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★ジオジオからのメッセージ
           



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351 号

三寒四温の言葉通り、歩みは遅くても季節は春に向かいます。
ブッククラブの中で、受験を控えているお子さまが今年は特に多い ように思います。もうひとがんばりですね。
どうぞ、体調にお気をつけて。いい春がきっと来ることを信じています。

新しい年になっても、何か途方に暮れてしまうような出来事が続きます。とうてい私たちの力の及ぶところではありません。
さりとて、 私たちに全くかかわりのないことなのかどうか…。“否”とはいえない厳しい現実があります。
今、私たちは時代をどう捉えて、どう考え、どう生きていったらいいのか。
そして何を信じて、何を子どもたちに教えていかなければいけないのか…。
わからないままに、いつも大きな課題をつきつけられているような気持ちになります。
どんな時代も、日々の暮らしを積み重ねながら生き抜いていくしかないのだとは思いますが…。



2006年2月17日、79歳で詩人の茨木のり子さんが亡くなられて9年になります。
“わたしが一番きれいだったとき”を戦争で過ごし、澄んだ目と鋭い感性で時代と日常を詠いつづけてきました。
その中の「時代おくれ」という詩の最後の言葉が心に響きます。

 「何が起ころうと生き残れるのはあなたたち まっとうとも思わずに まっとうに生きている人々よ」


「谷川俊太郎選 茨木のり子詩集」     生前、未発表の詩も収録   700円+税


   倚りかからず 


「清冽 詩人茨木のり子の肖像」 後藤正治  1900円+税    文庫 740円+税

ノンフィクション作家の後藤正治さんが、詩人茨木のり子の人生の足跡をたどります。
親族、友人、詩の仲間、編集者、身近な人たちの丁寧な取材から、
心の深い所で納得し、励まされ、時にはだらしなさや思い上とがりを諌められ、人生にきちんと向き合うことを教えられる多くの詩が生まれてきたのかを探ります。
幼い時に母を亡くし、戦争を生き、49歳で最愛の夫が逝き30年間の一人暮らし、そして一人で迎えた死。
最後と思われる詩「行方不明の時間」の末尾、
“すべてはチャラよ” 清冽を生きた詩人の最後の見事なお茶目でしょうか。



「茨木のり子の家」      1800円+税

谷川俊太郎さんが写した茨木のり子さんのポートレート。
50年の時が流れた茨木のり子さんの家。
玄関、ドアノブ、雑巾がけの効いた階段、漆喰の壁 、居間、テーブルクロス、書斎、椅子…。
どの写真からも、日々の丁寧な暮らしが感じられます。
茨木のり子さんの詩を生みだした空間です。
最愛の人と最後まで一緒だったのだろうと思います。
生前には発表されなかった詩が収められた Y と書かれた箱。
ご自身が亡くなった時のための挨拶状の文章。見事な生き方、見事な終え方です。
ささえられているものを豊かに感じるとる力、故でしょうか…。



月刊誌について

3月より月刊誌が新しい年度になります。
新たにお申し込みされる方、ストップされる方、また他の月刊誌に変更される方はご連絡ください。
ご連絡のない場合はそのまま継続させていただきます。


 2015.2




ブックランド紙上で紹介した本をご希望の方は、配本に追加する、あるいは配本に入れる、 という形でご注文くだされば、翌月、翌々月にはお送りできます。
不明の点は、TEL、FAX、Eメールでお問い合わせください。またブッククラブ以外の方のご注文もお受けします。注文


今月の新刊より

 


ポプラ社


「どこにいるか わかるかな?」 ブリッタ・テッケントラップ 作 木坂 涼 訳    

絵がいい!色も素敵です。このまま布地の模様になりそうです。
表紙もちょっとしかけられていておしゃれ。
タイトルの通り、絵さがしの絵本です。
動物がたくさん出てきます。
とてもリズミカルな訳で、絵さがしが楽しめます。
1300円+税     


絵本館

「どっちもね」 ことば/おおなり修司 え/高畠 純
日本語ってほんとに楽しめます。
ひとつの文が、どこで区切るかによって意味がちがってくる。
幼い子どもたちにとっては大発見のおもしろさだと思います。
高畠さんのユーモラスな絵で笑いが倍増します。親子で楽しんでください。
1300円+税


くもん出版

「へぇ こいたのだれだ?」 平田昌広 さく 野村たかあき え  
お二人の絶妙なコラボです。
まっくらの中で聞こえてきた“ぷ~う”そして“くっせえ”におい。
3人の鬼の兄弟。おたがいに「おらじゃねえだ。こいつだべ」
そしてしばらくするとまた“ぷ~う”続いてくしゃみにげっぷ…。
いったい…。雨戸を開けると、そこには鬼のとうちゃん!
豪快です。鬼弁!のかもしだす雰囲気に笑わせられます。 
1200円+税


