Metabolic Syndrome

平成16年 国民健康・栄養調査結果の概要〜メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況


メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の状況について:
メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者と予備群と考えられる者を併せた割合は、男女とも40歳以上で特に高い.
・男性では30歳代の約20%から40歳代で40%以上
・女性では30歳代の約3%から40歳代で10%以上
40〜74歳では、男性の2人に1人、女性の5人に1人が、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者又は予備群と考えられる.
・40〜74歳でみると、強く疑われる者の割合は、男性25.7%、女性10.0%
・予備群と考えられる者の割合は、男性26.0%、女性9.6%
(参考)40〜74歳におけるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群):
各年代のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)が強く疑われる者と予備群と考えられる者について、平成16年10月1日現在推計の男女別、年齢階級別の40-74歳人口(全体約5,700万人中)を用い、有病者、予備群として推計したところ、40〜74歳におけるメタボリックシンドロームの有病者数は約940万人、予備群者数は約1,020万人、併せて約1,960万人と推定される
腹囲が男性85cm、女性90cm以上の者は、血中脂質、血圧、血糖のいずれかのリスクを2つ以上有する割合が高い.
生活習慣の状況について:
運動習慣のある者の割合が低いのは、男性20〜50歳代、女性20〜40歳代.年次推移をみると、単年ではばらつきがあるものの、経年的な傾向としては男女とも総数ではほぼ横ばいであり、比較的若い年齢層で低い傾向が続いている.

朝食の欠食率は、平成11年以降、全体的に男女とも増加しており、特に男女とも20歳代で最も高く、男性で約3割、女性で約2割であり、20歳代の一人世帯に限った場合は、男性で約7割、女性で約3割であった.

脂肪からのエネルギー摂取が25%を超えている者の割合は、成人で男性約4割、女性約5割.
解説
メタボリックシンドローム(メタボリック症候群)」とは:生活習慣病(いわゆる成人病)である「糖尿病」「高血圧症」「高脂血症」は、それだけでもコントロールの難しい病気で、動脈硬化の促進因子とされているのはご承知のとおりです.結果として「心筋梗塞」や「脳梗塞」などを惹起こすのであるが、これらの病気を発症しないまでも、糖代謝や脂質代謝などの様々な代謝が正常を越えた病態が重複すると、同様に成人病を惹起する.この状態を「メタボリックシンドローム(Metabolic Syndrome)」と呼ぶことにした.

日本では高血圧の人が約3300万人、高脂血症が約2500万人、糖尿病が約740万人(予備軍を含めると約1620万人)いると推測されています.これらのデータから推測すると、成人男性の約2割がメタボリックシンドロームともいわれています(女性はやや少ないと思われます).40〜74歳におけるメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)は、有病者数は約940万人、予備群者数は約1,020万人、併せて約1,960万人という数字がはじき出されたのです.WHO(世界保健機関)によれば、メタボリックシンドロームは、先進国を中心に増加傾向で、米国では実に成人の4人に1人が該当するという.食生活が欧米化した日本も、警告が発せられた訳です.
診断:
メタボリックシンドロームの条件は、内臓に脂肪が蓄積すること.これを確認するのはCTがベストであるが、下記で代用する.内臓脂肪蓄積:ウエスト周囲径男性 85cm以上、女性 90cm以上(内臓脂肪面積100平方cm以上に相当)が必要条件.その他の因子を加味すると、
血圧高値 血清脂質異常 高血糖
・最高(収縮期)血圧130mmHg以上
or
・最低(拡張期)血圧85mmHg以上
・HDLコレステロール値40mg/dL未満
or
・トリグリセリド値150mg/dL以上
・空腹時血糖値110mg/dL以上
or
・ヘモグロビンA1c 5.5%以上
上記の3項目の2基準のうち、2項目以上が当てはまるようならばメタボリックシンドローム.1項目なら予備群とする.
※WHO(世界保健機関)と米国コレステロール教育プログラム(NCEP)によるメタボリックシンドローム診断基準、日本肥満学会1999年ガイドラインなどの条件を加え2基準とした.
* 厚生労働省報道発表;問合[健康局総務課生活習慣病対策室発:03-5253-1111(内線2075,2345)