ダーク・シティ

原題:Dark City
製作年:1998
監督:アレックス・プロヤス
脚本:アレックス・プロヤス
キャスト:ルーファス・シーウェル,キーファー・サザーランド,ジェニファー・コネリー,ウィリアム・ハート

          
By Brendan
内容::男が目を覚ますと自分は湯船の中で、頭上の電球が揺れていた。男は自分が誰なのか、何をしていたのか分からなかった。その部屋にも見覚えがない。しかし、その部屋の中で体の真ん中を渦巻きに切り裂かれた女の死体があった。自分が殺したのだろうか。そこへ突然電話が鳴り「今すぐそこから逃げるんだ!」と言って来た。訳も分からずその指示に従った男は、自分の持ち物だっただろう物を手がかりに、自分の正体を知るだろうその電話の人物を探し始める。しかし、その男には黒マントの謎の集団が襲いかかろうとしていた。舞台は名もない街。日が登ることのない闇の世界だったが、住んでいる人間は、誰1人それを疑問に持つものはいない。しかし、記憶をなくした男は街の不可解さに気づく事になる。12時の鐘がなると、全てが止まってしまうのだ。それに、まるで建物が生き物の様に地面から生えたりしているのである。人も車も時計も、動かなくなる。しかし男だけは動く事ができ、そんな様子を目の当たりにしていた。そして、男は自分以外に動く者、黒いマントの死人のような顔をした人間達の存在に気が付いた。黒いマントの男達は、この世界を支配している異星人である。異星人達は人間を実験材料にし、人間の気持ちや生体を研究していたのだ。男に電話をした精神科医シュナイバー博士は、異星人にその実験に協力させられていた。この男の特異な体質に気が付いたシュナイバー博士は、何とかこの男とコンタクトを取ろうと手を尽くす。そして男の方もすべてのカギを握っている博士に迫ろうとしていた。

感想:宣伝やポスターを見ると、血ぃどろどろのスプラッタのホラー映画かと思うのですが。 内容はホラーではなくアクションありサスペンスありのSFです。製作者が映像にかなりこだわっているという事をものすごく感じます。すごく丁寧に作りこんでいるので、それだけでも一見の価値がありますよ。話の方もかなり凝っていて、見ている方はマードックの視点で話が進行して行くので、不可解な事に巻き込まれたマードックと同じ立場の疑問を感じながら、映画の中へどんどん引き込まれて行きます。寂れた感じの町の様子に怪しい精神科医と黒ずくめの人達、けだるい感じのエマに、妙な立場に置かれた刑事、よく考えると人物が誰1人として同じ立場にいないんですよね。人物がそれぞれ魅力的なのはその辺でしょう。

キーファーですがこの映画ではカッコいい所はありません。それに太ってるから40歳ぐらいに見えてしまいます。でも演技の方は大変すばらしく、背中を丸め片足を引きずりニヤニヤ笑ってるのは本当にイヤらしいですが、だんだん本心が分かるにつれて、なんだか頼りがいのあるキャラクターに見えてきます。普段はすこし掠れた弱気な声で早口で変な所にアクセントを置いているようなしゃべり方ですが、マードックの回想のシーンで登場する(これもめずらしくいろんな職業のキーファーが見られますよ)博士はいつもの堂々としたしゃべり方で、このギャップにも改めてびっくりしました。

ちょっとディープな私の楽しみを・・・。マードックに突き飛ばされたシュナイバー博士が這いつくばってメガネを探す所・・・・思わずやすしの「メガネ、メガネ、メガネ・・・」を思い出してどーしても笑ってしまうんですー(分かる人いるかなぁ???)

役作りについて・・・
キーファー:「シュレバーは人間と長い間話しをしていないから、会話のコミュニケーションが下手だとか、細かいところは自分で開発していったんだ」
役について・・・
キーファー:「興味深いストーリーだし、その役柄に魅かれたんだ。脚本を読んで、すぐにこれはやりたいと思った。でも脚本をもらったときは、年をとったキャラクターだったからビックリしたよ。これは僕よりも、父親の方がふさわしいんじゃないかって思ったんだ」
(のりっぺさんより戴きました)

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