風邪の症状とその対策

●発熱

微熱 37.9℃以下 有熱持続期間が重要
中等熱 中間 原因不明熱が含まれる.38.6度以上は重症感が出現.
高熱 39.0度以上 特に熱型は重要!

*個人の平熱を加味した基準ではありません.厳密な基準ではありませんし、重症度も一致しません.
 原因不明熱は精密検査が必要です.原因は圧倒的に感染症が多い.感染症の発熱は熱の経過に注意.
 高熱に関して下記が疑われます.

いきなりの高熱 冬であればインフルエンザ.
3-4日後に高熱 マイコプラズマ肺炎.
7日以上経ってからの高熱 徐々に高熱になると細菌性の肺炎
二相性の熱 小児で麻疹に特徴的.後半の発熱と共に発疹が出現する.

*3ヶ月未満の乳児の発熱は注意が必要です.程度に関わらず、元気がないようなら小児科を受診してください.

●咳

急性の咳 3週間以内 一般の呼吸器感染症
亜急性 3-8週間 感染遺残性咳、未治療枚コプラズマ、喘息、後鼻漏の場合
慢性の咳 2ヶ月以上持続 慢性気管支炎.気管支拡張症.肺結核.副鼻腔炎

*痰が絡むか否か?咳のピークはどの時間帯にあたるか?呼吸困難は?等が重要なポイント.

湿性咳 着色の有無と性状 上気道炎、肺炎.夜間の泡沫状の痰は心臓性です.
乾性咳 間質性肺炎

●頭痛●咽頭痛●鼻汁●関節痛・筋肉痛の随伴症状をともなう.

インフルエンザ--インフルエンザウイルスにの飛沫感染による.呼吸器感染症せす.Aソ連型・A香港型・B型の3種類が
毎年流行する.予防注射の効果は2回接種で80%前後.接種後感染に対しての症状軽減効果もある.
項目 インフルエンザ かぜ
発熱様式 突然の高熱 緩徐
重症度 39度以上高度発熱 軽度発熱
悪寒 強い 弱い
随伴症状 頭痛・関節痛・筋肉痛主体 鼻汁・咽頭痛・咳
眼症状 結膜充血 なし
合併症 気管支炎・肺炎・脳症 少ない・時に髄膜炎

*小児の発熱で一番安全な薬はアセトアミノフェンです.中等度以上の発熱の時に頓用するのが良い.多くの剤型がある.
**インフルエンザ用の薬としては、アマンタジン4mg/kg/日(最大100mg/日:シンメトリル).ザナビル4mg/kg/日(最大150mg/日:タミフル)

◎バイタルサインから見た重症度---2つ以上の所見があれば決定.*検査項目

軽症 中等症 重症
体温 37.5℃以下 38.6℃以上
脈拍 100/分以下 130/分以上
呼吸 20回/分未満 30回/分以上
脱水 なし あり
CRP* 10mg/dl未満 20mg/dl以上
SpO2* 90%以下
白血球 2万以上,4000以下

●治療安静・保温・水分補給に尽きる.インフルエンザには抗ウイルス薬があるが、一般の風邪は対症療法です.熱は下げ過ぎないように!