◎ワッキー大暴れ◎

 ワッキーと戦い始めて一ヶ月以上が経過した。 

 始めはぼくの方が消臭剤と芳香剤を駆使して有利に事を進めていたが、
 臭いというものは大きく私の前に立ちはだかった。
 そして、とうとう自分の陣営(6畳)を守るだけで必死の状況にまで追い込まれてしまった。
 だが彼の攻撃は一筋縄の臭いではなかった。

 ぼくが彼とペペロンチーノの臭いに対して抵抗している隙に、もう一段攻撃力をアップさせてきた。
 以前に彼はよくペペロンチーノを作って食べていると言ったが、それだけではなかった。
 なんとカルボナーラっぽいの料理も作っているではないか。
 いまいち臭いはペペロンチーノと差異がないような気がする。
 たぶん麺の形が同じせいだろう(なわけない)

 しかし、異なっているものもある
 それは具が少ないペペロンチーノに比べてカルボナーラは材料がたくさん必要だ。
 つまりそれは、卵の殻を始めとする生ゴミがたくさん出ることを意味するのだ!

 でもってその生ゴミがどうなるかというと・・・
 放置。。。
 ひたすら放置。。。
 さすがはワッキー臭いがそろそろ出てきたなぁ・・・
 それでも。。。放置
 ・・・
 ・・・・・・
 ・・・・・・・・・
 ・・・・・・・・・・・・バカヤロー!

 もう限界!ってくらい臭いが激しくなってきて、
 ワッキーに「ゴミ捨てろー!!!」って
 言おうと思ったのだが、ワッキーになかなか会わない

 わざとか?
 
 だがぼくはワッキーにこのことを言う前に我慢できなくなって自分でゴミを捨てた。
 かわいそうなぼく、哀れな自分、そして馬鹿なワッキー!
 
 だが、次の日ゴミを片付けたはずの3角コーナーにゴミがあった
 あったよ♪、あったよ♪、ゴミがあったよーーー(怒)

 あとから思ったのだが、このときワッキーは『生ゴミは誰かが捨ててくれる』
 そう思ったのではなかろうか?
 いや、たぶんそうだ、そうに決まっているのだ。
 なにせ奴はワッキーだからだ!

 哀れなぼくもこのままやられているわけには行かなくなった。
 彼を撃破するため攻撃に転じることにした。
 そして、新たなる武器を手に入れるため向かった先は「スギ薬局」だった。

 「スギ薬局」に向かったぼくはあるものを探した。
 
 そうそれは「ファブリーズ」だ。
 ぼくは目的のものを見つけ、早速購入した。
 ちなみにぼくが買ったタイプは無香タイプだ。
 微香タイプと迷ったのだが、臭いが交じり合って大変なことにならないとも限らないからだ!

 そしてぼくは家に帰り早速試し撃ち・・・をすることにした。
 とりあえず、自分の領地の付近から攻めた。
 使ってすぐは臭いが消えたと思って喜んでいたのだが、ファブリーズの液が乾いてくるころには
 再び臭いが漂ってくる

 さすがはワッキー!

 ファブリーズごときで簡単に倒れる奴じゃない
 だがぼくも諦めている場合ではない。

 ぼくもマイパートナー「ファブ君」の液がなくなるまで力をあわせて頑張ろうじゃないか!
 とりあえず、台所周辺から攻めた。 
 そして次に玄関、洗面所、お風呂を片っ端からファブリーズでべたべたにした。 

 そして、一番臭いがキツイであろうワッキーの巣へ・・・

 行こうとしたらなにやら物音、どうやらワッキーは巣の中にいるようだ!
 ぼくはありの巣コロリみたいなイメージでワッキーごとイチコロにしたいと思ったのだが
 アンパンマンのような勇気がないぼくは挫折した。
 
 再び別の機会にと心に誓って

 そして何度かの生ゴミとの戦い、ファブ君との共同戦線のあとにそれはやってきた

 ワッキーが出かけていなーい、そしてぼくがここにいる。 
 ぼくは決死の覚悟で彼の部屋に潜入することにした。
 今ではもうかけがえのないパートナーとなったファブ君を連れて!
 もちろん鼻もつまんで。

 そして部屋に潜入するなり一気にファブ君を解き放った。
 布団がある・・・これは臭いがしそうだ
 もちろんファブ君!
 壁がある・・・これも臭うだろう
 ファブ君、出番だ
 パソコンもある・・臭いそうだ
 やっちゃえ、ファブ君
 あとで何か言われたら、ファブ君が勝手にやったことにしよう。
 ついでにテレビもだ、行けファブ君

 多少、電気系統のものがあるが気にしないことにしてベタベタにした。
 ぼくは満足した、ワッキーも喜んでくれただろう。

 気のせいか臭いも多少消えたような感じがした。 
 そしてほんのり平和な日々が訪れた。

 ワッキーはなにも言ってこないところをみると、
 たぶんパソコンとかテレビはそれなりには動いてるに違いない