第3話
天国

 コグーは抵抗することなく、会話の途中で眠りについた・・・  ジョージはコグーを見て微笑んだ  そして「おいおい、こんなところで寝ると踏まれるぞ!」と言ったあと、コグーを奥の部屋に運んだ  コグーは何も気づかず幸せそうな顔をして眠っている  ジョージはそっとコグーに毛布をかけた  そしてふと思った、この毛布の毛は何の毛だろうか?と  程なくすると店のほうで声がした、どうやらお客が来たようだ  コグーを寝かせたまま、ジョージは店に出て行った。  「いらっしゃーい」・・・  店に現れたのは、先ほど帰ったはずのメアリーだった  メアリーは息を切らせて言った「おじさん、この辺でジュゴンを見かけなかった?」  ジョージはコグーのことだろうと思ったが「知らないよ」と嘘をついた。  メアリーは心配そうな顔をして走って出て行ってしまった。  そしてジョージはニヤリと笑って奥の部屋に移動した。  まるまる太ったジュゴンを見て、ジョージはどうしたものかと考えた。  食うか、毛皮にするか、売るかどうしようっと  だがジョージはひらめいた  こいつを育てて芸をさせよう!そうしてパン屋の看板ジュゴンとして売り出そう!  そう考えたジョージはすぐに行動に移った  まず、コグーにビンタを食らわし起こすことにした。  ジョージは10発程度叩いたのだがコグーはまったく起きない  やはり体中を覆っている脂肪のせいだろう  ちょっと経つと体から汁が出てきた、臭いも強い  これはきっと『デブ汁』に違いない
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