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★ジオジオからのメッセージ
           



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275 号

北京オリンピックが終わり、甲子園が終わり、あの騒々しいクマゼミの鳴き声も終わって、夏休みが終わり、秋です。

今年の夏の最高の思い出作りと、孫娘(3歳半)と『崖の上のポニョ』を観に行きました。
前日から予約をして二人で出かけたのですが、 前日の夜更かしがたたって、「おじいちゃん!おめめあけて!」の声に飛び起きる始末。(笑)
不覚にも半分ぐらい眠っていたようで、 何がなんだかよくわからないままでした。
最後はテーマ曲の大合唱となり、孫娘も大声で歌っていました。
年に1、2度しか会えないので、会うたびに成長しているのを実感します。
次に会うときは、どんなことを一緒にするのだろうか、と楽しみにしています。



「青春の終わった日」−ひとつの自伝−(1,890円)

清水真砂子さんが自らの前半生を著した最新作です。
青春の終わりというと、甘く、せつなく、ほろ苦い...という様な言葉で語られがちですが、
清水さんは「あとがき」の中で、
「青春の終わりを自覚した日」から 心を煩わせていたどうでもよいことに気持ちが向かなくなった分、周りの人々を、自然を、世界を、自分自身の中にうごめくものを、ゆっくりと見つめ、楽しめるようになった、
と述べています。

青春の終わりを喪失としてではなく、豊かで、解放された人生の第一歩としてとらえることが、
それからの人生を生きていく上で、どれほど大切なことかがよく解ります。

もともとこの本は幼い日の1枚の写真をもとに父母きょうだい探しに出かけた、と述べていますが、
そこで見つけたものはその時々の自分自身であったのではないでしょうか。
途切れることのない時の流れとはいえ、絵巻物のような描き方ではなく、
1ページ、また1ページと時のページを重ねて出来上がった本のような気がします。
そして、過去を描きながらも、見えてくるのは現在の清水真砂子さんです。

ジオジオを開店する半年ほど前に、清水さんの初めての児童文学評論集『子どもの本の現在』を読みました。
ジオジオはその時スタートしたと言っても過言では ありません。
その後、何度か清水さんに講演をしていただいたり、清水さんの講演を聞きに行ったりしました。
『ゲド戦記』をはじめ、翻訳、児童文学評論、エッセー と多くの著作にも出合うことができました。
その中で一貫した姿勢は「現在(いま)を見据えて」ということだと思います。

この自伝の中に
『人生を否定的に見ることは誰にでもできよう。が、「人生にイエスという」ためには、膨大な努力とエネルギーがいる。だが、努力とエネルギーを 惜しんで、何の人生か。』
という一節があります。
この、結果でなく、このように生きることが喜びであり、幸福であると述べているのではないでしょうか。

このことは、子どもたちにも若い人たちにもいえることです。
これから青春を迎える人、青春真っ只中の人、青春が終わった人、すべての人に一読をおすすめします。

※ブッククラブでは配本を予定しています。お楽しみに。



清水さんの自伝の中で、小学校時代の読書遍歴が書かれていました。

そこで、ふとオヤジが最初に読んだ本は何だろうと考えていると、
中身まではっきりと覚えているのは『宇宙のなぞ』という本でした。
今も児童書専門出版社大手である偕成社から出されていた「絵とき百科」という科学読み物の一冊でした。
このシリーズは他にも、恐竜や生物等の本も 買ってもらったような気がするのですが、
しっかりと記憶に残っているのはこの本だけです。
小学校の1年生だったと思います。
今考えると、その内容は吹き出したくなるようなものでした。
50年前の宇宙論をもとに、子供向けの読み物にしたのですから それは言っても仕方のないことですが。
それでも、宇宙は果てしなく広く、謎に満ちたものだと十分に感じられました。
そして、同時に本の世界は知識の宝庫であることもこの本が教えてくれました。

幼稚園から小学校3年生まで父の転勤で下関に住んでいました。
神戸から やってきた「ひ弱な都会っ子」はなかなか受け入れてもらえません。
ワイルドなガキどもにはパワーでは勝てません。勝てるのは知識だけです。
不純な動機で読み始めた本ですが、結局は本の魅力のとりこになっていきました。
それからは何でも読むというようになりました。
この頃は天文学者になりたい、と思っていました。が、本屋になるとは思ってもいませんでした。(笑)


 えぐさもとはる   2008.9




ブックランド紙上で紹介した本をご希望の方は、配本に追加する、あるいは配本に入れる、 という形でご注文くだされば、翌月、翌々月にはお送りできます。
不明の点は、TEL、FAX、Eメールでお問い合わせください。またブッククラブ以外の方のご注文もお受けします。注文


