評決のとき

原題:A Time To Kill
製作年:1996
監督:
脚本:
キャスト:マシュー・マコナヘー,サミュエル・L・ジャクソン,サンドラ・ブロック,オリバー・プラット,ドナルド・サザーランド,キーファー・サザーランド

内容:ある町で、10歳の黒人の少女が、白人の男達にレイプされた。犯人の男達は捕まるが、その少女の父親(サミュエル)が護送途中の犯人を公衆の面前で射殺してしまう。この父親の弁護を引き受けた白人弁護士(マシュー)だが、白人優勢の裁判の中彼は父親の正当防衛を訴える。そして、その事件は黒人の人権問題を左右する裁判として大いに注目される事になった。しかし公判の最中にも、黒人に加担した白人という目で見られ、彼の周りでいろいろな事件が起きる。白人の陪審員達は、白人を殺した黒人に同情する様子もない。絶対劣勢の中の最終公判、弁護士はいちかばちかの勝負に乗り出す。

感想:とても考えさせられる映画です。人種差別問題を真っ向から取り上げた映画で、こんなずさまじいのは初めて見ました。いじめとか村八分とかいうレベルじゃなく、白人は黒人を人間扱いしていないんです。こういう風潮を身近で感じていない者としては、この裁判の重要性がどうしてもリアルに感じ取れない。多分こういう問題を抱えている国の人が見たのとでは、受け取り方がぜんぜん違ってくるのでしょうね。あと身近にないのが陪審員制度、普通の人の中から陪審員を選び、判決はこの人達によって決まるという制度です。結局この陪審員達をいかに被告人に心を向かせるかが勝負のポイントになるわけですが、本当にこの方法で合法的な判決ができるのか疑問です。特にこの裁判の判決は父親は無罪。確かに少女をレイプした白人達は許されるものではなく、この父親が犯人を殺した理由は同情に値するものです。しかし、この白人達を殺害したというのは立派な罪のはずで、完全無実とは少し納得がいかない所があります。この当たりは私の友達の間でもちょっとした議論になりました。みなさんは、どう思われましたか?

さて、この映画ではサザーランド親子共演という特典があります。父親ドナルド・サザーランドは主人公の事務所の前任者で優秀だった元弁護士、キーファーは殺された犯人の弟で主人公達に裁判に負けるように犯罪的な妨害をするグループのリーダー。共演と言ってもまったく接点がないので2人が会話するシーンはないのですが、パッと見て「わっ!そっくりだ」と思ってしまいます。本当よく似てきました。しかし、ドナルド・サザーランドはあの歳でもセクシーですね。
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