第1話
おっさん発見
ワッキーとの出会いより半年前、ぼくとおっさんとの戦いは始まった。
おっさんは大きかった、そして丸かった。
初めて会ったとき、おっさんはニコニコしながら挨拶してくれた。
そして次の日もその次の日も、嘘っぽい笑顔でぼくを迎えてくれた。
彼は変わった人だった。
そして家では必ず自炊をする人だった。
その上、お昼の弁当も自分で作って行く人だった。
今になって思えばあれは人だったのか?という気もするが、そのときは本当に大変だったのだ!
それでは、ぼくとおっさんとの一日を紹介しよう
おっさんの弁当を作る音でぼくは起こされる。
ただ弁当を作っているだけなのかも知れないが、彼のずんぐりむっくりした大きな体と雑な作業で
まるで工事をやっているかのような音が聞こえる。
ぼくの部屋は台所とふすま一枚で隔てられているだけなので、かなりうるさい!
しかも中華鍋のようなものを使っているようで鉄がカランカランと大きな音をたて何かを作っている。
普通にテレビをつけてる音より大きな音が耳元まで響く
そして不愉快な目覚め!
まだ一日はこれからである。
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