今月の新刊より



福音館書店

「くんくんふんふん」
オスターグレン・靖子 文
エヴァ・エリクソン 絵
子犬のポンテはくんくんにおいをかぐのが大好き。
庭で「くんくんふんふん」していると、ヘビの穴を見つけたり、ハリネズミに出会ったり...。
でも、一番好きなのは飼い主のにおいがする靴下。
スェーデンの秋を背景に、好奇心いっぱいの子犬を描いた幼児絵本。
(780円 2才〜)


福音館書店

「サンドイッチ サンドイッチ」
小西英子 作
パンに、ハム、たまご、レタス、キュウリ、チーズ、トマト...
なんでもはさんでサンドイッチのできあがり。
細密な絵がサンドイッチの魅力を引き立てます。
すぐにサンドイッチを作って食べたくなる出色のサンドイッチ絵本です。
(780円)


徳間書店

「こんな町、つまんない」
マーク・ローゼンタール 作・絵
おもしろいことがなんにもない!
腹立ちまぎれにけとばした空カンが大騒動のもと。
ところが少年は全く気付かず、「この町はつまんない!」
背景では町が大騒ぎになっているのに、つまんないと不満たらたらの少年との対比がおもしろさを倍増させています。
また、突然現れる海賊が狂言回しのいい味を出しています。
(1,575円 3、4才〜)


アリス館

「かえるといっしょ」
松橋利光 写真・文
こばようこ 絵
子どものころからカエル好き。
とうとうカエルカメラマンと呼ばれるようになった著者のカエル讃歌。
カエルと人間は似ている、というのだから、著者のカエル好きは半端なものではありません。
(1,470円 5、6才〜)


●親父はカエルが大好きです。
特に今年は室内ミニ凧のカエルバージョンを作るようになって、一層カエルが好きになりました。

オススメのカエル絵本を ご紹介します。
まずはオタマジャクシから。
「おたまじゃくしの101ちゃん」(かこさとし 1,050円)はロングセラーでご存知の方も多いと思います。
たくさんおたまじゃくしが登場する絵本では
「999ひきのきょうだい」(木村研・文 村上康成・絵 1,050円)がオススメ。
一番上のおにいちゃんがなかなかおたまじゃくしにならなかったり、かえるにならなかったり...。でも、ヘビに狙われた時に大活躍します。
また、森の奥にある池で暮らしているカエルのピータンが渡り鳥に世界を旅することをすすめられますが、ピータンの暮らす世界がいかに素晴らしいかを語る
「カエルのピータン」(どいかや・作 1,365円)も見逃せません。
さらに、世界中で読まれている
「がまくんとかえるくん」シリーズ4巻(アーノルド・ローベル作  各988円)は一度は読んで頂きたい本です。
さらに異色のカエル絵本では、跳ぶのではなく飛ぶカエルが登場する
「そらとぶかえる」(東君平・文 石原均・絵 1,050円)がオススメです。確かに空を飛んだのに 仲間に信じてもらえないカエルのお話。飛び方に秘密があります。
そして究極の空飛ぶカエルが登場するのが
「かようびのよる」(デイヴィッド・ウィズナー作  1,470円)
はすの葉に乗った無数のカエルが町にやってきます。リアルに描かれたカエル、映画的手法の画面構成。絵本としての出来も最高の一冊です。



評論社

「続 これがほんとの大きさ!古代の生きものたち」
スティーブ・ジェンキンズ 作
佐藤見果夢 訳
続編がでました。
ブッククラブでも人気の高い絵本です。
大きいものばかりでなく、小さなものも含めて「ほんとの大きさ」で示した大型絵本。
大型のものは部分ですが、全体の大きさを想像して楽しんでください。
イラストは貼り絵ですが、とてもリアルで素晴らしい出来上がりです。 (1,680円 5、6才〜)


福音館書店

「しゃっくり1かい 1びょうかん」
ヘイゼル・ハッチンス 作
ケイディ・マクドナルド・デントン 絵
はいじま かり 訳
こどものためのじかんのほん
1秒、1分、1時間、1日...そして絶えることのない時の流れを感覚的に教えます。語りかけるような調子の言葉が
小さな子どもたちに も時間というものを身近に感じさせてくれるでしょう。         
(1,365円 4、5才〜)


偕成社

●近刊情報

「フングリコングリ」
岡田 淳 作
10月中旬、岡田 淳さんの新刊
「フングリコングリ」―図工室のおはなし会―
が出ます。
「放課後の時間割」と対になる本ではないかと期待しています。



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