財政
国が行う経済活動のことである.政府は財政の内容を決定する際に、景気対策などの政策を反映させている.この政策を財政政策という.
国家財政は収入の見込みと、使い途の予算を立てて行う.国家規模のお金の出し入れなので、日本の社会全体の経済活動に与える影響は小さくない.そのため、政府は次年度の予算を立てる際に、その時点での日本の経済状況を把握し、対策の必要性があれば、その対策を盛り込んだ予算を立てる.

歳入と歳出
国家財政の年間収入のことを「歳入」といい、年間支出のことを「歳出」という.
国家財政のうち収入見込みにあたる部分を「一般会計」といい、毎年1月に招集される通常国会で「来年度予算案」として審議される.
国家事業を行う財源としては、この一般会計の他に「特別会計」「財政投融資」と呼ばれるものがある

財政政策の例
一般会計の財政政策は次のようになる.
不況時の景気刺激策の例としては、歳入では減税、歳出では公共事業の拡大など民間の経済活動を刺激する配分を行い、財源不足となる場合には、国債の発行で収支を合わせる.景気過熱時の抑制策の例としては、歳入では減税の中止や、ある部分の税金の増税.
好景気時は、税収入が自然増となり、さらに景気を過熱させるような歳出は控えるので、国債の発行を少なくするかまたは中止し、予算全体を控えめとする.歳出では、拡大した公共事業を通常の状態に戻す.景気を抑制したいといっても、歳出を歳入より少なくすることは原則的になく、公共事業投資にあてる額を減らした分は、他の使途(景気をこれ以上過熱させないような配分)にあてられる.

特別会計
「特定の財源を特定の使途にあてる」形で運営され、「道路整備特別会計」「食料管理特別会計」「保険特別会計」などがありますが、それぞれは使い途が決められておりその管理もそれぞれの所轄官庁に任されているので、政府の財政政策というより各省庁の意向が反映したものとなっている.

財政投融資
郵便貯金や国民年金・厚生年金など国の制度と信用で集められた資金が財源となっている場合を区別した呼称.国民が郵便局に貯金したお金や、国民年金で支払った保険料などでが財源となっているので、いわば国民が国に預けたお金で勝手に使ってよい財源ではない.それを「使うではなく、融資する」という言葉を用いることで運用している.融資先は86の特殊法人、多くの公益法人などの団体で使途が国民生活をより良くするためのものに限られるというのが建前.管理は財務省と関係省庁だが、融資先の運用成績の低下は深刻な問題.