第5話
マジでしょっぱい季節
そして夏がやってきた。
ぼくは梅雨にやられたダメージを回復する間もなく、
この季節を迎えてしまった。
エアコンのないこの部屋で向かえる夏は暑い、
ただでさえ汗が流れ落ちるような暑さだ、
風がない分だけ外より部屋の中のほうが暑いのではないだろうか?
そこにきてワッキーだ!
彼は予想に応えてか、夏の暑さに便乗してパワーアップした。
脇の臭いもさることながら、彼全体から汗臭さをミックスしたような
臭いが漂ってくる。
特に彼が入った後の風呂場は、なんとも言えない臭いがまたぼくを襲う。
こんな感じで夏はやられ放題といった感じだった。
今でもテレビなどで好きな季節は夏とためらいもなく言っている人をみると
「おまえも味わえ!この臭い」と言いたくなってしまうほどだった。
そうこう言っているうちにぼくとワッキーの夏は収束していった。
夏が終わるにつれ、臭いもだんだん薄らいでく気がした。
そして夏の終わりのけじめにとぼくはワッキーの部屋をファブリーズで攻撃&
風呂場にカビキラーを放射した。
そして臭いとともにぼくの人生で一番しょっぱい季節が終了した。
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