イタリア ヴェネト州 NO.14
1. ヴァッレ・ダオスタ州(アオスタ)
2. ロンバルディーア州(ミラノ)
3. ピエモンテ州(トリノ)
4. リグーリア州 (ジェノヴァ)
5. トスカーナ州(フィレンツェ)
6. ウンブリア州(ペルージャ)
7. ラツィオ州 (ローマ)
8. カンパーニア州(ナポリ)
9. カラーブリア州(レッジョ・カラブリア)
10. サルデーニャ州(カリアリ)
11. シチリア州(パレルモ)

ワイン生産地区)
ヴェネト州は、面積18,364ku、 人口 約445万人、行政区7県、州都 ヴェネツィア(ヴェニス).ヨーロッパ気候区でピエモンテ州に似る.アドリア海に面し、北部はその先端が2つの州間に分け入りオーストリア接する.西はロンバルディ-ア州、南はポー川を挟んでエミリア-ロマーニャと接する.大小の川がベネチア湾注ぐから日本地図を145度時計軸回転し緯度を合わせれば富山県に相当.無論ヴェニスのような水郷は無い.ヴェニスは7世紀には共和制が出来上がっており、経済的力を大いに発展させており、14世紀から15世紀には東側から共和国の一部としてまとまりながら一時は地中海沿岸を制する大国となった.その後、中継貿易の拠点としての地位は弱まっていったものの、数々の芸術、科学に大きく貢献した.ヴェネツィアを中心とした一帯はローマやフィレンツェと肩を並べる観光地域.1000年に渡る貿易を中心とした世界との関わりからもたらされた文化的遺産は数え切れない.ヴェネチアングラスが有名.
ヴェネチアの北側アルプス山脈の南裾野と、ガルタ湖の東ヴェローナ市の周辺でブドウの栽培が盛んで数種のDOCワインが造られている.ソアーヴェ、ヴァルポリチェッラ、バルドリーノが有名.仏ソーテルヌ同様、甘口ワインのアマローネ、レチョートも造られる.そして、赤・白・ロゼのワイン以外にグラッパ (グラッパ:ワイン醸造の際に残ったものを発酵させ蒸留したもの)も造られている.
ソアーヴェ ガルガネーガ種、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ種から造られるナッツ風味の白ワインである.その70%は、ワイン商によりブレンドされ、濃くの無い大衆的な早飲みタイプとなっている.このブドウは1968年に定められた、粘土質平野の畑(ソアーヴェ)から大量に栽培されたブドウが原料である.1927年に定められた火山性土壌の畑をクラシコといい、残りの30%が良心的な協同組合の生産による.品質はやや良い.1992年からはシャルドネを30%加えることが出来るようになった.しかし、これに満足せずIGTワインで品質にこだわる醸造家が現れるようになったが、イタリアでは其処かしこで見られる現象である.
ヴァルポリチェッラ コルヴィナ種から造られる赤ワイン.比較的軽くフルーティーで、幾分アーモンドの風味を持つ赤ワインになります.アルコール度数も11%程度のものが多く、これも早飲みタイプ.最近はレチョットを加えた濃厚なワインも造リ始めている.
バルドリーノ コルヴィナ種から造られる赤とロゼワイン.
アマローネ 遅摘みしたブトウを乾燥させ、糖分風味を凝縮してから発酵させて造る辛口ワイン.アルコール度数16%くらいになる.
レチョート こちらは、陰干したブドウを使って糖分を高めたワイン.アルコール度数14%.ソアーヴェを使えば、レチョート・ディ・ソアヴェと命名される.
[最近飲んだベネト]
・アンセルミ:カピテル・クローチェ2002はガルガネーガ種100%の辛口白ワイン.黄金色の濃縮されたフルーティな味わい.僕にはやや甘く感じられる★.フォスカリーノはガルガネラ80%、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェとシャルドネ各10%であるので、此方の方がすっきりする★☆.いずれも、いわゆるソアーヴェの味ではない.
ロベルト・アンセルミ
トスカーナ的に言えば、スーパーソアーヴェということになるでしょう.それまでは単なるブドウ栽培家で、協同組合におろしていたが1974にワイナリーを創った.ソオアーヴェの品質向上とは、質の高いブドウを造ることであったが周囲はそれを認めなかった.ソアーヴェDOC脱退は1999年.ワイン品質にこだわった結果であるという.ブドウの栽培もソアーヴェに多い棚式栽培ではなく、垣根方式に変更している.ワイン名は「カピテル+畑名」となっている.ソアーヴェ・クラッシコ、カピテル・クローチェと同フォスカリーノ、レチョートを造っている.同じ地区で高品質のワインを造っているのは、ピエロパン家.