グリーンズ

原題:Soldier's Sweetheart
製作年:1998
監督:トーマス・マイケル・ドネリー
脚本:(原作:ティム・オブライエン)トーマス・マイケル・ドネリー
キャスト:キーファー・サザーランド,スキート・ウーリッチ,ジョージナ・ケイツ,ダニエル・ロンドン

内容:ベトナム戦争の最中、ベトナムのチューライの西にある医療部隊では、ラット(キーファー)達6人の仲間が運ばれて来る負傷者の応急処置を行っていた。この部隊は戦地の真っ只中にありながら、敵の襲撃もなく、上官もいない比較的平和な毎日を過ごしている。ある日、仲間の1人が「戦地に女を呼ぶ」という話をみんなに聞かせた。「そんな事は不可能だ」と笑い飛ばしたが、フォッシー(スキート)は、本土にいる恋人をここへ呼ぶという計画を立て、そして実行した。みんなが見守る中、ヘリコプターから降り立ったのは、キュロットをはいた金髪のかわいい女の子マリアン(ジョージナ・ケイツ)だった。マリアンの出現で医療部隊の様子は一変した。みんながマリアンの姿を見るのを楽しみにしていたし、マリアンも愛する彼が見てきたベトナムに興味を持って楽しんでいた。しかし長く滞在するうち、マリアンも戦場という特異な生死の交差する現場を身をもって体験する事になる。医療部隊の応急処置の手助けをしたり、万一の時の為に銃を打つ練習をしたり、とマリアンは少ずつ兵士へと目覚めて行く。
この医療部隊の側には”グリーン・ベレー”通称”グリーンズ”という殺人部隊の拠点があった。夜襲/待ち伏せ/トラップなど奇襲攻撃をする精鋭部隊である。ラット達は彼らを怖がり、めったな事では近づかない。しかし、マリアンはグリーンズの様子を見ている内に、その部隊の任務に興味を持ち出す。そしてある日、フォッシーの元からいなくなったマリアンは、何と任務から戻ってきたグリーンズの部隊と一緒に戻ってきたのである。

感想:これ本当にいい映画ですよ!劇場公開されなかったのが、悔やまれます。題材は戦争なんですが、戦闘シーンはほとんどありません。戦場という場所に置かれた人間の心情の変化を中心とした内容です。
すごいと思ったのは場面の印象が画面を通して本当によく伝わって来る事!日常は戦場とは思えない程のんびりとした感じ、しかし負傷者が運び込まれ応急処置を施す場面は一転して慌しく血なまぐさい惨状。緊張感の薄い明るく仲のいい医療部隊に対して、無口でごつく冷酷そうなグリーンズ(いわゆる"コマンドー"ですな)。男だらけの味気ない雰囲気だったのが、マリアンが来てからは男子校に女子が入って来ちゃったような何とも言えない初々しい雰囲気にガラッと変わってしまう。こう言った対する場面/キャラクター、構成/場面のメリハリが見事です。だから、見ていても飽きる事がないんですね。「スクリーム」で主人公の彼氏を演じていたスキートは、この手の演技は文句なしですし、マリアン役の子もかわいかった上、魅力的でした。みんなが思わず頬を緩ませてしまう気持ちがよく分かります。

もー、本当に大好きキーファー!ますますホレました!この部隊は上下関係も年の差もそんなにない設定なんでしょう。雰囲気的にキーファー演じるラットがリーダーっぽいです。落ち着いていて物事をよく見ていて、人の気持ちが痛いほど分かる。マリアンはフォッシーの彼女だから,と気のないふりをしつつ、でも時々見とれちゃってたりすると言った、普段すごく大人なのに、時々まるで告白できないでいる中学生のような態度を取ったりします。そんなに大げさに演じ分けてる訳ではないのですが、ふっとした表情しぐさでコロッと雰囲気変えるんですね。これ悩殺です(^^;)。特にいいのは彼女の事で悩むフォッシーを思いやる演技。どこかって言うと・・・・これは見てのお楽しみです。

「ムービースター」98.12VOL.46にこの映画についてこんなエピソードが載っていたと、エマさんが教えてくれました。
キーファーが森の中での戦闘シーンを撮影中、霧が濃く視界が悪い所を走っていたら、木に激突して失神してしまったのだそうです。
キーファー:「本物の戦争だったら、絶対死んでるタイプだね」
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