第4話
逆転
ジョージは『デブ汁』の臭いにやられて、窓を開けた
そしてそのまま気を失ってしまった
1時間後、ジョージは寒くなって目を覚ました
臭いはほとんど消えているようだ、やはり換気が効果的だったのだ
隣を見るとコグーが寝ている・・・はずだった!
ジョージは、はっとしてパン売り場に向った
ジョージの勘は当たっていた、ジュゴンがパンを食い漁っているではないか!
コグーもこちらの視線に気づいたようで目が合った。
が、そのまま無視された
ジョージは「勝手に食べちゃだめだよ」とやさしく注意した
が、またまた無視された
ジョージは「食べるの止めなさい」と怒鳴った
今度はコグーもピクッっと反応した
一応「ごめんなさい」と謝ってきた。
ジョージはコグーに「食べた分は働いてもらうよ」といってコグーを店で働かせることになった
次の日から、コグーは働く事になった
仕事は芸をして客を集めることだった。
だが、何をやっても失敗ばかりでうまく行かなかった。
ある日、ジョージが自転車を貸してくれた。
コグーは初めて自転車に乗った、今まで食べることしか興味がなかったがこれも楽しい物だと思った。
またジュゴンが前ヒレ、後ヒレを器用に使って自転車に乗る姿はたちまち評判になり
パン屋もさらに繁盛することになった
そして、メアリーがその評判を聞きつけて店にやってきた。
メアリーは「例のジュゴンはまだ来てないの?」とジョージに聞いた。
ジョージは「よく寝坊するからねぇ、またいつものじゃなかな」と答えた。
しかし待っても待ってもコグーは現れない・・・
さすがのジョージも心配になってコグーの携帯電話にかけてみた。
予想通り電話は留守電になってしまった。
メアリーも心配になった様子であたりをウロウロしている。
そんなとき、不意に店の電話が鳴り響いた。
ジョージは胸騒ぎを覚えながらも電話を手に取った。
「いつもありがとうございます、パンパンです」
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