イタリア トスカーナ州 NO.5 | |||||||||
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1. ヴァッレ・ダオスタ州(アオスタ) 2. ロンバルディーア州(ミラノ) 3. ピエモンテ州(トリノ) 4. リグーリア州 (ジェノヴァ) 5. トスカーナ州(フィレンツェ) 6. ウンブリア州(ペルージャ) 7. ラツィオ州 (ローマ) 8. カンパーニア州(ナポリ) 9. カラーブリア州(レッジョ・カラブリア) 10. サルデーニャ州(カリアリ) 11. シチリア州(パレルモ) |
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![]() *キャンティDOCGのクラシコと他区 ![]() *キャンティー・クラシコ内の区画 |
トスカーナ州は面積22,992ku 、人口約352万人.行政区10県.州都フィレンツェFirenze.地中海式気候区つまり南仏と同じ気候である.半島部ではピエモンテ州、ロンバルディア州に続き3番目に大きい.ナポレオンが幽閉されたエルバ島の浮かぶティレニア海に面
している. 歴史的には紀元前8世紀のエトルリア文明などの太古へと遡るが、この地域がイタリア半島においてその政治的、文化的な重要性をアピールしたのはいわゆる都市国家の時代からである.メディチ家Famiglia
Mediciを擁するフィレンツェFirenzeやシエナSiena、ルッカLucca、ピサPisaなどはその代表である.ワイナリーはブドウとオリーブに囲まれた屋敷である.丘陵といえばブドウ畑か糸杉のある風景かということである.キャンティー他、ブルネロ・ディ・モンタルチーノ、ヴィノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ、カルミニャーノの赤ワインの他に、ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジャミニャーノの白ワインを含む6つのD.O.C.Gが認められている.
・フェライオーロIGT(ジェオグラフィコ):サンジョベーゼ、カベルネ★☆ ・モドュスIGT(ルフィーノ):サンジョベーゼ、カベルネ、メルロー★★ いずれも早く飲めるフルボディでボルドータイプである. |
テヌータ・サン・グイード(ボルゲリ地区) | |||||||||
・ | スーパートスカーナと呼ばれる赤ワインの第1号、サッシカイアを造り出したのが、ボルゲ リ地区にあるテヌータ・サン・グイードの畑.1968年が創立年とされていますが、初代オー
ナーのマリオ・インチーザ・デッラ・ロケッタ侯爵が、競馬仲間のCH.ラフィット・ロートシルトのロスチャイルド氏にカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランの苗木をもらい、ボルリゲの地に植えたのが始まりです. 1944年から実験を始め、最初は自家用.できても満足するには程遠うかった. それが名声を得るに至ったのは、甥のアン ティノリ社の当主ピエロ・アンティノリと名醸造家ジャコモ・タキス、ボルドーのエミール ・ペイノー教授らにより、フランス産の小樽で熟成させてみることでした.これにより、ボルドーから持ち込まれたカベルネが花開くこととなったり、またたく間に現在の地位を築き上げました. スーパータスカン(ワインスペクターの造語?)の先駆けとなったことは言うまでもなく、その功績から1994年には異例の単独ワイナリーのアペラシオンである「DOCボルゲリ−サッシカイア」を認められています.83年からは、息子のニコロがオーナー.世界的に需要が高く、各国へは割り当てになっているという.黒に近いガーネット色、豊かな果実香と凝縮度の高い味わい.カべルネソーヴィニヨン88%・カベルネ・フラン12% . 「サッシカイア」「オルネライア」「グラタマッコ」は3大ボルゲリといわれている. |
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* | 2000年ヴィンテージから新しく、テヌータ・サン・グイドの隣に位置する畑で取れたぶどうを使った「グイダルベルト」も造られるようになりました.このワインはニコロ・インチーザー侯爵と「ソレンゴ」で知られるアルジャーノでマネージャーを努めたセバスティアーノ・ロサ氏の二人が協力して造り上げました.カベルネ・ソーヴィニョンをベースにメルロー、サンジョヴェーゼをブレンドしています.ワインはステンレスタンクで醸造され、「サッシカイア」で使用した樽を使って熟成されています.19世紀にボルゲリの地を開拓した彼らの祖先グイド・アルベルト・デッラ・グラルデスカ伯爵にちなんで、「グイダルベルト」と名付けられたそうです.ファーストヴィンテージの2000年は僅か5000ケースのみの生産となっています.ワインの他にもグラッパやオリーヴオイルなどもある. | ||||||||
テヌータ・デル・オルネライア(ボルゲリ地区) | |||||||||
