陰陽道の方位学:鬼門(1)


最近、風水や陰陽道がちょっとしたブームな様ですね。

家相や地相や八卦とか、漫画やアニメ等では竜脈とか四聖獣とか。

ちなみに、何故か四聖獣とよく出ているけど、実際は四じゃなくで五です。

青竜、朱雀、黄竜、白虎、玄武の五柱で、

それぞれ木、火、土、金、水を象徴し、青、赤、黄、白、黒の五色で表されます。

方位では青竜、朱雀、白虎、玄武がそれぞれ東天、南天、西天、北天を表し、

黄竜は中央である地上を表します。

だから地上を流れる気脈の事を竜脈と呼ぶ訳です。

 

さて本題の方位の話ですが、方位に関しては風水も陰陽道も

起源は同じだと記憶しています。

中国の道教ですね。特に八卦や方位に関しては、

封神演戯で有名な周の文王がその起源に一役かっています。

風水の羅盤などで南に「離」、東に「震」、東北に「艮」と書いてあるのは、

(他の方位もあるのだけれど、常用漢字じゃないのであまり使いたくない)

文王後天八卦方位と言って、周の文王の作です。

風水の羅盤なんかは、大抵これです。

ちなみに伏義という神が創った八卦を先天八卦、

それを周の文王が整理したものが後天八卦だったと記憶しています。

違うかも。違ったらごめん。

余談ですが、八卦での「震」というのは雷を象徴しています。

これが封神演戯に登場する雷震子の名前は、ここから来てるんでしょうか?

 

さて、方位のなかでみなさん気になるのは、やはり北東つまり鬼門でしょうか。

一般に鬼門は不吉な方位として扱われています。

八卦では艮(ごん)、陰陽道では丑寅(うしとら)などとも呼びますね。

そして同様に不吉な方位としては、南西の裏鬼門があります。

陰陽道では裏鬼門とは呼ばず、人門と呼ぶそうです。

「鬼門」という名の由来は、「山海経」の文中の

桃園の東北にある、鬼の集まる門から来ています。

と言っても、それが鬼門が不吉であるという直接の理由ではないです。

 

そもそも、何故この方位は不吉なのでしょう?

 

陰陽道では、時間や空間を区別することはありません。

だから、時間や空間で共通の単位を使用するわけです。

丑は陰気の極大を表し、

寅は陽気の極小を表します。

つまり、鬼門の方位が不吉なのは、

その方位が丑と寅の中間、陽気の存在しない方位だから

と言う事です。

時間と空間を区別しないという事は、当然、不吉な時間帯もあります。

それが夜2時頃、つまり丑三時というわけです。

 

古来から都市建設においてこの方位は無視できなかったようで、

奈良、平安京や江戸、東京府などで「鬼門封じ」の努力が見てとれます。

つまり、霊的に神聖なものをその方位に配置して、陰気を押さえ込もうと言う訳です。

一例ですが、平安京では比叡山、江戸では東照宮や寛永寺、

東京では浅草寺がこれにあたります。

裏鬼門もこの対象であり、江戸では山王日枝神社、東京では神田明神が

これにあたります。

 

寛永寺や浅草寺には共に池があるんだけど、何か意味があるのかな。

要調査ですな。

 

神聖なもので邪気を祓う鬼門封じ。

しかし、本当ににそれだけなんでしょうか?

本当に鬼門は封じられなければならないものなでしょうか?

もしそうだとしても、逆の方位である裏鬼門、つまり

陽気が最大で陰気が極小である裏鬼門は

なぜ封じられなければいけないのか。

 

オカルト関係の書籍では常識としてサラっと不吉と書いてあるけど、

こうして陰陽道等の視点で見ると、その常識は大いに疑問です。

 

気になるでしょ?

ヒントとしてはタロットカードの13番。これで分かる人も結構いるかな。

その答えは次の機会に。

オカルト関係で常識と言われているのが本当に真実なのか、

これを機会に考えてみるのもいいかも。


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