BL出版

「どうするジョージ」 クリス・ホートン 作 木坂 涼 訳   
「ちょっとだけ まいご」「しーっ!」に続いて出た3作目。
「るすのあいだ いいこにしていられるかい。」「もちろん」と答えた犬のジョージ。
でも誘惑がいっぱい。
食べたいケーキ。おいかけたくなるネコ。ほりたくなる花の根っこ。
「さあ、どうする!ジョージ」わかっちゃいるけど…。
どの作品も絵と色使いが素敵です。
1400円+税


岩崎書店

「タコくんのおにわ」 リンゴ・スター ぶん ベン・コート え ピーター・バラカン やく   
はい、あのビートルズの「オクトパス・ガーデン」そして、この 曲をつくったリンゴ・スターです。
ビートルズも若い人たちにとっ ては、遠い昔のバンドでしょうか…。
楽しい曲です。そして楽しい絵本になりました。
海の底にあるタコくんの庭にでかけて、子どもたちが自由にのびのびと遊びます。
リンゴ・スターの歌、絵本の朗読、カラオケが収録されたCD付です。
1600円+税


偕成社

「それいけ!ぼっこくん」 富安陽子 作 小松良佳 絵    
ぼっこくんは家の守り神。
まほうの竹ぼうきで家の中にいるチミモ ーという災いのもとになる小さな妖怪を追い払うので す。
おじいさんが亡くなったために、長い間暮らして きた家からお仏壇といっしょに町のケイタくんのマン ションにお引っ越し。さて町のチミモ―たちは…。 
1000円+税


福音館書店

「こぶたのぶーぷ」  西内ミナミ 作  真島節子 絵  
林のなかのいっけんやに、こぶたのぶーぷが、ひとりできちんと暮らしていました。
大そうじをしたり、お友だちとお茶をしたり、いろんなかんちがいがあったり、悩んだり…。
ぶーぷの楽しくゆかいなお話が7話。
見開きにあるぶーぷワールドの地図もおはなしといっしょに楽しめます。
1500円+税


あすなろ書房


「折り紙えほん」   髙野紀子  作    

「和の行事えほん」や「着物えほん」の作者、髙野紀子さんの 折り紙の絵本です。
季節の行事にとても役立ちそうです。
春。節分 の鬼人形、豆ます。お雛さま、三人官女や五人囃子。こいのぼり、かぶと。 
夏、秋、冬と季節を楽しむ折り紙やクラフトのアイデアが、いっぱい。
わかりやすく、楽しいイラストで紹介されています。
箸おきや箸袋、懐紙、干支の指人形。また包み方やカードなど盛りだくさんです。
1600円+税



ほるぷ出版

「江戸のお店屋さん その弐」  藤川智子
第2弾、出ました。見ているだけで楽しい。
“その弐“は袋物問屋、瀬戸物屋、太物問屋、そば屋、寺子屋、芝居小屋、木戸番屋、屋台、てんびん棒をかつぐ ぼてふり。
それぞれ扱う物の紹介やお店の様子に、江戸時代の人々の暮らしぶりを想像して楽しめます。
江戸時代のリサイクルも紹介されています。
1400円+税


くもん出版

「東京駅をつくった男」   大塚菜生
赤レンガと白い花崗岩の帯、東京駅は今年で開業100年を迎え ます。
大正、昭和、そして現在へと関東大震災や戦争をくぐりぬけてきました。
その東京駅を設計した辰野金吾が生まれたのは、幕末。
学問を始めた明治時代の初めは、まだ建築という言葉もありませんでした。
押し寄せる近代化の波。語学を学び、ヨーロッパへ留学。
従来の日本の建物とヨーロッパの建築物。その間で辰野金吾をはじめとして、たくさんの建築家が思考錯誤しながら日本の近代建築を切り開いてきました。
100年の時を重ねた建築を通して、その時代の建築家たちの情熱と激動の時代を描きます。
1400円+税


徳間書店

「消えた犬と野原の魔法」フィリッパ・ピアス 作  ヘレン・クレイグ イラスト
フィリッパ・ピアスの最後の作品です。
さし絵のヘレン・クレイグとピアスは共通の孫を持つおばあちゃん同志になります。
この本の完成を待たずピアスさんは亡くなってしまいました。
いなくなった犬、べスをさがしてきみょうなおじいさんと野原にやってきた少年ティル。
野原に住む二人のガマーさんはピアスとクレイグがモデルでしょう。
野原のにわとりやネコ、サギやモグラをまきこんで、ついにべスはティルのもとに帰ってきます。
このことを物語にしてさし絵を描くことを約束するガマーさんたち。
幸せなおばあちゃん、二人です。
1800円+税




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