エンド・オブ・オール・ウォーズ

原題:To End All Wars
製作年:2002
監督:デビッド・カンニガム
キャスト:ロバート・カーライル,キーファー・サザーランド、シアラン・マクメナミン

     
内容:第二次世界大戦、日本軍はアジアで優勢を誇っていた。その地で捕らえられた英国の部隊は、日本軍の捕虜収容所へ連れて来られた。日本兵からの虐待や粗末過ぎる食事「捕虜も人権が認められる」と主張したマクレーンは、日本兵に殺されてしまう。キャンベル少佐 (ゴードン)は上司だったマクレーンの意思を継ぎ脱走を企てる。しかしそこはジャングルのど真ん中、脱出できたとしても逃げ切れるはずもなかった。そんな中で、アーネスト(シアラン)は少しでも気を紛らわす為、捕虜達を集め極秘で学校を始める。唯一のアメリカ人のヤンカー(キーファー)は自分本位で捕虜相手に金儲け(物品交換とか)をしている。捕虜達に与えられた仕事は鉄道を引く工事でたくさんの捕虜達が命を落として行った。ある時、収容所の外に出て勉強している所を見つかってしまう。しかし、その勉強のおかげで反抗的なだけだった捕虜の態度が変わった事に気づき始めた日本兵は、勉強をする事を許し、少しだが距離を縮めて行った。しかし戦局は徐々に日本が劣勢になっていた。

感想:正直戦争映画って好きではないんですね。そういう意味でちょっと見るのを二の足を踏んでいた作品でした。その反面キーファーが選ぶ戦争映画はただの愛国主義な映画ではないという事も他の作品を見て思っていました。やはりその通りでしたね。この作品は日本の捕虜になった白人達の話ですが、これはどの国の戦争に当てはめても言える事だと思います。戦争はいけない、と人間誰もが思っている事なのに、どうしてなくならないのでしょうか?人類みな平等といいながら、なぜ差別はなくならないのでしょうか?私はこの映画に1つの答えがあると思います。日本人の「武士道」という独特の思想を理解して溶け込もうとしたアーネスト達とそれに気づき始めて捕虜達を理解しようとした日本兵(まぁこっちはさらっとしたもんですが)。国や地域が違う分だけ違う生き方/思想を持つ人々がいる訳です。それをお互い理解して尊重できれば、言葉が分からなくても通じ合う事ができるはずです。そう簡単ではないですが、1個人ができる事としてはできるだけ異文化交流し、いろんな人々の生き方や国を理解し、そして戦争がなくなる事を願えればと思います。
さて、キーファーはこの中ではアメリカ人の役。アメリカ人はヤンキー(ちなみにカナダ人はカナック、オーストラリア人はオージーですね)と呼ばれてますが、見事にヤンキーっぽかったです。ただこういう役をやるとどうしてもドナルドパパと比べてしまうのですが、きっと最初の方の元気のいいアンカーはドナルドパパがやったらすごいいいだろうな、と思ってしまいました。しかし後半、死に掛けた後のアンカーの姿はキーファーの方が絶対いい!アンカーの役は物語の進行の捕虜達の気持ちの動きを代弁する存在だと思います。その分存在感が絶大ですが、すごく難しい役だったでしょう。それをあんなにさらっと演じられるのはさすがです。最近「24」でしかキーファーを見ていなかったので、久々にこういうクセのある役を見ると本当に感動します。やはりキーファーは演技がうまいですね。
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