第1話
ワッキー登場
あれは昨年のことだ、冬も終わりに近づいた頃ひとりの男が同居することになった。
彼は若く体格の良い男だった・・・。
そして彼との同居生活が始まった。
始めは礼儀正しい青年だと思っていたが、じょじょに奇妙なことが起こり始めた。
台所では朝からペペロンチーノを作り、一日中辛い匂いが台所を埋め尽くすのだ。
しかも毎日続くため、周囲に置いてあるものまで匂いが付着し始め、匂い以外にもフライパンの油があたり一面に飛んでいる。
ぼくはため息しか出なかった。
その上、台所だけではなく寝室まで唐辛子が侵入してきたため、ぼくの生活は日々戦場となっていった。
戦うためには武器がいる、そこで消臭剤&芳香剤をたくさん購入することにした。
だが、彼の攻撃はそれだけではなかった。
彼のあとにお風呂に入ると不気味な臭いが漂っているではないか!
その日はたまたまだと自分に言い聞かせて次の日、その次の日と繰り返したが臭いはキツイ
もしやと思い、ぼくは彼のいないときに、部屋に侵入し臭いを確認した。
なんと、鼻がもげるような臭いがぼくを襲い、ぼくは一瞬で撃退された。
部屋に戻りよく考え、彼は「ワキガ」だと決めた。
これからは彼のことはワッキーと呼ぼうと心のなかで誓った
ぼくの戦いはまだ始まったばかりだ。
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