学校の怪談概論


今では学校の怪談というそうですね。

我々の時代では学校の七不思議と呼んでいました。

大抵、どこの学校でもこのテの話が伝わっているものです。

 

文部省の統計によると、現在、小・中・高校、短大、大学の総数は

4万2096校だそうです。

これら全てに七不思議があるとすると、その総数は

29万4672です。

学校の294,672不思議という訳ですね。

中には、「○○先生はカツラだ」とか言うのもあったりしますが。

 

しかし、29万ほどあるとは言っても、実際に29万種の話がある訳でなく、

比較的バリエーションは少ないです。

どうも、統一規格のような物がある様ですね。

だいたい以下のようなカテゴリーに収まると思います。

 

1.過去に死んだ生徒や教師が出る。

場所は主に教室、校庭、階段、廊下等ほぼ校内全域。

例えば過去に死亡した運動部の生徒が校庭等で運動してるパターン。

だいたいその生徒が運動部のホープだったり等、

味付けされてるのが一般的です。

他にも放課後に自分の席に座ってたり等。

 

2.学校の下、もしくは壁の中に死体がある。

建築時のトラブル等が一般的です。

有名なのはアメリカのゴールデン・ゲート・ブリッジでしょうか。

あと、建築前に校舎の場所に田や沼があって、

そこで死んだ子供の死体が見つかっていないというパターンも多いです。

自分のいた小学校にもこの話がありましたが、造成前の地図から、

小学校を建築する前は傾斜地であったことが判明しました。

もしあの話が真実なら、死体よりも傾斜地に沼があった事のほうが不思議。

 

3.標本や絵が動く。

理科室の標本や音楽室のベートーベンの絵とかが一般的。

一般的ということは、逆説的に考えると

理科室の標本は動くのが普通、という事でしょうか。

 

4.トイレで何か出る。

学校でおそらく唯一の閉鎖空間であるトイレはとかくこのテの話が多いです。

オープンなトイレなんて無いけど。

何か、というのは何かというと、大抵学校の歴史等とは無関係なものが多いです。

ひとつは、トイレでの何らかの行動に対して反応する幽霊。

これは花子さんが有名でしょう。映画デビューもしたし。

もうひとつは、三択の押し売り幽霊

「赤い紙いるかー」とか言って三色の紙の中のどれかを選ばせるのが一般的。

色は赤、青、黄、黒、茶等様々で、

中でも黄色と茶色がオチに使われている場合が多いです。

止まらなくなる、ってね。

 

5.開かずの部屋がある。

大抵、普段ほとんど使用されない部屋等が、開かずの部屋として認定されてます。

場合によっては壁の向こうに部屋がある等のパターンもあります。

殺人や自殺等の話で脚色されている場合がほとんどです。

案外、大掃除の時とかにあっさり開いたりするんだよね。

 

6.禁忌の場所がある。

開かずの部屋と似ていますが、こちらは一人で入ってはいけない場所という事で。

例えば屋上や体育館上部の照明機器の設置場所等。

大抵、突き落とされるそうです。

他に学校の裏庭等、校内で死角になってる場所が認定される場合が多いです。

 

7.なぜか学校外

学校の外での話が組み込まれている事も多いです。

例えば、合わせ鏡や水を張った桶を覗き込む話

将来の結婚相手が見えたり、10年後の自分が見えたり、

悪魔の顔や死に顔等、様々です。

覗く時間も、大抵は指定されています。

もう一つは、夢の中で兵隊や女性が現れ、体の一部を欲しがる話

大抵、この話を聞いたら必ず見るそうで、その際の対処法も

なぜか用意されています。大抵は呪文めいた特定の言葉で、

これを言わないと体の一部をもってかれるそうです。

「夢を見た」という人間は大勢いたような気がするけど、

体の一部をもってかれた人間というのは、何故か見たことが無いし、

そんな夢も見たことが無いなあ。幸運なだけかい?

 

自分の知る限りでは、こんな所でしょうか。

 

とりあえず、今回はこれまで。


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