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★ジオジオからのメッセージ
           




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336 号

心もとない気持ちで過ごした一年でしたが、ブッククラブのみなさまをはじめとして友人、家族に支えられて
何とかジオジオを続けて こられたこと、感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。
私にとって、もちろん江草にとってもですが、ジオジオがこれほど 大切に思えたことはありません。
ぼちぼちにはなりますが、これからもジオジオを続けていけたらと思っています。

江草の一周忌は、思い出の地、信州白樺湖のホープロッジで、子どもたち、孫たちと過ごしました。
信州の澄んだ冷たい空気の中で キツネを見て目をまるくしたり、馬に乗ったり、ヒツジを追いかけたりして
はしゃぐ孫たちを見ながら、何より嬉しい大切な時間を持つことができました。
もっちゃんも喜んでくれているのでは、と思います。
いや、きっと一緒になって孫たちと遊んでいたでしょうね。
山を愛した江草でした。蓼科、八ヶ岳、連なる山々の紅葉が見事でした。

季節は冬に向かいます。ジオジオも忙しい季節になります。みなさまもどうぞお体を大切に。楽しい冬にしたいと思います。


上橋菜穂子さん 「 物語ること、生きること 《  物語にしないと伝えきれないものを、人はそれぞれに抱えている。 1,050円

30過ぎの強くて孤独な女用心棒バルサの物語「守り人《シリーズ。
架空の獣、闘蛇と王獣を操り数奇な運命をたどる少女エリンの物語「獣の奏者《シリーズ。
狐の精霊 野火と人の心が読める聞き耳の才をもつ少女 小夜のはかなくせつない愛を描く「狐笛のかなた《などなど。
上橋菜穂子さんの描く壮大なファンタジーの世界は、どのようにして生まれたのでしょうか?誰もがそう思います。
上橋さんご自身も「どうやったら作家になれますか?《という質問とともに、
講演会などでよく聞かれることだと語られています。
ほんとうに意味のある答えをするために、
その物語が生まれるまで辿ってきた道程をすべて伝えたいという思いから語り下ろしという形で生まれたエッセイです。
「物語は、私そのものですから。《 上橋菜穂子さんが作家になりたい子どもたちに伝えている言葉です。

上橋菜穂子さんの物語は、わくわくとおもしろいだけではなく、異なった文化を持つ国々の争いの先にある
人々の生き抜く知恵と生き方を大切にした思想がきちんと描かれているように思います。
好奇心いっぱいの子ども時代。
祖母から聞かされた昔話。
影響を受けたたくさんの本。
文化人類学を専攻しフィールドワークから学んだことなど、
そのすべてが興味深く語られ、
読み進めているうちに、それが上橋さんの描く物語の中に生かされていることに気づかされます。
物語が終わっても、ファンタジーの世界とそこで語られた真実は、
読者の心の中に残り続けます。
外伝や物語集を読んで、さらにその思いを深くします。
ジオジオのブッククラブの配本にも、よく使いますが、
まだお読みになられていない方には ぜひお勧めです。
読み始めたら止められないおもしろさです。もちろん大人の人にも!です。                        


2013年3月11日の震災、原発の爆発。
福島ではまだ15万人の人が家に帰れないでいるといいます。
こういう現実に子どもたちは、どう向き合い、どう生きていこうとするのか…。
見えてこない“これから”をかかえながら大人は、子どもたちに何を言ってやれるのか、何をしてやれるのか。
福島の地から詩を発信しつづけている 詩人和合亮一さんと 「あらしのよるに《のきむらゆういちさんの絵 で、
家族が離れ離れに暮らすことを余儀なくされた少年の心を描く絵本が出ました。
たくさんの子どもたちが、ひとりではしっています。その先にきらきらと見えてくるのもがありますように…。

「はしるってなに《  和合亮一 文   きむらゆういち 絵  1680円円 

      ぼくは、いつも とみおかのうみを とうさんとはしっていた。
はしったあとテトラポットにすわり、とうさんと ジュースをのむ。
でもあの日、地震が来て、津波が来て、原発が爆発して、家にはいられなくなった。 福島で仕事をするとうさんと別れて青森のおばあちゃんのところへやってきた。
毎日電話をくれるとうさん。
とうさんとはしりたい。
とうさんが言った。はしるということは、いつもひとり。
だからひとりではしりなさい。


開店の頃からのジオジオの大切な一冊です。
絵本の世界は、決して子どもだけのものではないと思わせてくれました。
大きな歴史の流れを感じさせてくれます。
飛び立つには、私はちょっと年齢を重ねてしまいましたが、できるなら、鳥の島のひとかけらの土くれにでもなれたら…と思います。
きっと夢や希望は引き継がれていきます。特に今の時代、そうあってほしいと強く思います。
品切れになったり、出版社が変わったりと、絶版にならないか心配しながらきた絵本です。今はBL出版より出ています。

「鳥の島《     川端 誠    1575円

海の向こうの世界へのあこがれをおさえることができなくて、ある時一羽の鳥が飛び立った。
飛び続けたけれど海は広く、やがて力つきて海に落ちた。
それから何百年、何千年、いったい何羽の鳥が海をわたろうとしたことだろう。
ある年、飛びたった鳥がやはり力つきて、もうだめだ…と思った時に島が見えた。
今まで海に沈んだ鳥たちの思いが島になったのだ。
羽を休めて再び鳥は飛ぶ。
一つの小さな思いが集まればいつか大きな力へと…。


