美しき家政婦 ウーマン・ウォンテッド

原題:Woman Wanted
製作年:1999
監督:キーファー・サザーランド
脚本:ジョアンナ・マクランドグラス
キャスト:キーファー・サザーランド,マイケル・モリアーティ,ホリー・ハンター

内容:ニューヘーヴンの町にあるゴダードの屋敷に、1人の女性が家政婦としてやってきた。ボストンからやってきたエマ(ホリー)の働く事になったゴダード家は、妻を亡くして父親と息子の二人暮らしであったが、この親子の間は相当に冷め切っていた。それはどうやら精神病院で死んだ母親に関係してるようである。父親のリチャードは妻を愛していなかった上、妻の気が狂った時には外に愛人を作り、死んだ時も息子を残して愛人の所へ行ってしまったのである。そんな父親を見ていた息子のウェンデル(キーファー)も、母親も自分も愛してくれなかった父親を憎み、まるで小さい子供のように振舞い、反抗していた。しかしエマが来た事により、二人はかたくなだった心を少しづつ開いて行く。リチャードは今まで誰にも言えなかったつらい話をエマだけには話す事ができていたし、詩を書くがそれを誰にも見せなかったウェンデルも、エマに読んでほしいと言って来たのである。そして、リチャードとエマはいつしか愛し合うようになった。ウェンデルもエマの事が好きだったが、リチャードを愛している事を知ると引き下がり、二人の仲を見守るようになった。詩人として第一歩を踏み出そうとするウェンデル、そしてそれを暖かく応援するリチャードとエマ。三人がお互いを信頼するようになり、冷え切った家庭にやっと家族らしい日々が始まったのである。しかし、結婚して子供がほしいと願うエマに対して、リチャードはその事になぜか及び腰だった。リチャードの態度に失望していたエマは、リチャードが仕事で出張した時、ウェンデルと関係を持ってしまうのである。

感想:さて、最初に言っておきます。この作品はコメディっぽいですが、「可笑しい」ってものではありません。そして宣伝のようなエロティックな話でもないです。
どうやらエロティックなものだと思わせて売りたいようですが、はっきり言ってとっても不愉快!これでは、一般の映画好きな人には手を伸ばしづらいだろうし、逆にエロティックを求めて借りた人は、「金返せ!」っていいたくなってしまうでしょう。確かにビデオのみの発売は、公開しなかった分売り方に試行錯誤は必要でしょうが、映画の雰囲気や真意を外装でぶち壊してしまう事が、本当に映画を売る為にいい事なのでしょうか。
ま、文句はこの辺にしておいて・・・

キーファー監督作品第2弾です。期待を裏切らず、「気まぐれな狂気」や「要塞監獄」で見せてくれた独特のカラーは健在ですよ。一見お互いを憎んでいるかと思われた親子の心の奥底にある真意を、エマという新たにやってきた女性によって少しずつ引き出されて行く。遠くからやってきたエマの存在は、家政婦であり、妻であり、母親であり、そして女であるという象徴的なものとして捉えたほうがいいように思います。結局エマは二人と関係を持つのですが、ただのエロティックなものとしてではなく、ちゃんと意味のある事として描かれていると思います(ちなみにどっちもキスまでしか映ってませんよ)。エマもエマで心に傷を持つ、物事の分別をちゃんと分かっている聡明な女性です(男達を翻弄なんかしてません)。少し考え方が古風ですが、好感持てます。

さて、この映画のキーファー、みなさん思いっきり期待してください!「グランドコントロール」「ダークシティ」の後に作った作品ですが、とても若く見えるんです。キャラクター設定が大学生かその直後ぐらい、大体22才から25才ぐらいだと思うのですが、見えるんですよ。少し髪を伸ばして、常に膝ぐらいの短パンにスニーカーで、軽口なんかたたいちゃう。ちょっと自分を否定されると、ブータレて走り去って自分の部屋に閉じこもる、まるでわがままな子供です。泣く時も「エーン」って感じだし(^^;)・・・。しかーし、キスシーンは絶品ですよー、「おおー、キーファーもこんなキスできるんだ」(まったく失礼なヤツですね)と見入ってしまいました。
映画中で使われているキーファーの子供の頃の写真、どうやら本物のようです。ものすごくかわいい(まるで女の子)のでお見逃しなく!赤ちゃんの頃の写真には本当のママ、シャーリー・ダグラスの姿が見られます。
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