ドク・ソルジャー 白い戦場

原題:Article 99
製作年:1991
監督:ハワード・ドイッチ
脚本:Ron Cutler
キャスト:レイ・リオッタ,キーファー・サザーランド,フォレスト・ウィテカー,ジョン・C・マッギンリー

内容:退役軍人管理局病院では、軍を怪我や病気で退役した元軍人達が連邦政府の庇護を求めて毎日大勢やってくる。しかし、ほとんどの人達が「第99条により・・・・」という理由で何の保障も受けられなかった。病院の医療行為もまた連邦局の経費削減に従い、任務に関係ない病気や怪我の手術/治療は禁止していた。そんな状況であるから病院と退役軍人達との間に衝突が起きる事はしょっちゅうだった。そんな中でベテラン外科医リチャード・スタージェス(レイ)は局長に真っ向から対立し、何とか患者に十分な医療を提供しようと仲間の医師や看護婦といろいろな手を使って医療をこなしていた。
 ある日、研修医としてピーター・モーガン(キーファー)が病院にやって来る。モーガンは他の研修医と同じように、この病院での研修を終え、高給取りの開業医になる事を考えていた。その為スタージェスに自分達の計画の仲間の入らないかと誘われても、経歴に傷をつけたくないという理由で断った。しかし、この病院での患者の扱いや担当になった老人と接し、その実態にひどくショックを受ける。そして局長が、スタージェス達が局長が隠した薬品や医療器具を夜中に盗んでいるのを隠しカメラで撮り、スタージェスに他の仲間を見逃す代わりに病院を辞めるよう脅した事実を知ったモーガンは、医師としての使命感に火がついた。モーガンはスタージェスの所へ行き、病院へ戻るように言う。

感想:国家の為に戦い負傷し人生の行き場をなくした退役軍人が、今度は国家と徹底抗戦!別に戦争が起きる訳ではありませんが、ここもまた退役軍人/医者の戦場だ、という映画の意図がよく表現されています。ハデなシーンは最初の方にあるだけで、後半はまじめな医療ドラマです。手術シーンでは結構リアルな場面もあるので血に弱い人はご注意を。
患者の事などまったく考えない局長に対抗するスタージェス医師のむちゃくちゃぶりは大笑いです。夜中に医療器具や薬品を盗み(と言っても病院局内です)それに「汚染物質」と書いたシールを貼った袋に入れて逃げたり、暴れて銃を乱射する患者に「撃つなら上のお偉方にしろ!」と言ってみたり・・・。と、強烈な医者です。
研修医役のキーファーは、エリートの医者で野心を持ってはいるが患者には精神誠意を込めて接する。と言うこれでもか!!という程のハマリ役。特に担当になった直る見込みのない患者エイブラムス老人との交流は、やさしくて傷つきやすい純真な先生ぶりがステキでした。

 レイ・リオッタとキーファー・サザーランドと言えば、近年「乱気流・・・・・」という映画でそれぞれ主役していたという共通点が!(レイ・リオッタは「乱気流/タービュランス」で悪役をやってたのです)邦題でしか意味ないんですが、気がついた時はちょっと得意げになってみたりして。(^0^)
それから、スタージェスの友人の黒人医師ハンドルマンは、「要塞監獄/プリズナー107」で看守役のフォレスト・ウィテカーです。
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