 2013.11




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今月の新刊より



童話屋


「ぼくは だれだろう《 ゲルバズ・フィン 作   トニー・ロス 絵  みらいなな 絵       

たまごから、ぼく うまれたよ。
でも かあさんがいない。
ぼくは だれだか わからない。
キリン、ぞう、サイ、チーター、その色になることはできるけどやっぱりちがう。
ぼくは だれだろう…。
悩むカメレオンのあかちゃん。
絵が楽しい。
(1418円)


講談社

「 ん 《   さく 長田 弘  え 山村浩二 
ん ってふしぎでおもしろい。
しりとりならまけちゃうけれど、んってだいじな言葉かも。
ん、うん。ん、なに?ん? そうなん?ん、やっぱり。ん、でもね。
んの世界が豊かにひろがります。
詩人、長田弘さんのことばの遊び。
シンプルで表現豊かな絵もとてもすてきです。
(1260円)


岩波書店

「ゼロくんのかち《 ジャンニ・ロザーリ 文 エレナ・デル・ヴェント 絵  関口英子 訳
ちっぽけな0くん。
きだてはやさしいのですが、くらべっこしてもいつも負けてばかりで、
だれも0くんと遊びたがりません。
でもあるとき落ち込んでいる1くんを勇気をだしてドライブにさそいます。
ここから0くんの力が発揮されます。
イタリアを代表する作家、ジャンニ・ロザーリさんの作品です。
( 840円)


フレーベル館

「おにいちゃんになるひ《  ローラ・M・シェーファー 作 ジェシカ・ミザーヴ 絵 垣内磯子 訳 
お父さん、お母さんが出かけます。
スペンサーはお留守番。
その間のスペンサーの期待と興奮が伝わってきます。
つよくて、はしるのもはやくて、せもたかい。ふざけっこやどろんこあそびもだいすきなスペンサー。
そしてすばらしい日がやってきます。
スペンサーはおにいちゃんになったのです。
きらきらと輝くような家族の愛が伝わる絵本です。
(1365円)


ほるぷ出版

「まちのじどうしゃレース《  たしろちさと さく      
5ひきのすてきなねずみ 3冊目が出ました。
“ねずみじどうしゃレース“があり、優勝賞品はなんと みたこともないくらいおおきなチーズ。
さっそく5ひきのねずみは、あきかんなどの材料を集めてきて工夫をこらし、手作りで自動車を作ります。
さあ、いよいよレースがはじまります。
おもちゃ屋のねずみたちはラジコンカーのようです。
コースは人でいっぱいの歩道、車が行きかう道路、坂道などドキドキ ハラハラのレース展開。
ねずみの視点で描かれた絵は迫力満点!
コースの地図も楽しめます。
(1260円)


あすなろ書房

「 BLUE BIRD ぼくとことり《 ボブ・スタック   
絵だけで語られる文字のない絵本です。
学校にはどうもなじめていない男の子。ひとりぼっちのようです。
でも青い鳥がいつもそばにいます。
やがて男の子もその青い鳥に気が付き、心が通い、楽しい時を過ごすようになりますが…。
色彩を抑えたシャープな絵の中で、青い鳥の動きが物語を進めていきます。
ほろ苦い、少年のある一日の心を描きます。
(1680円)


西村書店


「美術館ってどんなところ?《 
青柳正規 日本語監修 フロランス・デュカトー 文 シャンタル・ペタン 絵 野坂悦子 訳  

ふだん見ることのできない絵や彫刻などを
わかりやすく展示して私たちを楽しませてくれる美術館。
学芸員や美術修復家、館長の仕事ってどんなことをするの?
美術館の建物の内部の様子やしくみなどがわかりやすく、楽しいイラストで描かれています。 
(1680円)


岩崎書店

「お~い、雲よ《      長倉洋海     
世界の紛争地を巡り写真を撮り続けてきた長倉洋海さんが、
震災のあった後、今、日本の子どもたちに伝えたい思いとは…。
つらい時は顔を上げてみよう
。空はなんでも聞いてくれる。
雲を見ていると、悲しいことを忘れることができる。
どんな地域でも、どのような状況でも空には雲が浮かんでいる。
生きることへの思いがあふれている写真集です。
(1680円)


偕成社

「カメレオンのレオン  小学校の秘密の通路《    岡田 淳 作  
桜若葉小学校で“つぎつぎにおこるへんなこと”を解決したカメレオンのレオン探偵。
シリーズ2冊目が出ました。
校庭にある大きなクスノキは実は別の世界への秘密の通路です。
表紙(裏表紙)に描かれたそれぞれの出入り口の絵!2冊目の構想もあったのですね。
変幻自在、どんな姿にでもなるレオン探偵。
出てくる教頭先生は、本物?それともレオン? 
表紙の絵のドラゴンも登場です。
ふたつの世界を行ったり来たりしてトラブルを解決していくレオンの4つの心温まるストーリーです。
かかわった5人の子どもたちは、他の人には話さなかったので、たいていの人は、桜若葉小学校はふつうのなんの上思議 もない小学校だと思っています。
ところで、みんなの小学校に大きなクスノキはある?       
(1260円)


理論社

こそあどの森シリーズ11冊目が出ました!
  「水の精とふしぎなカヌー《 岡田 淳作   
この森でもなければ その森でもない
あの森でもな ければ どの森でもない。
こそあどの森の物語です。
(1680円)


理論社

荻原規子さんによる源氏物語
「紫の結び(一)《  萩原規子 訳  
紫の上の一生を中心に、
原典の良さを失うことなく
楽しく源氏物語を読めるよう再構築した新訳です。  
(1785円)

                                      



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