気まぐれな狂気

原題:Truth or Consequences,N.M.
製作年:1997
監督:キーファー・サザーランド
脚本:ブラッド・ミルマン
キャスト::ヴィンセント・ギャロ,キム・ディケンス,キーファー・サザーランド,ケビン・ポラック,マーティン・シーン

内容:刑務所から出てきたレイモンド(ヴィンセント)は、彼女のアディ(キム)とムショ仲間のカーティス(キーファー)、マーカス(ミケルティ・ウィリアムソン)と共に、麻薬を盗み それを売り飛ばして、大金を手にする計画を実行した。 しかし、誰もいないと思っていた事務所には人がいて、カーティスがキレて殺してしまった相手の中に警官がいた。身元がバレて追われるハメになったレイモンド達は、途中車を奪うためにピクニックに来ていたカップルを人質にし、行動を共にさせる。なんとか警察の目をごまかして麻薬を売りつけようとマフィアのボスに会うが、このボスとのいざこざの最中にカーティスがボスを殺してしまった。警察とマフィアの両方から追われる事になったレイモンド達は,はたして逃げ延びる事はできるのだろうか。

感想:劇場映画初監督のキーファー・サザーランド。アメリカでは高い評価を受けた作品だそうです。 まず、6人の行動を共にしている仲間の描き方がうまい。6人には6人の考えや思いがあって、その中で2組のカップルの対照的なストーリーがある。1人1人の個性を丁寧に映像に表しながら、どんどん最悪の事態になって行く展開をいい映像で撮ってあります。映画でこの人数をきっちり描くのはなかなか大変な事だと思います。映像は、バイオレンスなのに淡々としていてのんびりとした雰囲気。目新しい手法は何もないのですが、30歳にして役者としての長いキャリアを持つキーファーが自分が関わってきた映画のスタイルを十分身に付け、自分の持っている演技の魅力を演出として映画の中に振りまいている気がします。そう、映画全体がキーファーの演技の世界なのです。監督としてすばらしい才能があると言われていますが、イコールキーファーの演技がどれだけすばらしいか分かった作品だと思います。

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