・ | 1970年代後半、名家アンティノリ家の次男坊ロドヴィーコ・アンティノリ侯爵(ピエロの兄)は、自らのワインプロジェクトを、トスカーナ地方チレニア海寄りのボルゲリ地区(母親の所有地)で起こした.彼のプロジェクトは、親戚筋のサッシカイアを目標としたのである.この地は、トネリコの木(オルネッロ)がたくさん(アイア)生えていたのでドメーヌ名を「オルネライア」と名付けたという.1981年設立し、1988年からワインを出荷.オルネッライア社の歴史は、ロドヴィーコ侯爵とカリフォルニアワインの父、アンドレ・チェリチェフの出会いによる.醸造責任者は、ティボール・ガル.アヴァンギャルドな栽培方法と醸造方法を屈指したオルネライア社の最高品質のワインは、自社畑で栽培されるブドウ(カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、ソーヴィニヨン・ブラン)のみを用いた3種類の赤ワインと1種類の白ワイン、またそれらの自社畑からブドウにボルゲリ地区の農家から購入したブドウを加えて造られるセカンドラベルのワインが赤白1種類ずつ生産されています.どのワインもその品質の高さとエレガントさで世界中から絶賛されている.オリーヴ・オイル・グラッパなども手掛けている. ・マッセト(メルロー種100%) ・オルネライア(カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー):1994.ウーン、ピークを過ぎたか!CSの良い面がマスクされているように思えた. ・レ・ヴォルト ・レ・セッレ・ヌオヴェ:オルネライアのセカンドワイン.オルネライアの畑から区画ごとに手摘みされた葡萄を品種ごとにバリックで熟成させ (この段階ではオルネライアとの区別はないそうです) 12ヵ月経過した時点で樽ごとの味をチェックし選別されます.その後、アッサンブラージュして更に6ヶ月間の樽熟成、 6ヵ月の瓶熟成をされて出荷されています.以前は、全てのワインがオルネライアになっていましたが、品質の向上を図る為に約20万本であった生産量を約13万本に絞り、約7万本をセカンドとした.1997年、誕生. |
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アンティノーリ社(フィレンツェ) | |||||||||
・ | 1385年からワイン造りに携わる公爵家.現在のオーナーは、第26代ピエロ・アンティノーリ.兄はロドヴィーコ・アンテノーリだが、兄弟には確執があるようだ.サッシカイアのマリオ・インチーザ・デッラ・ロケッタは伯父にあたり、サッシカイアの醸造にも参加.キャンテイ・クラシコの品質を高めるとともに、スーパータスカンも造っている.10ヶ所以上にブドウ畑を持ち、トスカーナでは第1位の売り上げを誇る. [キャンティ・クラシコ]---バディア・パッシニーニャ、ペッポリ、ヴィッラ・アンテノリー、テヌーテ・マルケーゼ・レセルヴァ [スパータスカン] ---ティニャネロ(CS+サンジョベーゼ)、ソライヤ(CS75%、CF5%、サンジョヴェーゼ20%) ボルゲリ/テヌータ・ベルベデーレ/グアド・アルタッソ(CS+M) |
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キャンティ・ルフィーナ | |||||||||
・ | キャンティDOCGの中では一番小さい、フィレンツェ東の小区.造りがしっかりしておりキャンティNo1ワインはここから生まれる. ・フレスコバルディ [キャンティ・ルフィーナ]カステロ・ディ・ニッポツァーノ、[同]モンテソーディ、[同]セルヴァピアーナ |
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* | フレスコバルディ家:トスカーナ地方の芸術、文化、通商、金融の各分野において、1000年もの歴史を持つ、13代続くトスカーナの侯爵家で、700年以上も前からブドウ栽培に携っているという.13世紀には詩人としても有名だったディーノ・フレスコバルディはダンテの友人であったという。14世紀には英国王室やヨーロッパの数々の宮廷にワインを納め、英国王ヘンリー4世署名の入った注文書が今でも古文書館に保存されているほどです(映画モンドヴィーノでも映してました).19世紀の後半にフレスコバルディ家はトスカーナ地方のブドウの重要な役割を果たすようになる.単一畑の導入や、丘陵地域でのブドウ栽培を行い、現在フレスコバルディのワインはすべて自社ブドウ園のブドウから造られています.いち早くシャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロなど外来種のブドウ栽培に取り組み、数々の技術を導入する先駆的ワイナリーとして、トスカーナ最高の栽培地に9つのブドウ園をもち、それぞれの個性を生かしたワインを造りその地位を確保している.伝統を守るだけでなく、新たな発想と技術から最高品質のワインを造りあげることに信念があるようで、ロバートモンダヴィとも提携している.但し、キャンティに関しては普及品も多い.売り上げはアンティノーリ社に継ぐが、確執のあるといわれている両者が共にオルネライアに出資している.
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