第6話
故障
牛の隊員は手際よくジュゴンを救急車に乗せると、ジョージも乗せて病院へと向かった
ジョージはコグーが寝ている隣で牛の隊員と世間話をした
こんな状態だが、ジョージと牛の隊員は好みの女性についての話で盛り上がった。
そんなことをしているうちに病院へと到着した。
病院の先生は悪そうな顔をしたリスの女医さんだった。
医者は「ちょっと待ってて」と言ったあとコグーとともにレントゲン室に消えた
レントゲン室では何が行なわれているのだろうとジョージが考えていると、
中からコグーらしき悲鳴が聞こえてきた。
ジョージは心配だったがじっと耐えた、なぜなら動くのが面倒だったからである。
そうしてしばらくすると医者が出てきて、「前ヒレの骨折ですね、入院が必要です」と伝えられた。
ジョージは困った顔をして「私は父親じゃないんですが」と言った
医者は当然のような顔をして「やぎからジュゴンは生まれませんからね」と
それでも仕方なくコグーを入院させる事にした
よくよく話を聞くと治るのには1ヶ月程度の期間が必要ということだった。
ジョージはお金のことも気になったが、繁盛している店の人手不足が心配だった。
そうして店をメアリーに任せてあることを思い出し病院から出ようとした、その時
ジョージは勢いよく走ってきたキリンにぶつかった。
見ると先ほどの牛の隊員と同じ服を着ていることから救急隊員であることは分かった。
キリンの隊員は何も言わず去ろうとした時、牛の隊員が駆けてきてキリンに謝るように促した。
キリンは「すみません、背が高いもので」と謝ってきたが
背が高く上からものを言われるようで変な感じがした。
ジョージはキリンに「名前は?」と聞くとキリンは「私の名前はイバーソン、よろしく」と
やっぱり上からものを言ってきた。
それでもジョージはサービス業の人間らしく
「イバーソンさん、もしよかった今度うちのパンでも食べにきてください」といった
イバーソンはメガネの奥で目をギョロっとさせて「うむっ」と答えた。
連続小説topへ