第8話

 次の日からイバーソンは働き出した。  彼は基本的には真面目なキリンだった。  朝も時間道理に出勤し、ツマミ食いもしない!  このあたりはコグーとは大きな違いであり、イバーソンの長所だった。  店主のジョージもこの点については気にいっていたが、笑い声が嫌いだった。  それからしばらく経ったある日のこと、ジョージはもうそろそろイバーソンに店番を任せても  良いかと思い、店番を頼んで裏のパン工場へと向かった。  そこでジョージは15時の焼き上がりに向けて黙々とパンをこねていた。  そしてそろそろ焼きに入ろうかと思ったその時、店舗のほうから悲鳴が聞こえてきた。  慌ててジョージは店に駆け戻った。  すると、イバーソンがパンを握りしめたまま立っているではないか!  目の前には奇妙な生き物が座り込んでいる。  ジョージは悲鳴の声がイバーソンではなかったことから、この奇妙な生き物が悲鳴の主だと考えた  と同時にイバーソンに駆け寄り声をかけた「どうした大丈夫か?」  返事はない困ったジョージはイバーソンを叩いたり、つねってみたりしたが反応はない。  そのうえ握り締めたパンを取ろうと思ったのだが、物凄い力で握っているのかピクリともしない  しかたなくジョージは、奇妙な生き物から注文を聞きパンを販売した。  そして客は誰もいなくなった。  こんな不気味なイバーソンを店に置いておくわけにもいかないので、ジョージは裏に運びこむ事にした。  担いで行こうと思いイバーソンを肩に掛けたが、かなり重いそして体もゴツゴツして硬いのだ。  そこで、搬送用に使っている台車があったのでそこに乗せて店の裏まで運んだ。  裏の部屋に寝かせるときにイバーソンの背中に何か入っているように感じたので、  なんだろうと思い取り出そうとした。  だがそれは体についているかのように硬く取り出せなかった。  ジョージは一瞬ためらったがイバーソンの背中をめくった。  すると先ほどの何かは体から生えておりその上下にONとOFFと書いてあるではないか  見ると、その突起物はONのほうに傾いていた・・・
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