第4話
夜はこれから

 ぼくは騒音に耐えながら待った。  だが、待っても待っても風呂を止める気配がない  とりあえず料理は出来上がったようで静かになった。  おっさんの部屋からテレビの大きな音が聞こえてくる。  どの番組を見ているかがすぐわかる、同じチャンネルに合わせてみた。  ついでにテレビの音をミュートにしてみた。  おっさんのテレビの音で普通にテレビが見れるようだ。  こんなことをしている場合ではない、風呂に入らねば  お湯はどうなっているのかと見に行くと、お湯が溢れているではないか!  しかもずいぶん時間が経ったのか、湯船じゃないところもおけがプカプカ浮かんでいる。  はぁー、っとため息をつきながらおっさんの部屋を睨んで考えた。  そして結論が出た!  このままではいつ風呂に入れるか分からないので、先に入ってしまおう!  そう決めた。  そして風呂に入った。  ただし、湯船にはつからないようにして。  ぼくはそこで、珍しいものを見た。  おっさんのシャンプーなのだが、30円のシールが貼ってあった。  試しに壁に吹き付けてみた。  変な臭いがする。  こんなシャンプーを使っているのかと関心しながら風呂から上がった。
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