第10話
別れの時

 そして、そのついでにおっさんがうるさいとの旨を管理者に言った。  数日後、管理者からおっさんへの連絡があったようで静かになった。  ただし、静かなのは数えるほどの日数しかなかったが・・・。  そして一月が過ぎた。  家に帰るとおっさんのデブッチョな体がもぞもぞと動いていた。  そう、珍しく早く帰ってきたようだった。  ぼくはどうでも良かったがおっさんに声をかけてみた。  するとおっさんは仕事の都合でここを出て引っ越すというのだ、  今日はその為に早く帰ってきたようだった。  ぼくはかなり嬉しかったが、出来るだけ残念そうな顔をして  「寂しくなるね」と言ってみた。  おっさんは適当に言葉を濁してもぞもぞした。  それから実際におっさんが出て行くまではあっという間だった。  そしておっさんは消えた。  おっさんは何もくれなかったが、想像どおり汚れたままの部屋と  大量のゴミは残していってくれた。  そして、家には平和が訪れた。  奴が来るまでは・・・。  1ヵ月後一人の男がやってきた。  そうその男は「ワッキー」だ!  <ぼくとおっさん 完>
連続小説topへ