クレイジー・ムーン

原題:Crazy Moon
製作年:1986
監督:アラン・イーストマン
脚本:トム・ベリー,ステファン・ウォドロスロースキー
キャスト:キーファー・サザーランド,ヴァネッサ・ヴォーガン,ピーター・スペンス

これが・・・    
こうなる      
By Brendan
内容:金持ちの家の息子ブルックス(キーファー)は、一風変わった青年だった。タキシードに蝶ネクタイ、髪はいつもオールバックにして、聴く音楽はオールディズ、そして妙な写真を撮っては部屋に飾っていた。愛車はサイドカー付きのバイク(ちなみに日本製)でいつもかたわらにはマネキン人形がある。こんなブルックスを家族は頭がおかしいと思っていたが、それはブルックスが幼い頃出て行った母親への疑念と、父親への反抗の現れだった。そんなブルックスはある日、街のお店で見かけたアン(ヴァネッサ)という女の子に一目惚れしてしまう。一生懸命声を掛けても無視されるのだが、それは彼女が耳が不自由な為だったからである。アンは話せるようになりたい、そしてヨーロッパを旅したいと言う夢を持っている。その為に親元から離れ訓練を受けているのだ。そんな前向きで明るいアンとデートを重ねる内に、ブルックスの心も少しずつ解き放たれて行った。

感想:これはキーファーがいてくれればそれでいい。あなたの為の映画!
最初の頃はいつも縮こまって、不良少年の弟クリーブランドにいいように使われ、それでもモジモジしている、とてもウブウブな青年。これがかわいすぎる!デート中クリーブランドの仲間に見つかり、ちゃかされて唇にケチャップ塗られた時の恥ずかしそうな顔は、もう抱きしめて上げたくなります。
この作品がぐっと魅力的なものになっているのは、ちょっと変わったブルックスが、普通の女の子ではなく、耳の不自由な女の子と付き合うという所でしょう。もし、アンが普通の女の子だったら、ブルックスの変さばっかり目立ってしまうと思うのです。こんな変わった子と普通のお嬢さんが付き合ったら、やっぱりこの女の子も変わってるよね、って思えちゃう。ちっともロマンチックじゃないですよね。見た目や行動で判断せず、心を見て惹かれ合っているという趣旨がこの設定で、すごく自然に受け止められるし、ロマンチックさがぐんと引き立っていると思います。家族からも訝しがられている今の自分をまるごと包み込み、真正面から向き合ってくれたアンの姿勢が、母親に愛されたおぼえのないブルックスの心の隙間にしっかり染み込んで行き、アンも耳の不自由な自分を少しも特別視しないで付き合ってくれるブルックスにどんどん引かれて行ったんですよね。そして、後半の髪を下ろしたTシャツ姿のかっこ良さと言ったら、金髪が眩しいぞ!バイクの乗り方も、目つきも変わってしまうんですから(写真見てね)。
ブルックスの心情の変化に合わせてBGMもオールディズからロックへ効果的にシフトされ、すがすがしい気分と雰囲気がばっちり演出されています。
弟と真正面から向き合うシーンの「兄貴だけの母さんじゃない」と言うたった1言のクリーブランドのセリフは、2人の今までの苦悩と和解の、すべてが表現されているいいセリフでした。
前半と後半でキーファーの雰囲気ががらりと変わる映画ですが、全編通して思う事「キーファーってこんなに美青年だったのね」とうっとりですー。

アン役のヴァネッサ・ヴォーガンは、本当に聴力障害を持つ女優さんだそうです。って事は聞こえないのに本当にしゃべれるんですよね、すごい!
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