはちいさなゾウ。ゾウを飼っている子はぼくしかいない。
ペットとあつまるパーティがあって、ゾウと一緒にいくとドアには “ ゾウはおことわり ” と書いた看板が…。
がっかりしながら歩いていると、同じように、パーティに参加できなかったスカンクをつれた女の子に出会います。
二人で話し合って、だれでも入れるペットクラブを作ることに…。
やがていろんなペットとなかまがあつまってきます。やったぜ!
1500円+税


福音館書店

「とうだい」   斉藤 倫 文   小池アミイゴ 絵    
みさきにたっている うまれたての あたらしいとうだい。
夜になったら、明かりを くるくるまわして 船のめじるしになります。
海をながめていると、客船、漁船、貨物船が通ります。
魚の群れやくじらも見えます。
冬が来て、やってきた渡り鳥は 遠い国のはなしを 聞かせてくれます。
どこにも 行けないとうだい。
でも、どんな時でも、そこにいてひかり続けることが とうだいにできること。
嵐のなかでひかるとうだいに、渡り鳥も 船も 助けられます。
誇らしいとうだいの姿です。
1300円+税


あすなろ書房

「お・は・よ・う」  いまむらあしこ 文   ひらさわともこ 文     
文字を知る楽しさと喜びが伝わってきます。
「ねえ、このじ、なんてよむの?」 よしおは おかあさんにききました。
、おひさまの、おきなさいの
つぎにおじいさんにききました。「ねえ、このじ、なんてよむの?」
、はるかぜの。はながさくの。」
そしてつぎはおとうさん。そして、おばあさん。
よしおは、絵本をひろげておしえて もらった字を読みます。 お・は・よ・う 
よしおは春になると一年生です。朝のあいさつが 読めました。
文字と文の発見!嬉しいさが伝わる絵本です。
1200円+税


ほるぷ出版

「にぎやかな えのぐばこ カンデンスキーの うたう色たち」
バーブ・ローゼンストック 文   メアリー・グランプレ 絵   なかがわちひろ訳 

100年前、だれもが見たことのない新しい絵、形のないものを絵にすることに挑戦した
“抽象画”の先駆者と言われるカンデンスキーの子ども時代の物語絵本です。
裕福な家で生まれ、勉強やピアノなど、ちゃんとした教育を受けて、やがて法律学者になりますが、
幼い時に出合った絵の具、そして色を混ぜると なぜか聞こえてくる音が 忘れられません。
やがて学問を捨て 画家を志します。
形にとらわれないで 音楽を奏でるように描く彼の絵は 人々を驚かせます。
何の絵?とかはわからなくても、楽しい音楽が聞こえてくるようです。   
1500円+税 


評論社

「プーさんとであった日  世界でいちばん ゆうめいなクマのほんとうにあったお話」
リンジー・マッティック 文   ソフィー・ブラッコール・絵   山口文生 訳

世界中で愛されているクマのプーさん。
実はプーさんは、ほんとうにいたクマなのです。
一人の獣医師が戦地にむかう途中で、母を亡くした子グマを20ドルで買い取ります。
ウィニーと名づけられたクマは共に大西洋を渡りますが、危険な戦場には連れていけません。
ロンドン動物園に預けられます。
そしてその動物園にやってきた男の子がクリストファー・ロビン・ミルン。
クマはウィニー・ザ・プーと名づけられます。 
1500円+税


講談社

「空はいま ぼくらふたりを 中心に」      村上しいこ   
ひょんなことから“ うた部 ”に誘われ、短歌を詠むことで、不登校の親友とも心が通い合うようになってきた 桃子の物語 「うたうとは 小さないのちの ひろいあげ 」の続編がでました。
“ うた部 ”にも新入生が入部。 桃子たちは2年生に、
そして3年生になった清らと業平との気持がすれちがう恋。
体と心が相いれないで、業平を慕う美少年の転校生、トキの存在。
それぞれに揺れ動く気持ちを 歌にしながら、めざすは短歌甲子園。
県大会で宿敵 秀麗高校に勝ち、そして盛岡で行われる啄木短歌甲子園に 出場できることに…。
心の内を5・7・5・7・7の歌に込めることで、自分も、そして人とのかかわり方も、前に進むことが…。
各1500円+税


創元社

「誰も知らない世界のことわざ」   エラ・フランシス・サンダース    前田まゆみ 訳        
「翻訳できない世界のことば」に続いて出たのは世界のことわざ編。
歴史を重ねてきた暮らしの中から生まれてきたことわざ。
今を生きる人たちへの、いましめにもなり、なぐさめにもなり、
ユーモラスな気持ちにもなり、哲学をも感じさせてくれます。
国の違い、言語の違い、文化の違いを超えて、生まれ生き続けてきた ことわざ を楽しんで下さい。
きっと思い当たる気持ちも発見します。
日本語 「サルも木から落ちる」
イタリア語「オオカミの口の中へ!」
英語「PとQに気を付けて」
中国語「馬馬虎虎」
スペイン語「ガレージにいるタコのような気分」
チベット語「青の問いに、緑の答えを与える」などなどなど。
各1600円+税


ほるぷ出版

「ダーウィンと旅して」  ジャクリーン・ケリー 作   斉藤倫子 訳        
19世紀の終わりから20世紀にかけて、まだまだ女性に対して封建的なアメリカの南部。
変わり者と言われる祖父から影響を受けて、自然へ のあくなき探求心に芽生えて 多感な時を過ごす少女キャルパーニア。
「ダーウィンと出会った夏」の続編です。
6人の兄弟にはさまれた少女キャルパーニアは13歳になろうとしていた。
祖父とともに ダーウィンの「種の起源」を読み進め、生きものの解剖の仕方や 観察を教えてもらう日々。
心優しい弟のトラヴィスが 次々の連れてくる野生の動物。
巨大ハリケーンで 被災した親戚。
引き取られてきた従姉との暮らし。
男兄弟のなかでの親からの差別。
そんな日々の中で、獣医のブリッカー先生の手伝うという願ってもないチャンスに 喜ぶキャルパーニア。
大学に行きたいという意思表示は 親をとまどわせます。
真っすぐすぎるところも含めて、ほんとうに魅力あふれるキャルパーニアです。 
1500円+税




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