レイジング・ブレット

原題:Eye for an Eye
製作年:1996
監督:
脚本:
キャスト:シャーリー・フィールド,エド・ハリス,キーファー・サザーランド

          
By Brendan
内容:マッキャン一家は夫婦と娘2人のごく平和な家庭であった。今日は末娘のミーガンの誕生日、家族はみんなでミーガンの誕生日会の準備をする事になった。仕事帰りに買い物をして帰ろうとした母親のカレン(シャーリー)は渋滞に巻き込まれ、帰りが遅くなりそうだと家に電話を入れた。電話に出たのは17歳になるジュリー、ごく普通の会話をしている最中家に誰かがやってくる。しばらくして電話の向こうから、娘の激しい悲鳴と泣き叫ぶ声。半狂乱で家に戻ったカレンが見たものは、レイプされ殺された娘の姿だった。犯人はロバート・ドゥーブ(キーファー)、食料品店の配達係の男である。証拠も何もかも揃っている中で警察も自信を持って有罪になると確信していたが検察局のミスで不起訴、ロバートは無罪放免となってしまう。この判決に納得行かないカレンは、頼りにならない警察を無視し、単独でロバートを調べ始めた。
すっかり様子の変わってしまった妻を心配する夫のマック(エド)は、刑事が教えてくれた、犯人への判決に納得の行かない被害者達の会へカレンを連れて行く。初めは恐がっていたカレンだが、同じような心の傷を持った人たちの話を聞きだんだんと打ち解け行った。ある日カレンはその会の別室で被害者の会のメンバーが内緒話をしているのを目撃する。数日後、その話していた被害者の被告が殺された。カレンは、彼らが殺しを斡旋していると確信し、彼らにコンタクトを取った。

感想:原題「目には目を」って結構強烈です。確かに絶対悪い犯人が法廷で無罪になり野放しになっている事に納得が行かず、復讐を計画するという内容だから合ってますよね。それにしても、この映画も結構惜しい感じがしました。話の流れは無理がなく、娘を殺された母親が理性を失って行く様子や、愛する夫と末娘の事を考えながら自分を見直す所など主人公の心情もよく分かります。ただ、衝撃的な内容の割にはインパクトがない気がしました。それから複線の部分がかなりあいまいで、担当になった警察官がロバートに脅しを掛けるもののそれっきり。自分の事をカレンがつけていると分かった後、ミーガンに近づくロバートの本意が分からない(脅しているように見せかけて、からかっていたと私は解釈してます)。エド・ハリスも期待して見てましたが、確かにやさしく労わりのあるいい夫/父親なのですが、肝心な所で何にもしないので、家族の絆という意味でもちょっと興ざめしてしまいます。しかし、役に立たない警察官に向かってカレンがタンカを切るシーンは強烈でした。やっぱりあれは女の人が言う言葉ではありません。

さてキーファーですが、出て来て初っ端に思った事、「うわっ!ガラ悪っ!」。「悪人」とか「嫌な感じ」ではなく、「ガラが悪い」のです。私の今までの鑑賞作品の中でガラが悪いNo1ですね。ただ、やはり悪人としてのインパクトに欠けます。「連鎖犯罪〜」の方も私誉めてないんで、やっぱり悪役に抵抗があるのでは?と思われそうですが、「気まぐれな狂気」や「評決のとき」(特にサンドラ・ブロックをいたぶる所はゾーッてきました)はとても良かったと思います。この映画全体的に弱いので監督の力不足だとも思いますが、多分やっぱりキーファーには冷酷さはあっても残忍さがないのですね。これは父親ドナルド・サザーランドの演技もそう思うので、家系的にこの手の役は駄目なのでしょうか。それでもこのガラの悪さは一見の価値ありますよ。捕まった所のTV中継でのガンタレとか・・・植え込みに立ちションしたりとか・・・子供とおままごとごっこしたりとか、他の映画では見られないキーファーが見られます。
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