第5話
所詮
ジョージは胸騒ぎを覚えながらも電話を手に取った。
「いつもありがとうございます、パンパンです」
相手の声はつぶやくようにいった。
「間違えました、すみません」
・・・しばらく、頭が真っ白になったジョージだったが我に返った
「周囲を見てきてくれないか?メアリー」とお願いした。
メアリーは分かったと言って、店を飛び出していってしまった。
ジョージは腕を組んだまま、自分は何をするべきか考えた。
そして30分後、気がつくとジョージは寝ていた。
そこへタイミングよくメアリーが帰ってきた。
「おじさん、大変大変」というメアリーの言葉にジョージは起こされた。
よだれを拭きながらジョージは「どうしたんだい?」と答えた。
メアリーは「コグーが・・・」と言ったあと、泣きながらうずくまった。
そのあとは声にならず、指で方向を指し示したまま固まっている。
ジョージはメアリーに店番を頼んで、指先の方向へと走っていった
そしてジョージはメアリーの泣いている理由が解かった。
「こ、これは!」思わず、声が出てしまった。
見ると、コグーが倒れている
その隣には最近ジョージがコグーに買い与えた自転車が転がっている
あたりにはたくさんの野次馬が集まってきている。
野次馬の話が聞こえてくる、いろいろな話をまとめるとコグーは自転車でこけたようだ。
ジョージはコグーに近づいて話掛けたが、気を失っているようで返答はない。
そうこうしているうちに、救急車が走ってきた。
今日はホルスタイン柄の救急車だ、だからきっと牛の隊員だろうと思った。
救急車はコグーの前を通り過ぎると、そのまま走り去っていった。
違う現場で呼ばれたものらしい。
そう思ったのだが、先ほどの救急車が戻ってきて止まった。
中から降りてきたのは・・・やっぱり牛だった。
行き過ぎた件を尋ねると、向こうで赤旗が振られていたからと恥ずかしそうに言ったあとすぐに作業にかかった
牛の隊員は手際よくジュゴンを救急車に乗せると、ジョージも乗せて病院へと向かった
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