十和田 〜 岩手軽米

2001/08/15     本州最北端攻略 編
 やっぱりベッドで寝るのは気持ちがいい。テントの撤収がないのが嬉しい。それでも自然に早起きに
なるのがツーリング。昨日青森に入ってから天気がパッとしない。窓から見る空は今にも降出しそうな
曇り。早々に出発の準備を済ませる。朝飯はどこかのコンビニですることに。近くにR4号が走ってる
のでルート選定は楽チン。R4号で、北上する。ヤマセ&早朝&メッシュってことで寒い!でもこの寒さ
が北上の証。天間林村から路面はウェット。うーん、今日は雨か?ついで野辺地へ突入。少しの渋滞
だ。ここから分岐して下北半島へ入るR279むつはまなすラインだ。基本的には原野の中を行く。その
前に腹ごしらえ。あった、あった肉まんとホットのコーヒ。冷えた身体に最高のご馳走。食べながら灰色

野辺地から陸奥湾をのぞむ

やっぱり北国の夏はこれ!?
の陸奥湾を眺める。左に野辺地。右に下北の鎌首が続
くけど、当然ガスって見渡せない。ここから原野の中の
直線ロードを最北端目指して北上開始。天気がよけれ
ばそれなりの風景なんだろうけど、これが津軽!って
感じで情緒はでてる。パッとしない天気だけど雨は降ら
ない程度まで回復。午前中にむつ市を通過。下北最大
の街。恐山は近いだろうけどこれまた見えない。麓の
裾かなーという樹海が見える程度。むつから大畑に出
ると目の前は津軽海峡!ここを海沿いに大間岬へ。ガ

カモメ。向こうは北海道
ソリンもこころ細くなってきた。大間岬が近づくにつれて
ぼんやりと暖かくなってきた。灰色の空にも明るみが増
してくる。大間岬の手前で地区の子供会かなんかの
お祭りだろうか、神輿の行列だ。夏祭りの時期と重な
るのが夏のツーリングの面白みでもある。大間岬は
大々的な看板があるわけでもなく、こっそり分岐して
漁村というか、住宅地の側にあって、最果ての岬の感
はすくなかった。それでもライダー観光客はそれなりの 
数だ。メットを脱ぐと、潮の香と、演歌!あぁー津軽
海峡♪ですか。灯台は沖合いに浮かんで、その潮流の速い事、速い事。川の流れのよう。流れが見える
というのも珍しい。試しに手を入れると冷たい!こりゃ海水浴の文化はないなぁ。土産店内はNHKの朝
の連ドラ出演者のパネルがずらり。結構有名人も来てるんだね。今回のツーリングの最大の目的も達成
出来た!ここから折り返し。その前に下北のもう一つの岬、尻屋崎へ。寒立馬の岬に寄らないと。ルート
的にうまい道はなく、はまなすラインを戻る。が、単調な道でしかも標識が出てこないから思いっきり逆走
で予定より行きすぎてしまう。県道6号狙いが7号に。これがなかなか趣の深い道で。路面は良好で一気
に標高を稼いで行く。狭い半島を横断する道だから当たり前か。周りは白い霧に包まれて気温も低い!
ここは冷水峠。ヘルメットの上を流れるのはヤマセか。ここでR338に合流。原野が視界に続いてその
先に海がみえる。まさにアウトバーン。原野の中を尻屋岬を目指してルートを繋ぐ。県道では2箇所程
ダートの洗礼を受ける。再び津軽海峡に抜けた。ここから尻屋岬までのルートは断崖沿いで大間岬より
最果ての雰囲気が濃い。空からたまに太陽がのぞく。セメント工場を通ると尻屋岬への入り口の遮断機
が現れる。なぜ遮断機なのか?バイク用押しボタンでゲートイン。ここから観光客の車が路駐しはじめて

最果てへの最終コーナー!?
路傍に馬が姿を見せ始める。これが寒立馬。その先に
見える灯台が日本で一番絵になる灯台!まさに果ての
果てに立つ灯台。立地条件、スタイルともに絶妙。夏の
せいか風はない。そぐ側には寒立馬。人に慣れている
感じで大人しそうだ。冬はどうしてるんだろ?ちょうど
昼時を過ぎたくらい。腹は減るが周りは原野。下北の
太平洋側を三沢辺りまで下りないといけない。あまり
飲食店は期待できない感じ。雰囲気は北海道の宗谷か
らサロマまで一気走りした感じになりそう。いよいよ本
格的にリターン開始。今来た道を折り返す。道も景色も
単調で、おまけに車のペースも遅い。疲れがたまる
パターン。六ヶ所村近くに来ると道の周りは湿原が多く

寒立馬。逞しいね。道にも出てきてた
なってくる。今日はどこに泊まろうか。キャンプ場は三沢
辺りに点在するがなるべくなら青森を出たい。なんとか
岩手に入りたい。三沢を過ぎ八戸まで降りて来た。こ
こから内陸にシフトする。とたんに目の前が青空だ!
降りかえればグレーの空。海から内陸に霧が勢い良く
流れていくのが見える。あぁこれがヤマセ。自然はすご
い迫力。晴天域に入ると一気に気温が上がって湿気も
飛ぶ。時間は3時を過ぎただろうか。やっと夏らしさが
帰ってきた。さてどう繋ごうか。R45とR4号をつないで
五戸、南部町とつなぐ。R4号は盛岡に通じる。距離は
100km程度。最悪盛岡まででればどこかの宿には
入れるが、帰りは北上高地を抜けようと考えてるので
難しい。なんとしてもR340方面でキャンプしたい。と
りあえずは腹ごしらえ。道の駅さんのへで休憩。あまり
バイクはいない。頼んだのは牛丼。うーん、スキヤキ
のってますかって味。これはこれで美味しいけど。食べ
ながらキャンプ場を選ぶけど、時間と見合う手頃な場所
が見つからない。消去法で選んだのは軽米のキャンプ
場。えぞと大自然のロマンの森に決定。道の駅の前で高校生のバイトねーちゃんがにんにく売ってい
た。そうそう近くの田子町はにんにくの生産地らしい。たまたま出発前にテレビで知った知識と一致し
てにやけてしまう。キャンプ場まではそれほど遠くない。あっさり見つかるかと思ったが、軽米の市街で
大苦戦!看板はないは、マップルは小さいは。2,3回町を徘徊してほとんど偶然に発見。縄文か何か
の展示施設に併設のキャンプ場らしい。閉館中なのかだーれもいない。人の気配すらない。受付もな
いし、テントサイトも曖昧?ただの草原。中央にキャンプファイヤーのスペースがあってかろうじてそれ
らしい雰囲気。近くに一つのテントがあるが人のいる気配がない。ヒグラシの声が強くなって遠くでは5
時の町内放送が流れている。ヒグラシと草の濃い匂いに忘れていた帰省の感が戻る。身体の中の記
憶は不滅なんだなぁと実感。設営が終わる頃ブラックバードがやってきた。先客のテントのオーナーら
しい。夜は涼しくて過ごしやすかった。でも夜出歩くのは怖かったなー。街灯はないし、トイレは昆虫の
巣…。自販機に買出しに散歩したけど、近くの家を通ると家族で花火大会。いいなぁ家庭って…。ピン
クの閃光と鼻をつく煙の匂いにお盆を感じた。明日はどこまでいけるかな。

走行開始 34598km
走行終了 35038km  本日走行距離 440km
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