第9話
機会

 見ると、その突起物はONのほうに傾いていた・・・  ジョージはその形状から何かのスイッチではないかと推測した。  軽く触ってみたところ、どうやら動きそうだ!  勢いに任せてOFFのほうに突起物を倒してみた!  一瞬イバーソンがビクッとなったがすぐに動かなくなった。  ジョージはイバーソンの目を見たが、まぶたは開いたままで固まっている  そうして再びONと書いてあるほうに突起物を倒した  イバーソンの体が揺れる、揺れは激しくなってくる。  さらに揺れは激しくなり、ついにはバタバタもがきだした。  しばらくした後にイバーソンの揺れは止まった  イバーソンはこちらを見て言った「おはようございます」  ジョージはなんでキリンにスイッチがついているのだろうか?と疑問に思ったが  考えるのが面倒で止めてしまった。  ジョージは、イバーソンを引き連れてパン屋の後片付けに励んだ。  その後、ジョージはイバーソンに店番をさせることなく平和な時間が過ぎていった  そんなある日のこと、雄牛のお客さんがやってきた  雄牛は牛乳パンを注文した、ちょうどその時奥から出てきたイバーソンと目が合った。  雄牛はイバーソンと親しそうな雰囲気で会話をしている。  気になったジョージは声を掛けた「あのう、イバーソンの知り合いですか?」  雄牛は以前の同僚ですと言ったので、ジョージはピンときた。  言われて見れば見覚えがある。  確かコグーを病院まで運んでくれた牛の救急隊員だ!  ジョージはイバーソンについて聞きたいことがあったので牛の救急隊員を引きとめた  ジョージは牛の隊員と裏でコソコソと話を聞いた  牛は話が終わると申し訳ないような表情で「もぅ」と言ったあと走って出て行った  牛の話をまとめるとイバーソンは救急用に開発されたロボットだったらしい、  だがロボットなのに要領が悪く、たまにフリーズするなどバグも多くあり使い物にならなかったので  廃棄処分をすることが決定した  そのときにイバーソンは自分が廃棄処分ではなくリストラと勘違いして  再就職先を求めて逃走したとのことだ。  そのままいれば廃棄処分として解体されていたはずだったが、こうして元気?に働いている。  ジョージはこのことを知っても、たいしたことはないだろうと考えていた。  だが実際は牛の隊員が一部嘘をついており  このことがジョージを思いもしない事態に巻き込んでいくのだった
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