近藤誠氏の著「成人病の真実」第六・七章を読んで
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第六章 インフルエンザ脳症は薬害だった→日本で報告されるインフルエンザ脳症の盲点を突いているが、解析不足! 幼児(おもに4才以下)に発症する脳炎・脳症ですが、年長児もかかります.掲載のとおりです.高熱、頭痛、意識障害、痙攣、嘔吐が主症状です.大部分の症例は、発病後2日以内に発症し死亡率は20%以上、神経後遺症を残して治癒したもの27%という重篤な合併症です.脳炎とは、中枢神経系よりウイルスゲノムが検出されたり、炎症所見があった場合をさし、中枢神経症状はあるが、これらの所見が見あたらない場合を脳症と呼ぶようです.4つに分類されています.(1)Reye症候群:アスピリンとの因果関係が証明された脳症です.低血糖、高アンモニア血症を伴います.急性のミトコンドリアの機能不全が見られ、肝臓に脂肪沈着を認めます.罹患年齢は、4〜6才であり、他のインフルエンザ脳症より年長児に多いと言えます.検査所見では、GOT、GPT、LDH等の上昇、血小板の低下を認め、これらの程度の強い者は、予後がよくありません.(2)小児急性壊死性脳炎:乳幼児に好発する脳症です.脳の多発性の浮腫性壊死性病変が、視床、内包、橋等に左右対称に見られます.(3)出血性ショック脳症症候群(4)ウイルス性脳炎・脳症.2)が最も臨床と画像が合致します.インフルエンザ脳炎、脳症の奇妙なところは、Reye症候群を除いて、日本でしか報告されていません.日本人と人種的に近い香港でも報告はありません.インフルエンザウイルスそのものが、このように急速に中枢神経障害を起こすとは考えられず、嗅神経、嗅球、辺縁系を介したグリア細胞の活性化が、中枢神経系内の高サイトカイン状態を招き脳症を起こすのではないかとも考えられています.その原因がアスピリンやメフェナム酸、ジフロフェナクNa等の解熱剤が惹き起こすReye症候群かもしれません.また、血管内皮細胞障害によると思われる血栓がみられ、血液検査にて凝固系に異常を示す(3)は予後が悪い.インフルエンザ脳症が、HHV-6脳症と類似点が多いことから、インフルエンザウイルスとの混合感染やインフルエンザウイルス感染を契機としたHHV-6の再活性化が脳症の原因となっている可能性が示されました(4)(2002年、菅谷).HHV-6は、突発性発疹の原因ウイルスとして知られています.このウイルスは、初感染時に突発性発疹を起こした後、体内に潜伏感染をします.潜伏感染は、唾液腺、単球、マクロファージ等にて起こることが知られています.潜伏感染には、IE1、IE2という特殊蛋白が必要であり、通常はこの蛋白は免疫寛容により保護されていますが、何らかの理由で免疫寛容が破綻すると機能低下し、病原性を発揮するという説があります.HHV-6は、突発性発疹の際に高率に中枢神経系に移行することが知られており、脳内にも潜伏感染するようです.マクロファージに潜伏感染すること、マクロファージは脳血液関門を通過すること、ミクログリアはマクロファージ起源であること等は、HHV-6が中枢神経系疾患に関与する印象を与えます.もう一つ、tss毒素の関与もとりだだされております.つまりブドウ球菌毒素によるtoxic shock symdromeです.脳症発生は、以前は年間100例ほどありましたが、2003年の時点では、数十例に減少している.解熱鎮痛薬を禁止したことが大きいといわざるを得ない. |
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第七章 インフルエンザワクチンを疑え→掲載論文の評価が変である! 学童に対するインフルエンザワクチンの歴史は、1948/49任意接種、1962勧奨接種、1976接種義務、1994任意接種となっている.1992にインフルエンザ予防接種被害集団訴訟で国が敗訴したことが、任意接種になった大きな理由といいます.又、世界でインフルエンザワクチンが義務接種の国はありません.ランセットの73/79の論文(私は要約のみ確認)では、ワクチンは流行株を予想して作られるけれども当たらなければ有効ではないことが判明.累積予防効果もなさそうだけれども、過去の予測の株の感染がないのでこれは不明でしょう.副作用における前橋市医師会の論文は、診断基準と地域比較対照に問題があり信頼性にかけワクチンが無効とはいい難いが、ワクチンの副作用の警鐘を喚起しています.問題は60歳以上を対象としたオランダのくじ引き試験!残念ながら要約しか手に入らないのですが、近藤氏の数字が違っている!確かに発症率は少ないがプラセボ群12%、ワクチン群6%である(臨床的にインフルエンザである人と血清学的に確認された%.自己申告は含まれず).これだと100人に対して6人の予防効果になるが、発症率からみれば1991/92はインフルエンザが流行しなかったものと思われますのでなんとも言いがたい.その後の論議もありますが数字を確認してからにしたいと思います.このオランダの文献では抗体獲得率も研究されており接種3週間後の抗体獲得率は43-68%となっております.一度形成された抗体で終生免疫を得られるようですが(IgG抗体)、ウイルスの方が変異してしまうので毎年接種が必要になります.ワクチンの予防効果はIgG抗体によるので、感染防止作用(IgA抗体が担当)は弱く、重症化予防には効果があるといわれています. ワクチンが、インフルエンザ脳症を防ぐかどうかはわかりません.2000年は、202例のインフルエンザ脳症が報告され、そのうち3人がワクチン接種者であることが判明しています(3人のうち2人が死亡).なので、ワクチンを打てば大丈夫とは言えません.Reye症候群を防ぐには解熱鎮痛剤の使用を控えることでしょう.さて、日本では1994年から学童へのインフルエンザワクチン接種が減りました.その結果インフルエンザと肺炎による死亡率が再上昇したという報告がなされています.NEJM,344:889,2001Mar22.420名の接種につき死亡1例を救う事ができるとの報告となっています. |
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私の結論: インフルエンザワクチンは有効である.医師はワクチン接種に際して、厳格な注意義務を果たすべきである.ワクチンの有効期限は5ヶ月.9歳以上は1回接種でも充分効果がある.インフルエンザ脳症に有効かどうかは不明です. |
